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お帰りダニー

コッケコッコー

鶏と砦の朝は早い、砦の時計は5時、今日も忙しくなる


顔を洗い、ばらばらに起きてくる皆に挨拶


「おはよう」


「いよいよだな」「うん」


新訓練場側は鶏増産に向けて柵が増えた、最年長Bランクのジャンさん、アル兄ィ達4人が鶏係になって店と鶏の管理をやって貰う事に

年少も手伝うからやる事は今の所は忙しくはない


「ポロ、プイおはよう!」


年少達がポロとプイに挨拶してる

ポロには子分が出来た、ボアの子プイだ


二週間前に山で拾ってきたボアの子の骨の蘇生は成功した


執事のオズワルドさん達やアルマさんもびっくりしていた

ロゼはボアの子見ながら「食べるの?」と悲しい顔をしたので

様子見がてら飼う事に、夜はポロにくっ付いて寝るようになり

ポロも受け入れた


「プイちゃんとポロ、ニンジンだよ」


ロゼとジークが餌をあげている、プイは生き返った直後ロゼにすり寄ってた

プイプイ鳴くからプイとロゼが名前を付けた


朝の鍛錬が終わりみんなで風呂に入って食堂へ、肉パンの仕込みだ


 ーーー食堂ーーー


「今日は王都の偉い人も来るんでしょ?」


「そうだね、アローラ聖教会の偉い人は大体来るらしいよ」


アルマさんが答える、執事のオズワルドさん達は執務室に戻った


「ベネディクト神父が運ぶんでしょ?」


「そうだね、あの人場所知ってるから」


アル兄ィとレオンは黙ったままだ、不安なのかな?


「大丈夫、きっとうまくいく」


食事を終えると神殿に向かう、地下通路は完成してるので

すぐ着く、大きな扉を開けると白装束の集団、ベネディクト神父も居る


「出来るだけのことはしておきましたロゼリアさん」


現国王の弟、ベネディクト神父が話しかける


「おはよう神父様」


「ロゼいいかい?」「うん、いいよ」


棺は開けられ白い布が一枚掛けられている

白装束の集団は一斉に両膝を着き指を絡め手を合わせている

ベネディクト神父が離れたのに俺たちだけロゼの傍にいるのもおかしいなと

棺から離れたところで膝を着き神官たちの真似をする


始まった!

七色の光がロゼの両手から出る、眩しい

やがて右手を高く上げるロゼ、もやの様な何かが集まって来たのは

子ボアの時と同じだ


固唾を飲んで見守る俺たちと神官たち



  (起きて)そう言ってるように見えた


「ゴホッゴホッ」


棺がわずかに揺れた、中は見えない

ロゼは躊躇なく布を剥ぐった


「おはよう!」


「え??ああ」


皆で駆けよるとダニーは不思議そうな顔で目だけ動いてる


「ダニーお帰り、分かるか?」


アル兄ィが話掛けるが状況が分かってないようだ


「ダニー!俺レオン!分かる?」


「ダニー痛いところはない?」


「うん、ここは?」


「神殿だよ、長らく寝てたんだダニーは」


「ちょっといいですか?体の具合を診させてください」


「あ、はい」


アル兄ィ、レオンに俺は少し離れた


「上手くいったんだよな?」「ああダニーは帰って来た」


「ロゼ大丈夫なんだよな?」


「うん、多分」


ダニーに神官たちが何かを飲ませてる

枢機卿ともう一人がこっちに寄って来た


「ロゼリア様の御業に立ち会わせていただき感謝します」


ふと見るとダニーが全裸のまま起き上がろうとしてる


「ダニーこれ羽織って」


俺の外套を渡すと袖を通した


「歩いてみる?暫くぶりに歩くから気を付けてよ」


「うん」


何処かよそよそしいが受け答えは出来る様で一安心


「大丈夫か?」


そう言ってアル兄ィがダニーを支えながら歩く


「筋肉も普通に生活してる子供と同じだけありますから、すぐですよ

いやあ今日は一生忘れられない体験をさせていただきました」


ダニーを診ていた神官の人が俺の手を取り言う

紙に何か書いてる者や、四、五人で輪になって難しそうな

話をしている者、ダニーを目で追う者


「ダニー、そろそろ帰ろうか?」


「どこに?」


「俺たちの砦に」


「帰っていいんですよね?」


さっきまで号泣していたベネディクト神父に訊いた


「ああそうですね、その方がいいでしょう、一人か二人ついて行っても

いいですか?」


「いいんじゃない?な?」


「はい、いいですよ」


レオンも俺も断る理由がない、墓から運んでもらってんだし

地下通路を通って砦に戻り、合いそうな服を着てもらって食堂へ


テーブルの向かいにダニーが居る、あの頃は大きかったのに

今は俺の方が大きい


「ダニー、自分の名前は分かるよね?」


「うん、でも記憶が曖昧なんだよね、キー兄ィは出掛けてるのか?」


「キー兄ィはここには居ないよ、王都で要人警護の仕事してる

近衛のエースだ」


「まさかあ、あの乱暴者が?」


「キー兄ィもお前には言われたくないと思うぞ」


アル兄ィに突っ込まれる、良く絡まれてケンカしていたダニー


「さっきから気になるけど窓から顔だけ入れてるこのロバは?」


「それはポロ、屋台の荷物や買い出しの荷車牽いてくれてる」


「ふーん、でここは砦だと?」


「それでこの子がダニーを生き返らせたロゼだ、礼言うんだぞ」


「俺が死んでたっていうのが良く分からん、でもありがとうなロゼ」


ロゼは笑いながら頷いてる



こうして帰って来たダニーとの生活も始まった


 ーーー数日後ーーー


砦の時計は1時ちょっと前、ダニーが来てから5日後の事だ

今日はジャンさん、ダニー、留守番の俺で櫓の上で豆茶を飲んでいる


「街にはまだ野犬出るのか?」


「いや今は出ないよ、街の中流れてる川あるでしょ?あそこが侵入ルート

なのをたまたま目撃した人が居てね、今は入れない様に対策してるらしい」


「潜って入って来てたって事か?」


「水が少なめな時に鼻だけ出して泳いで超えて来てたらしい」


「なるほどな、騒ぎがある度、石柵高くしてたの無駄だったって事か」


「その体格で野犬相手にするとか勇敢だよ、誰でも出来る事じゃない」


ジャンさんが言う、全くその通りだ


「考えてる暇なんて無かったよ、一番体の小さい子供狙うのは知ってたし」


「いやそれが凄いんだよ」「うんうん」


「まあ俺もキー兄ィほどじゃないが腕っぷしは子供離れしてたからな」


あの頃と同じ、ダニーのドヤ顔も見れて本当に帰って来たんだと実感する



















お読みいただき有難うございます

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