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宮廷魔道具研究所

砦の時計は12時と半分、今日は王都から魔道具研究所の所長と研究員が来る

魔物除けの魔道具の最終試験をダンジョンでするという事で来る事に

食事を早めに済ませ事務所で待っている


ダンジョンに同行するメンバーはジャンさん、サンナ、いつの間にかBランクになっていたエリアスに俺の4人

行った事は無いけど第五階層まで潜れるBランク4人だ


カンカン


「来たみたいだね、クエストの減る冒険者泣かせの魔道具」


「すぐ行く話になるのかな?」


「どうだろうね、行ってみよう」


扉を開けると第一騎士団、フルアーマーだと誰が誰だか分かりにくいが

見覚えのある顔ばかり


「こんにちは」


「お久しぶりですね、改良が遅くなりましてね」


「すぐ出発しますか?」


「いえ、ダンジョン内で説明も出来ませんので使い方だけこちらで」


「そうなんですね、どうぞ中へ、広い所の方がいいですか?」


「はい、弓の練習場みたいなところがあればいいんですけど」


新訓練所側に案内する、火魔法の練習や弓の練習してるところまで

魔道具研究所の4人、ダンジョンまで警護に同行する騎士団8人

連れて行くとマジックバッグから魔道具を出した



「これが魔物除けですね、想像してたより小さいですね」


「これが二基でこの砦ぐらいの畑を守れる魔道具です」


皆興味津々だ、握りこぶし3つぐらいの四角い箱に棒が二本出てる形、

棒術の棒より少し細い

3本の脚で腰の高さぐらいで自立してる、本体にはレバーが一つと魔石

の投入口があるのは他の魔道具と一緒だ


「盗まれそうな大きさですね」


「これは携行用です、臨時の結界代わりに使うのがこの形で、畑や家の周り

とかで使う場合は土魔法で固めたりするので持ち去るのは難しくなりますね」


「この棒を上から見て2本を直角にすると二面、対角にもう一基置くと四角の魔物が入れない区域が完成します、しかも魔石はたった二個で三か月!」


所長がどや顔してる、ここで使う魔石はダンジョンから直だから買った事は

無いが


「その棒から何か出てるんですか?そういうことですよね」


「はい、魔物の魔石に干渉して痛みを与えます」


弓の的まで50メートルぐらい、魔道具は二本の棒の一本を下に向けた


「下に向けた棒は停止です、今一本だけ的に向いてますよね?

この距離だと的では2メートルぐらいの円が効果範囲です、棒は回すと長さが

変わります、長くすると範囲は狭く遠くへ、短くすると範囲は広く近い所

しか届きません」


「後は魔石を入れてレバーを入れると作動します」


「今回はスケルトンからオークまで試したいという事でしたよね?」


「はい、お願いします」


一行はダンジョンへ向かう、昼を回ってるのもあって順番待ちは無い


「こんにちは」


「暫くぶりじゃないですか?お気お付けて」


ダンジョン入口で挨拶して、いざダンジョンへ

第一騎士団一人が先頭、二人が続き、しんがりが2人

三人は入口の封鎖だ

階段を降りると第一階層、スケルトンだ、三本脚を外した魔道具を4基

所長から受け取る、横穴に入るとスケルトンのお出ましだ


「魔道具作動します!」


「了解!」


騎士団員が左右に避けると照射、スケルトンが逃げていく、面白い


「この歩くペースじゃ今日は一本で終わりだね」


「そうだな、三日続くって事か」


魔道具研究所の人を置いて何時もの駆け抜ける様な討伐は出来ない


「魔物が団子になってきましたね2基目も当てましょう」


「はい、わかりました」


「これは面白いなハハハ」


2基目はジャンさんだった、直接照射の芯に当たったスケルトンの反応が

面白いらしい


「ガシャガシャ五月蠅くなってきたな」


「ああ、剣と骨の当たる音もこれだけ数が居ると凄いな」


一匹も倒していないスケルトンは次第に膨れ上がる、凄い数だ

魔道具研究所の人たちが恐怖を感じ始めた頃終点行き止まりまで来た

尚も逃げようとするスケルトンがギュウギュウ詰めだ


「倒していいですか?」


エリアスが聞くと所長が引きつり気味にお願いしますと言うと

火魔法と土魔法で一掃される


「魔石が山だな、これは回収が楽でいい」


退屈そうなサンナが口を開いた


「こいつら足遅いから奥まで押し込むより倒した方が早いよな」


「今日は実験だからね」


「うん、そうなんだけどさ」



二日目はゴブリン、想像通り一番奥に押し込まれたゴブリンの集団は

気持ち悪い、魔道具のせいで鬼の形相のゴブリンなら尚更だ


三日目はオーク、ちょっと違ったのは一番奥のオークが仲間の圧で

自滅して消えていく、魔道具ではなさそうだ


第三階層も十分な結果を出せた魔道具研究所の面々は満足そう


「さあ、帰りましょうか、ご馳走しますよ」


「本当にいいんですか?なんか申し訳ないです」


新市街の鶏料理の店「鶏屋」で名ばかりの会議、と言う飲み会が始まる

第一騎士団は一度支部に報告に戻り後から参加、研究所の4人

三日同行した砦の4人で先に店へ


「いらっしゃいませ!アッお疲れ様です!」


「あと8人来るからね」


ジャンさんが言うと


「はい、個室2へどうぞ」


店内は賑わっている、鳥の焼ける匂いがたまらない


「お疲れ様ですカンパイ!」


皆でエールを呑みながら鶏を待つ、最近少しはエールも飲むようになったが

何が美味いのか分からない、苦いだけ


「これから魔物除けは売られるんですよね?」


「そうですね、すぐ量産体制に入ると思いますよ」


「農産物や家畜も増えるんですよね?」


「値段は幾らになるかは研究所では分かりませんが鶏の副業で支払って

もらう話は聞いてますよウハウハですね」


「まだ内緒だったんですけどね、持ち出し無しで鶏が魔道具代

作ってくれる話、魔道具代終わると農家の人はその後は儲けになります」


「これが何時でも食べれるのはありがたいです」


届いたばかりの焼いた鶏にかぶりつきながら研究員の一人が言う

第一騎士団もやって来て宴会は遅くまで続いた



 ーーー翌日ーーー


砦の時計は11時と少し

鶏小屋の並びに秘密の小屋がある、鶏事業の肝と言ってもいい


「上手くいったみたいですね」


ピーピーヒヨコが鳴いている


「うん、これで鶏肉の心配はなくなるだろう」


セバスさんが何やら計算してる


「そうですね、若鳥と卵、屋台と「鶏屋」は勿論、売るほど生産できる

でしょう」


砦に居る牝鶏の場合は温める卵があると次の卵は産まず、ひたすら温めている

産んだら回収箱に卵が転がって無くなる場合だとまた産む

その卵を回収して鶏の代わりに風呂の魔道具でお湯を作り木箱の中で卵を

温めると一度に数多くヒヨコが生まれる、その差は桁違い


「これは秘密にしておいた方がいいだろうな」


「うん、他で同じ事やってる所があるかもしれないが、誰にでも言わない方がいいのは間違いないだろう」


ジャンさんとアル兄ィがそんな話をしている

奥では弓の練習をしてるが今日ものどかな砦の昼間だ、年少達は鶏に餌を

あげている、鶏屋から出るカニの殻を干したものをえさに混ぜてるせいで

砦の卵は黄身の色が濃いし殻も硬いように思う


「二番隊に任せてた角うさぎってしばらく行ってないんじゃないか?」


「ああどうだろ?今日も昼からダンジョンとか言ってたぞ」


事務所に戻るとレオンが言うので確認してみる事に


「角うさぎとヒール草最後に行ったの何時だ?」


「3週間ぐらい前じゃないかな?多分」


「うん、三週間ぐらいのはずだよ、アレン兄ィ行くの?」


「そんなにあいてるわけでもないか、行こうかなと思ってね」


「依頼書出てるかな?ギルド行ってあれば行ってくるよ」


二番隊はサボってはいないようだ、調度いいタイミングなので行ってみる

Fランクの二人、タビーとクスターを連れていく、レオン入れて4人だ


4人で走ってギルドに着いた、やっぱり数羽のうさぎ討伐は人気が無い

依頼書は残ってる、ギルド嬢全員に挨拶してるレオンを置いてギルドを

出ると慌てて追いかけてきた


「酷いなあ、コミュニケーションは大事だよ」


「いいから走るぞ!」


「おー!」


タビーとクスターは元気だ、ボウガンを背負ってる


「お久しぶりです」


「ああほんとうだね、若い子来てくれてたから助かってるよ」


「こんにちは、始めて来ます、よろしく!」


「兄さんのトコはいっぱい居るんだねハハハ」


「はい、大所帯なんです、始めますね」


「お願いします」


農家のおじさんも変わりなく元気そうだ、4人で森に入る

向かってくるウサギは棒で倒し、逃げようとするウサギはボウガンで射る

3時間ぐらいだろうか?12羽狩ったところで切り上げた

マジックバッグから12羽出して依頼人のおじさんにサインを貰い出る


「ヒール草少し刈っていくか?」


「どうしよう、刈って行くか?ついでだし」


タビーとクスターはヒール草を知らなかった、教えてなかったみたいだ


「これがヒール草、このぐらい下を残して刈り取ればまた生える、

根こそぎ取らない様に」


指で3センチぐらいと実際に刈って見本を見せると黙々と作業が始まる

持てなくなるとマジックバッグに入れてるので刈った量が分からない


「もういいんじゃないか?」


「そうだな帰ろう」


「了解です!」


4人で走りながら漁村には顔出さなくていいのか?親は心配してないのか?

そんな話をしながら走ってギルドに着いた


「お疲れ様です、お預かりします」


「均等割り、端数はパーティー口座で」


「はい、かしこまりました」


ギルドのカウンターは仕事が早い、無駄なくすぐ終わる

それぞれきんちゃく袋にお金を仕舞い出る、広場の屋台はもうすぐ閉店だ

棒術道場の建設現場をみんなで覗いて砦へ帰る事に


「結構できてきたな、ヒヨコはまずこっちになりそうだ」


「そうだな、鶏小屋はまだみたいだけど来週ぐらい?」


そんな話の続きをしながら砦に戻るとポロがかんぬきを落とす

脱走兵が本格的な脱走兵にならないように扉の隙間に注意しながら全員入った


「今日も一日ご苦労様」


























お読みいただき有難うございます

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