パンツァー戦
「行くぞ!」
「俺様はギヨームだ! なめたガキだ! ぶっ殺してやるよ!」
俺とギヨームは互いにぶつかり合った。空中戦が展開される。
互いのエーテルソードが交差する。
ギヨームのパンツァーの方がパワーは上か。
なら、こちらは機動力で対抗させてもらう!
「お頭!」
「ギヨーム様!」
ダスティンとアントワーヌがギヨームに助太刀に入ろうとする。
だが。
「おっと」
そこにパンツァー『クリシュナ』を装着したクウマが立ちはだかった。
「なんだ、てめえ!」
「きさま……邪魔をする気か!」
ダスティンとアントワーヌがいきり立つ。
クウマは冷静に。
「その通りだ。ここから先へはいかせはせん。通してほしくば私を倒すことだな」
「いいぜ! ぶっ殺してやる!」
「なら、死ぬがいい!」
二人はエーテルライフルを出した。
この二人は遠くからクウマを射殺するつもりだ。
「「死ね!!」」
二人のエーテルライフルが火を噴いた。
パンツァー『クリシュナ』は近接専用パンツァーで、性能は平均的に高い。
ただ、武器はエーテルの大太刀と、エーテルボウだけだ。
「フッ」
クウマが笑う。
彼はエーテルライフルから発射されたエーテルビームを大太刀で斬る。
「なっ!?」
「バカな!?」
アントワーヌとダスティンが驚いた。
それはそうだろう。エーテル粒子のビームをクウマは大太刀で斬ったのだから。
「フッ、どうした? そんなものか?」
「ふざけるな!」
「まぐれがいきがってんじゃねえ!」
アントワーヌとダスティンは激高した。
怒りは冷静さを失わせるが、彼らはエーテルビームを連射する。
クウマは目を細めた。
クウマが大太刀を振るう。彼が大太刀を振るうと、エーテルビームははじかれた。
エーテルの大太刀が、ビームを無力化しているのだ。
それも大太刀で。
それは達人の域に到達している証だった。
クウマは剣の達人だ。
「そんな……」
「ウソだろ……」
二人が愕然とする。だが、それはまだ早い。
「ふむ……しばらく戦っていないあいだになまっているな。おまえたちにはエサになってもらうぞ」
クウマは大太刀を握りしめた。
「一刀光斬!」
クウマがエーテルの刃を飛ばした。
「うおおおおおおお!?」
「があああああああ!?」
アントワーヌとダスティンはそれを急いでよける。
よけられたのはクウマがそう放ったからだ。
でなければ彼らは今ごろ死んでいた。
クウマは戦いの勘を取り戻すために、わざとかわせるように放ったのだ。
クウマは剣の達人である。
それはもはや剣聖と言ってもいい腕だった。
「遠距離攻撃は効果がないぞ? 接近戦で来い」
クウマは淡々と告げる。
それを見て二人は激高した。
「ふざけるな!」
「なめんじゃねえ!」
二人はエーテルハルバードでクウマを攻撃した。
クウマはそれを剣であっさり斬りはらう。
二人の猛攻がクウマを襲うが、クウマに一撃も入らない。
しだいに彼ら二人はクウマのペースに乗せられた。
彼らはそれに気づいていない。
「まずは武器破壊と行くか!」
クウマがすさまじい一撃を出した。
二人のハルバードが分断されて、粒子に戻る。
「なっ!? エーテルの武器が!?」
「くそがあああああ!」
いい加減に彼らとの戦いにも飽きてきたな。
そろそろころあいか。
クウマは本気で二人をにらんだ。
気が張りこめる。
「こ、これは……」
「なあっ!?」
これは達人が持つ気である。
たかが気、されど気。
達人の力なら、すくみ合わせることなど造作もない。
アントワーヌとダスティンはそれをまともに受けた。
それだけで彼らの体の自由は失われた。
「終わりだ」
「がはっ!?」
「があっ!?」
アントワーヌとダスティンのパンツァーは所有者を巻き込んで爆発した。
クウマは冷めた目でそれを見ていた。
「アントワーヌ! ダスティン!」
ギヨームが叫ぶ。俺の耳にギヨームの部下の名前が入った。
戦いは父さんの勝ちだったようだ。まあ当然か。
父さんはパンツァーの兵士の前に剣の達人だ。
昔から、剣の道で生きてきた。
やられた二人には相手が悪かったとしか言いようがない。
「へへっ、あんたの部下はやられたようだな。こっちもケリをつけるかい?」
「なめるな! きさまごとき小僧など、くびり殺してくれる!」
ギヨームがエーテルソードを振るう。
俺はすでにギヨームの攻撃を見切っていた。
ギヨームは確かに力は俺より上だ。
だが、技は俺の方が上だった。
それに剣術の技量の差……。
これは埋めがたい。
俺は剣の腕で、ギヨームの上を行っていた。
「無駄だ! あんたの剣は見切った!」
俺は斬りつけてきたギヨームの剣をエーテルソードで弾き飛ばす。
「なにいい!?」
「いい加減にあきらめるんだな!」
「ふざけやがって、小僧が! これでどうだ!」
「!?」
ギヨームが二丁の大型エーテルライフルを物質化させた。
ライフルから光沢が放たれる。
「で、それで何をしてくれるんだい?」
「フン! ハチの巣にしてやるぜ! 死ねえ!!」
ギヨームがエーテルライフルからビームを発射した。
ビームは弾丸となって俺に襲いかかる。
だが、俺はそれを冷静に裁いた。
俺はエーテルソードで弾をはじき飛ばす。
「なっ、何イイイイイ!?」
ギヨームが驚きの顔をする。
この程度で驚かれても困るんだけどな。
「くそがああああああああ!!」
ギヨームはエーテルキャノンを出した。
ここで一気にケリをつけるつもりだ。
俺は真剣な顔をした。
「これでとどめだ! 死にさらせえええ!」
エーテルキャノンから太いビームが発射される。
俺はそれをあっさりとよける。
それから俺はギヨームに近づく。
それを見たギヨームはほくそ笑む。
「かかりやがったな! これで消えろ!」
ギヨームからチャクラムが発射される。
普通に近づいたら、パンツァーの装甲ごと切り刻まれるだろう。
だが俺は垂直に急上昇していた。
「何だと!?」
「おあいにく様! これで決める!」
俺はエーテルソードの斬撃をギヨームのパンツァーに叩き込む。
「ぐっはああああ!?」
「どうだ?」
ギヨームは血を吐いた。
それに装甲を貫通して俺の斬撃はヒットした。
つまり、ギヨームの体にまで傷はついたはずだ。
さすがの重パンツァーも俺の斬撃までは防げない。
「ち、ちぐしょう……フン!」
ギヨームは最大出力で後退していった。
あの傷ではすぐには戦えないだろう。
戦線に復帰することはできない。
なら、追う必要もない。
俺はギヨームに勝った。それで十分だ。




