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ゲートが開いた日、絶望した俺はすべてに復讐する  作者: まちゃ粉


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13/20

第13話「選ばれた場所」

重たい扉が、ゆっくりと開く。

 ギィ――……

「……入れ」

 背中を押され、サクヤは中へと足を踏み入れた。

 その瞬間――

「……は?」

 思わず声が漏れる。

 そこに広がっていたのは、想像していた光景とはまるで違っていた。

 子供。

 老人。

 そして――多くの人間。

 疲れた表情をした者。

 安心したように座り込んでいる者。

 小さな子供を抱きしめる母親。

 ここは、ただのアジトじゃない。

「……なんだよ、ここ」

 呟く。

 サクヤを拘束していた男に視線を向ける。

「お前ら……何者だ」

 そのとき――

「それは、俺が答える」

 別の声が割って入る。

 振り向くと、一人の男が歩いてきていた。

 仮面をつけている。

 だが、その動きには妙な落ち着きがあった。

 男はゆっくりと仮面に手をかけ――外す。

 現れたのは、どこにでもいそうな穏やかな顔だった。

「ここはな」

 男は周囲を軽く見渡し、言う。

「魔物から逃げてきた奴らの集まりなんだよ」

「……は?」

 理解が追いつかない。

 サクヤの目が揺れる。

 男はそのまま、サクヤの前まで来ると――

 ぽん、と軽く頭に手を置いた。

「怖かっただろ」

 優しく撫でる。

「……っ」

 反射的に、その手を振り払おうとする。

 だが――できない。

 なぜか、拒絶しきれなかった。

「でも安心しろ」

 男は穏やかに笑う。

「ここにいる限り、お前は守られる」

「ふざけんな」

 低く吐き捨てる。

「誘拐しておいて、何言ってんだよ」

 睨みつける。

 だが男は、表情を変えない。

「必要だったんだよ」

 静かに言う。

「お前が」

 その一言が、やけに重く響いた。

「……意味わかんねぇよ」

 サクヤは目を逸らす。

 状況が、理解できない。

 ここは敵なのか。

 それとも――

 わからないまま、時間だけが流れていく。

 一方、その頃――

 病院。

 重苦しい空気が、部屋を満たしていた。

「……申し訳ありません」

 ルミナが、静かに言う。

 その前には、医院長と――サクヤの両親。

「……逃げられたのか?」

 医院長の声は低い。

「はい」

 短く答える。

 その瞬間。

「そんな……」

 母親の膝が崩れ落ちる。

「サクヤ……っ」

 涙が溢れる。

 父親も、拳を握りしめていた。

 言葉が出ない。

 ただ、震えている。

「……どうしてだ!」

 医院長が強く声を上げる。

「あなたの隊だろう!?なぜこんなことに――!」

 責めるような視線。

 だが、ルミナは逸らさない。

 まっすぐに受け止める。

「……何者かに」

 一拍置いて、言う。

「連れ去られました」

 その言葉で、空気が凍りついた。

「……連れ去られた?」

 医院長の顔が歪む。

「敵……ということか……?」

 ルミナはゆっくりと頷く。

「現時点では、そう判断しています」

 拳を握る。

「ですが――必ず見つけます」

 静かな声。

 だが、その奥には確かな決意があった。

「サクヤは……取り返す」

 その言葉だけが、強く残った。

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