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ヴァイオレット・ステージ  作者: 秋葉缶
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敗走

東條学園を出ると紫月の言っていた救護班に二人は車に乗せられた。

エリノアはともかく澪は重症だったため回復スキルを持つ職員に治療を受けている。


「とんでも無いことをしましたね」


澪を治療中のスタッフがポツリと呟いた。


「あの東條学園に二人で挑むなんて…。しかもA級とB級が。仮に協会のクラス持ちでも嫌がる案件ですよ」

「友達を傷つけ、殺されたんだよ。黙ってろって言う方が無理がある」

「その行動は個人的には称賛してあげたい。けどそのせいであなた達は駿河学園のみならず沢山の人に迷惑をかけてしまった」


「……」


二人は黙り込む。

分かってはいたことだが今回の襲撃は「駿河学園の二人の生徒が行ったもの」と当然東條学園は受け取る。

そうなった場合報復で関係ない生徒まで狙われるかもしれない。


「ま、処遇などは協会で決めるでしょうからそれまでは安静にしてなさい」


「(処遇ですか…)」


エリノアはアドレナリンの引いてきた頭で考える。

もちろん駿河学園としては学園の命令で二人を送り込んだ訳ではない。

他の生徒を守るために二人を退学にさせて収拾を図るだろうか。

退学になった後はそのまま牢に繋がれるだろうか。

様々なネガティブな考えが頭のなかで沸々と湧いてくる。


「(覚悟はしていたことです。私がどうなろうと構わない)」


エリノアは自分に言い聞かせる。


協会までの道のりで二人は何も喋らなかった。

時間にして約120分。

車が24区の天宮区の敷地内に入る。


そのまま澪が以前入った協会本部の裏口に車が停められた。


「……」 


澪は黙っていたが違和感を感じていた。

罪人ならそもそも手錠をかけられるはずだ。

実際以前、秋葉原で雷果と戦ったときは手錠をかけられて護送された。


「(私が重症だから?けどそれならエリノアにかけられてないのがおかしい)」


「はい、降りてください」


スタッフに促されて二人は車を降りる。

そのまま本部内に入るとすぐに、ヒグマ用かと思うほど大きいエレベーターが目の前に現れた。しかし事務用という感じではなくエレベーターの内部はデザイナーが手がけた装飾が施されていた。


「随分綺麗なエレベーターだね」

「安心してください」

「!!」


スタッフが微笑みながら二人に話しかけた。


「あなた方は別に罪人としてここに来たわけではありません」

「え!?」


エリノアが驚きの声を上げる。

スタッフは続ける。


「まぁそれも今から行われる面談で変わるかもしれませんが」

「面談…?私達は誰と話すの」


澪が不安そうな表情で尋ねる。


「会長です」


「会長?」



「アイドル協会の会長。この施設で一番偉い方と二人は面談をしてもらいます」







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