↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
11/28

バビュロニア帝国軍

「あれは……バビュロニア帝国軍! やつら、ニュンフィアに攻めてきたか!」

 

 俺は怒った。

 こんな平穏な土地を攻めようとする帝国軍に対してだ。

 あまつさえ、降伏を求めてくるなど、こちら側をなめているとしか言いようがない。

 俺はパストール少将という人物は知らなかったが、余りの横柄さに呆れた。

 俺は『アンジェラ』のブリッジから様子を見ていた。

 パンツァー『ニュンフェ』をまとった女性兵士たちが帝国軍と戦っていた。

 帝国軍も量産型パンツァーを出してきたようだ。

 帝国軍の量産型パンツァーは『ヴィーキング(Viking)』という。

 武装はエーテルソード、エーテルアックス、エーテルジャベリン、エーテルライフルと豊富だが、主(おも)にこの中から自由に主武装を選ぶことができた。

 それがヴィーキングの強みだ。

 このパンツァーは持ち手にフィットした戦いができる。

 エーテル同士が輝き、光芒をもたらして消えていく。

 戦況は帝国軍が若干押していた。

 若干とはいえ、これは大きかった。

 大きな波は帝国軍側にある。

 俺はアウレーリアを見た。

 彼女は冷静に戦況を見守っている。

 だが、俺は!

 

「テンマ君、出撃したい?」


 俺は熱くなった。


「当たり前だ!」


「そう、なら出てもいいわよ」


「いいのか?」


「こちらには戦力を温存しておく余裕はないしね」


「ああ、わかった。ところで、父さんを連れて行ってもいいだろうか?」


「あなたのお父様? もちろん。援軍は大歓迎よ」


「ありがとう! 恩に着る!」


 俺は走ってブリッジを出た。すぐさま、牢へと駆け出す。


「父さん!」


「テンマか?」


「力を貸してくれ!」


「どういうことだ?」


 父さんとしては事情を知りたいだろう。

 当然の質問だ。


「実は……」


 俺は事情を話した。

 俺はこの部隊のクルーを見殺しにしたくない。

 黙って見ていることはできない!

 俺は戦士だ! 俺は戦う!


「……ふむ、そういうことか。食事が豪華になったのはおまえのおかげか」


「そうなんだ。これが父さんのパンツァーリングだ。これで俺に力を貸してくれないか?」


「いいだろう。おまえがそう言うのなら、この部隊のために戦ってもいいだろう。では、出るぞ」


「ああ!」



 一方、女子更衣室では。

「ふーん、テンマも出るの」


「ん、そうらしい。私たちもいいところを見せたい」


「そうだね。ぼくたちもやるっていうことを彼に見せてあげたいな」


 エーヴァたちがしゃべっていた。

 彼女たちはパンツァーを装着するために薄着になる。

 エーテル装甲の下はレオタードだ。

 彼女たちはラ・ステッラ・ドーロの士官に当たる。

 主に部隊を率いるのが仕事だ。

 

「ねえ、帝国軍の兵士の撃墜スコアで勝負するっていうのはどう?」


「いい。望むところ」


「ぼくも賛成だよ。ふふふ、負けないからね?」


「それはこっちのセリフよ!」


「私が勝つ!」


 戦いへの決意が高まりつつあった。

 三人娘はパンツァー『オンディーナ』で出撃した。

 風が吹きつける。

 戦いの前はいつも、彼女たちは興奮している。

 彼女たちも戦士なのだ。

 戦いの始まりは両勢力のパンツァー兵のぶつかり合いだった。

 エーヴァたちは自軍が若干押され気味であることを悟る。

 

「エーヴァ、出撃!」


「ダニエーラ、出るわよ!」


「カタリーナ、行くよ!」


 三人娘は戦場に飛び立った。

 美しい、女性用パンツァーは青かった。

 それぞれは武器を取る。

 エーヴァはエーテルスピアを、ダニエーラはエーテルボウを、カタリーナはエーテルジャベリンをそれぞれ装備する。

 

「じゃあ、それぞれ部隊を率いて戦うってことで!」


「ダニエーラ! もう、勝手なんだな。まあいいさ。それじゃあ、エーヴァ、ぼくも自分の部隊といっしょに行くよ」


「ん。わかった。私も指揮に向かう」


 三人娘はそれぞれの戦場に向かっていった。

 


 エーヴァは部隊を指揮しつつ、攻めていた。

 三人娘の中で一番、純粋な攻撃力はエーヴァが一番だ。

 彼女はエーテルスピアで、敵パンツァーを貫く。

 不意に彼女の周囲にパンツァーが集まりつつあった。

 帝国軍は優勢な数で包囲するつもりだ。


「敵は包囲をする気。私たちは一気にぶち抜く!」


 エーヴァが率いて、部隊は帝国軍の包囲を破りにかかった。

 エーヴァの部隊は主(おも)に槍を装備している。

 勢いのままに突破する作戦だ。

 帝国軍は包囲によって、密度を小さくしてしまった。

 それゆえに、エーヴァの狙い通り、帝国軍のパンツァー部隊が蹴散らされる。

 エーヴァの部隊はそのまま反転すると、混乱していた帝国軍に猛攻をかけた。

 帝国軍のパンツァーが次々と撃墜されていく。

 戦場で、光芒が輝く。

 エーヴァの金髪が美しくなびく。

 帝国軍は個人に最優先させた武装を持つだけあって、武装の統一性がなかった。

 数だけを見ると、エーテルアックスを装備した『ヴィーキング』が多い。

 戦況は刻一刻と変化する。

 帝国軍は第二波の部隊を出した。

 エーヴァたちはそれを見届ける。


「敵、増援を確認! ただちに攻撃にうつる!」

 

 エーヴァはさらなる敵へと向かっていった。



 一方、ダニエーラは。

 ダニエーラの武器は弓だ。

 彼女は洋弓もたしなんでいる。

 ダニエーラは部隊にエーテルボウを装備させて、後方からエーヴァの部隊を支援していた。

 接近戦はエーヴァに任せる。自分たちは後方支援に徹すればいい。

 

「さあ、踊りなさい! 一斉射撃、用意! 発射あ!」


 ダニエーラたちがエーテルボウから一斉にエーテルアローを放つ。

 密集していた帝国軍はいい的だ。

 エーテルアローが光の軌跡を描いて、敵パンツァーに命中する。

 パンツァー『ヴィーキング』は爆破されていく。

 帝国軍は力づくで、戦線を突破しようとした。


「あら? 力づくで来るの? いいじゃない! みんな、よく狙いなさい! 敵は的よ!」


 ダニエーラは一斉射撃で敵の突撃を受け付けない。

 戦況がラ・ステッラ・ドーロ有利に展開されていく。

 それを見たダニエーラは余裕の笑みを浮かべる。

 

「敵は混乱しているわ! 今度は一点集中して矢を射るわよ!」


 ダニエーラたちは一斉に、集中的にエーテルアローを撃つ。

 敵からエーテルライフルの反撃が来るが、散発的だ。

 そんなものかすりもしない。

 エーヴァが正面から敵を撃破している。

 そこにカタリーナ率いる部隊がさらに左翼から攻撃を仕掛けた。

 帝国軍の前線は崩壊しつつある。


「ぼくの分を残しておいてほしいな!」


 カタリーナはジャベリンを操り、敵を貫く。

 カタリーナはジャベリンを投げつける。

 光の線が走った。

 エーテルジャベリンは直接攻撃にも使えるが、やはり、基本的には投げつける時、一番効果を発揮する。

 カタリーナの部隊は半数がエーテルスピア、半数がエーテルボウを装備していた。

 左翼から敵を挟み込むように、カタリーナの部隊が襲い掛かる。

 さながら、メスライオンのようだ。

 すさまじいほどの獰猛さであった。


「ぼくらは帝国軍だって手は抜かないからね!」

 

 カタリーナがエーテルジャベリンで立ち回る。

 接近戦に対応できずに、帝国軍は倒される。

 戦いはラ・ステッラ・ドーロ優勢になりつつあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。