パンツァー『モンゴーロ』2
「大きいな……」
それに禍々しい。帝国のデザインは悪趣味なものが多い。
帝国軍は神話や伝説の怪物をモチーフにした兵器も持っている。
モンゴーロのシルエットも下半身は四つ足歩行だ。
基本的にパンツァーは三つの性能で構成される。
攻撃力、防御力、機動性である。
このうち二つしか同時に追求できない。
つまり、攻撃力を犠牲にしなければ機動性と防御力は同時に追求できない。
また、機動性を犠牲にしない限り、攻撃力と防御力を上げることは不可能だ。
俺のパンツァー『エンデュミオン』の場合は、攻撃力と機動性を重視している。
このメガパンツァー『モンゴーロ』は攻撃力と防御力を追及している。
帝国軍の伝統的な性能である。
帝国は機動力を『ハエの旋回』と否定的に見ている。
モンゴーロがダブルビームライフルを出した。
俺はそれをスライドしてかわす。
なんて火力だ。
エンデュミオンの装甲などたやすく破ってしまえるであろう。
俺はすみやかに反撃を意図した。
エーテルソードで、接近戦を挑む。
このパンツァーは接近戦はいやがるはずだ。
俺はエーテルソードでモンゴーロの上半身を斬った。
だが、それは防がれた。
このパンツァーはエーテルサーベルも持っているようだ。
俺はいったん下がる。
そこにモンゴーロから胸部ビーム砲が火を噴いた。
俺はそれにエーテルソードを合わせる。
エーテルソードとビームがぶつかった。
やはり、このパンツァーは一対多数の戦闘を前提としているようだ。
つまり、俺がここでこのパンツァーを撃破できれば、戦いの流れは圧倒的にレジスタンス優位になる。
ここが踏ん張りどころだ。
モンゴーロのバルカン砲が発射された。
俺は空中を移動してそれを回避する。
パンツァー『モンゴーロ』が肩から双子のビームキャノンを出した。
ツインビームキャノンだ。
エネルギーが砲身に集まる。
その瞬間すさまじい、ビームの奔流が放たれた。
ビームは後方にまで到達した。
「なんて威力だ! こんなものを直撃したら、俺は蒸発するぞ!」
俺は危機感を持った。
エンデュミオンは装甲が若干薄い。
ビームキャノンを防ぐことはバリアシールドを最大にしても無理だ。
パンツァー『モンゴーロ』のビームキャノンは戦艦の主砲並みの威力がある。
俺はエーテルライフルを出した。
俺は射撃より剣術が得意だから、あまり銃には頼りたくないが、この場合はそんなことは言っていられない。
俺はエーテルビームを銃から撃つ。
その瞬間、パンツァー『モンゴーロ』の前面にビームを歪めるバリアフィールドが形成された。
「なんだ、これは!?」
原理は不明だが、パンツァー『モンゴーロ』は射撃武器を無力化でいるらしい。
「加勢するぞ!」
「うおおおお!」
二人のパンツァー『グラーヴォ』がエーテルマシンガンを撃ちながら、パンツァー『モンゴーロ』に突撃していく。
もちろん、マシンガンはバリアフィールドでかき消される。
二人はそのままエーテルサーベルで斬りかかった。
バリアフィールドがそれを防ぐ。
さすがに、いかにグラーヴォでも量産型では無理があるか。
一体はモンゴーロのエーテルサーベルで刺し貫かれ、もう一体はダブルビームライフルで撃破された。
その間に若干の隙が生じた。
俺はエーテルソードで斬りかかる。
俺はダブルビームライフルを斬ることに成功した。
「やったか!?」
胸部ビーム砲が撃たれた。
俺はそれを後退しつつ回避する。
おそらく、このパンツァーは無人機だ。
人工知能が機体を制御しているはずだ。
相手が人間なら躊躇しても、機械が相手なら遠慮はいらない。
俺はエーテル粒子を剣にまとわせた。
「テンマ機! 援護するぞ!」
海上戦はレジスタンスが優勢だった。
そのため、いくつかグラーヴォがこちらに支援にやってくる。
正直、支援はありがたかった。
俺一人ではこのメガパンツァー『モンゴーロ』は手に余る。
「ああ、頼む!」
俺はエーテルソードを大出力にして、バリアフィールドを展開しているモンゴーロに向かって突撃した。
これは俺の技『エーテルストライク』だ。
俺のエーテルソードがバリアフィールドに阻まれる。
「このまま行く!」
俺はバーニアをさらに噴出させて、モンゴーロのバリアフィールドを貫いた。
俺のエーテルソードが、モンゴーロの上半身に突き刺さる。
手ごたえがあった。
「!?」
俺はその瞬間に後退していた。
モンゴーロの上半身が爆発する。
下半身だけとなったモンゴーロはビットを出してきた。
まだこんな武器を隠し持っていたのか!
だが、それを見せたということはモンゴーロが追いつめられているということでもあった。
支援に来たグラーヴォは撃破された。
さすがにビットを回避しきれるほどの性能はグラーヴォにはない。
「くっ!? やりにくい!」
ビットは執拗に俺を攻撃してくる。
俺はエーテルソードで、ビットから撃たれるビームをかき消していたが、俺が不利であることには変わりない。
くっ、どうしたものか。
俺は上昇した。
ビットもついてくる。
俺は接近してきたビットに回転斬りを放ち、ビットを破壊した。
さらに、エーテルライフルを出すと、ビットを狙って撃った。
ビットは撃墜される。
「このまま決める!」
俺は上方から急降下して、パンツァー『モンゴーロ』の背中をエーテルソードで貫いた。
モンゴーロは硬直した。
俺はその場を離れた。
その瞬間、パンツァー『モンゴーロ』は大爆発した。
それをゾルゲ司令もモニターでチェックしていた。
パンツァー『モンゴーロ』がやられた。
そんなバカな!? あれがやられるなどありえない!?
だが、現実は冷酷に、ゾルゲ司令にリアリティーを突き付ける。
「くっ……降伏だ……降伏する!」
かくして、マカイロス要塞はレジスタンスに引き渡された。
ゾルゲ司令たちは去就の自由を与えられた。
多くが帝国領に戻った。
なお、のちのことだが、ゾルゲ司令は責任を問われて、処刑されたらしい。
こうしてマカイロス要塞の攻防は終わった。




