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【ブラウンウルフ】野犬襲来

※皮なめし、ガット制作のくだりはググった程度のにわか知識で書いてますので決して真似しないでください

それは突然だった


ゴブリンの時と同じく鶏が騒いでいる


二階で寝ていた未明の事だ


年長3人と見習い剣士も起きている


集合をかけて、いい機会だから訓練兵も連れて行こう


全員二階の階段に集まり、小声で話す


「俺とパトリックで人数分ボウガン取って来る、ここで待ってて」


「OK」「了解であります」x3


俺とパトリックは詰め所からおのおの3丁ボウガンと矢筒を担ぐと4人が待つ食堂に戻った


鶏小屋を中心に見て、左右の階段、二手に分かれて木柵に登る


何周したか分からないぐらい登った階段は暗くても問題ない


新兵には矢を二本持たせ「指示するまで黙ってみてろよ、声出すな」と言って少し離れたところから下を覗かせた


カリカリカリと柵を爪で搔いてる音がする、多分2匹


レオン、パトリック、俺も下を見る


二匹のブラウンウルフ、通称野犬が木柵の下を掘って鶏を盗もうとしてる


「こいつら斥候だな」


「うん」x2


ここで言う斥候とは群れの狩り担当、楽な餌場だと認識すると群れを連れてくる


「左の大きい方だけ殺ろう、右のは脚」


頷くと二人が左、パトリックが右の脚を射る事になった


新兵三人も固唾を飲んで見守っている


ブブンと弦が音を立て、ほぼ同時に3本の矢が飛んでいく


左の野犬は頭と首筋に命中、痙攣してる、右の野犬は「ギャイン!」と悲鳴を上げたかと思うと後ろ足に矢が刺さったまま逃げて行った


クリス、エド、サロモが駆け寄って来た


「一匹逃げちゃったね」


隊長レオンが教える


「逃げたんじゃない、わざと逃がしたんだ」


「??どういうことですか隊長!」


「アイツらは痛い思いした場所は群れで教えあって二度と来なくなると昔から言われてる」


「なるほど!パトリック兄ィが失敗したのかと思いました」


「パトリック兄ィ!ごめんなさい」x3


「これがブラウンウルフ、通称野犬のやっつけ方だ、覚えとけよ」


「了解であります!レオン隊長!」


「よし、ボウガン仕舞って寝るぞ」「了解であります!」



 ーーー朝食前ーーー


6人は柵の外でブラウンウルフを見下ろしていた


「でっかいね」


サロモが言った、確かに普通の人に飼われてる犬の二回りは大きい


「どうする?皮剥いで捨てる?」


「これの皮なんて売れるのかな?結構獣臭いよな」


「分からん、でも、なめしの練習にはなるんじゃないか?」


「そうだな、剥ごう」


なんとか剥がし終わったので沢に落として朝飯だ


年少組が皮を見て大騒ぎ、野犬が来てた事も分からないで寝ていたようだ、それでいい


 ーーー食堂ーーー


軽く水浴びをして食堂に入るとみんな揃ってた


厚めに切られたベーコンとキャベツの乗った薄いパンを凝視してよだれがテーブルまで垂れ下がっている子供もいる


「ごめんよ、待たせたな」


「いただきます!」x20


全員食べ終わったところで雑談タイム、年少組はこの後何するのか聞くと


「あのねえ、草の山の下のね、ミミズを鳥さんにあげるの!」


畑作る時に邪魔だった雑草を、まとめて置いていたらミミズが増えたらしい

それを集めて鶏にあげるのが日課になっていた、正直知らなかった


「じゃあ、俺たちも始めるか?」


パトリックは皮が気になるらしい


 ---詰め所前ーーー


倉庫にいっぱいあるテーブルから二本並べた上に置かれた毛皮を前に6人で悩む


ギルドではたまに顔を合わせるアル兄ィのパーティーメンバーが居てくれれば教えてもらえるんだろうが、あいにくギルドには顔出せない


パトリックが後悔を語る


「こんなことならもっと詳しく聞いておくんだったな、渋汁の作り方」


みんなで何それ?って顔すると


「木の皮で渋汁って言うのを作って、それと水を混ぜて桶に漬け込むらしい」


「ほう」x2「へーーーっ」x3


「それなら簡単じゃないの?渋いと言えば、すぐ外にクルミいっぱい落ちてるじゃん」


確かにクルミの殻の外の実は滅茶苦茶渋い、試してみる価値はある


パトリックが手間の増えそうなことを、更に言い出す

朝、谷に落とした野犬の腸でガットを作ってみたいと言い出す


班分けだ


「レオンと新兵3人でクルミ拾い、パトリックと俺は谷底の野犬から腸取って来るでいい?」


「いいよ」x5 


「目の前だけど一応外だから帯刀を許可する!」


「了解!」


というと新兵三人は詰め所から自分の剣を挿して意気揚々と出てきた、嬉しそうだ


パトリックと俺はゴブリンの足跡追った方から沢に入り、下った


「オエッ」


腐ったゴブリンに虫が湧いている、次からは面倒でも埋めた方がいいな


すぐ隣に丸裸にされた野犬が転がっている


パトリックは短剣を腹に差し、無言で腸を引っ張り出している


「終わらないな、どんだけ長いんだよ!」


その辺の木の枝を長剣でぶった切る


「俺は端から枝で巻いていくよ」


「おう、頼んだ」


「この辺でいいだろう?十分長さあるよな?」


正直俺は要らなかったが、張り切ってるパトリックに悪いから「十分だろ」と言って戻る事にする


沢を登ってるとダンジョン調査団らしい一行が見えた


「あっ!どうしよう?」


二人で隠れて様子を見た


「どこのパーティーか分かる?」


「うーん、ちょっと遠くて分からんな、14~15人てところか?」


「ああ、結構な人数だったな、見えなくなったな、よし戻ろう」


 ーーー詰め所前ーーー


クルミはヒヨコ買った時の箱にびっしりだった


「これだけあれば足りるだろ?」


問題は漬ける入れ物だ、倉庫に空の樽はあったが入りそうにない


「ところで毛って要るかな?皮だけでもいいんじゃね?」


「全部剃るって事か?大変そうだな」


「じゃあ釜土で焼いちゃえばいいんじゃないか?」


「焼くのはいいけど、食堂はまずいだろ!」


全員、マリーの顔が浮かぶ


「確かにまずいな、ここでたいまつで焼くか?」


「それがいいな、長めの薪と油取って来る」


たいまつで炙られた毛は面白いほどきれいに焼けた、水で煤けたところ洗い流して畳んでみるも、樽には入らない


「しょうがない、半分に切ろう?樽二つに皮、もう一つに腸だ」


腸はこの脂だらけのままでいいのだろうか?どうする気だパトリック、枝にグルグル巻きにされた腸を見つめるパトリック


「ちょっと待ってて」


なにか閃いたらしいパトリックは倉庫から3本爪のクワを持ってきた


樽をひっくり返すとクワの爪を上向きに置き、柄をしっかり持ってるように言う


エドにぐるぐる巻きの枝を水平に持たせると「強く握らないで」といい

クワの爪の間を8の字に巻き引っ張り出した


クワはそぎ落とされた脂が滴り光っている、でかしたぞパトリック!


「ちょっと待った!!この脂はもったいない、たいまつに使った油は食用だから別の入れ物探してくる」


いつの間にか後ろで見ていたマリーが


「ちょうどいいの有るから取って来るわ」


と食堂から小さめのバケツを持ってきた、これで作業ははかどる


何度か繰り返すうちに脂は落ちなくなった、この脂はたいまつ用にいいだろう


樽三つ、倉庫にしまってクルミと水を入れ作業完了だ、どうなるかは分からないが作業自体は楽しかった


鶏と遊ぶ、ロゼ達を眺めてたら昼になった


 ーーー食堂ーーー


今日の昼は、練った小麦粉丸めたヤツとベーコンに野菜のトマトスープだ


干し肉よりベーコンの方が全然美味い、みんな満足だ


洗い物を終わらせたら、みんなで昼寝をしようという事になって二階に上がった


天気もいいし、風も心地いい、こんな一日も悪くない




 ---木柵の外ーーー


昼寝から覚め、いつもの鍛錬が終わると新兵たちが何か斬ってみたいと言い出し6人で出てきた


手首ぐらいの太さの小さな木を三人がはす斬りにしてるのを新米剣士は真剣にみている、真剣だけに


「お前らもやってみろよ、薪に使うから拾って帰るからな」


「了解であります」x3


三人それぞれ木を斬り倒している


「それはまだ無理だろう」


レオンがサロモの斬ろうとしてる、俺たちのひざ周りぐらいの太さの木を見て言う


「フッ」と息を吐いたかと思ったらバッサリ斬れた、斬った本人が一番、レオンが二番目に驚いている


「ちょっとその剣貸してくれない?」


というとサロモの剣をまじまじと眺めている、斧で倒すような木の前にレオンが歩いていく


「スーーーッ」と息を吐いた


スパッと斜め45度に振り下ろしたら、ゆっくり木が倒れた


手を止めて一部始終を見てた全員が拍手する


剣と綺麗な断面で切れた木を眺めながらレオンが言った


「俺もいい剣が欲しい、今すぐ欲しい」











お読みいただき有難うございます

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