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忙しいのと展開考えてたらめっちゃ空いてました。辞めたわけではないです。

夏休み前最後の登校日。

学生は纏わりつく湿気と熱気に呑まれつつも夏休みを目前に心は踊っていた。


「やっとかぁ」


いつものように4人は通学路を進んでいた。

少しずつ近づいてくる学校の校舎を見ると、改めて自分たちは今学生なのだと思い知らされる。

下駄箱の前まで来るとそれぞれクラスに分かれて散っていった。


正直、4人の誰も夏休みを楽しみだと思えていなかった。

こんなに憂鬱で不安しかないのは言葉にするまでもなかった。



――自分たちに何ができるのか。



これまでに何人かの命は救ってきたつもりだったが、それと同時に救えなかった命が多くあるのもまた事実だった。


あまりいいことではないのだが、人というものは慣れてしまう。

初めの内は1人、2人と人が目の前で死ぬのを見て、激しく動揺し、自責の念が大きくなっていったが、今となってはその感覚は麻痺してしまっているのも、また事実だった。

救えなかった人を悔やむより、今救える人を1人でも多くする、そうすることしかできないのだ。


死んでしまえばもう生き返ることはないのだから。



階段を上り、それぞれ自分の教室の前に来ると、コースケは異変をすぐに感じ取った。


(誰だ?)


知らない男が1人。

1人のクラスメイトの腕を掴み、もう片方の手に何かを持っていた。


「あれ。被検体03」

「えっ」

「ここ通ってんだ。てことは他の3人もいるってことか?」


(ちょっと、ここに――)


反応するのも間に合わず、男はクラスメイトの腕を放り投げるように離し、コースケに一直線で向かっていった。

首を鷲掴みにされ、呼吸があっという間に出来なくなり、視界に黒いモヤがかかる。


「……ぁ」

(ぐるじ……だずげ、じぬ……)


コースケの教室内に青い稲妻が走る。

目の前の男はコースケの首を掴んだ手だけを残して消えた。

手首から滴る血にコースケは尻もちをついた。

呼吸を落ち着けながら手を取り払うと、消えたと思った男が教室の壁に打ち付けられて死んでいるのが見えた。

大きな血痕の中心に、手がない男がピクリとも動かず壁にもたれるようにして座って死んでいる。


「ハァ……ハァ、ありがとうシュウ」


すぐ近くに立っていたシュウに戸惑いながらも感謝を伝えた。


「…………ん?うん」


シュウはコースケのクラスメイトが倒れているのを見て異変を感じた。

何か、皮膚がチーズが焼けているかのように表面がボコボコと動いているのが見えた。

腕や首元がボコボコと動き、そして血管の道をたどるかのように紫の線が走り、肌色の皮膚は薄い緑色へと変わっていく。


シュウは考えるよりも先に足が動いた。


コースケは閉じていた窓ガラスが大きな音を立てて弾け、倒れていたクラスメイトが宙を舞って校庭に落ちていくのを座り込んだまま見ていた。


「え、何してんの」

「多分あいつはゾンビになる。だから被害が出る前に――」

「何やってんの?」


コースケには皮膚がボコボコと泡のように動いているのが見えていなかったようだった。

それに、人を殺すことに戸惑いがないシュウを見て、少し恐怖を覚えた。


「――え、ゾンビ化現象を止めるんだろ?さっきのあいつの腕とか、見えてなかったのか?」

「……は?」


シュウは睨んでいるような、悲しんでいるような、中間のような顔をしていた。

シュウの目と眉は、現実を完全に受け止めているようだった。


「帰ろう、コースケ。俺たちはもう学校に来ない方が良い。というか来ちゃダメだ」


夏休み前最後の登校日に何を言っているのか、コースケは苛立ちが大きくなっていく。


「確かに直接じゃないけどあの騒動は俺らのせいにされてる。だからって学校でこんなことして……」

「お前こそ何言ってんだよ。花一さんの話覚えてるか?あと15日で全国にウイルスが行き渡る」

「覚えてるよ、15日だったら――」

「少なくとも、15日。今から始まってたっておかしくない」


後ろに足音がしたかと思えば、他のクラスメイトが次々と登校してきていた。


「え、どういうこと」

「人死んでる……?」


たちまちに校内は悲鳴で包まれた。

混乱の中、気づけばリクとナオヤもコースケの後ろに立っていた。


「シュウの言う通りじゃね」

「俺らはもう学生として生きないほうがいい。すべて終わるまでは殺すか殺されるか、それだけ」


シュウが静かに歩み寄り、コースケに手を差し出した。


「ほら、もう行こう。立てるか?」


3人の親友に囲まれ、3人の思考と、周りで悲鳴を上げる人々の混乱の声が全て頭に入って来ているコースケは、まともな思考が出来なくなっていた。

ただ、混乱の中に3人の声はハッキリと聞こえていた。


(あぁ、確かにシュウがいなかったら俺は)


口を半開きにしながら、シュウの手を掴んだ。


(変わらないといけないのは、俺なんだ。気づかないうちに皆変わってたんだ)


コースケも現実を嫌々ながらも受け止めるしかなかった。

シュウの手を取って立ち上がると、4人はスマホと財布以外の全ての荷物を置いて校舎から出た。

よく分からない話だけど、完結はさせたい(いつか)

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