土砂降り
砦の時計は8時と半分王都から戻った日の宴はまだ終わってない
年少組は睡魔に勝てず寝床へ、話題は棒術大会
「それにしても凄いな、うちだけで上位独占とは」
「うん、鼻が高かったよね、普段の鍛錬からある程度上位は
間違いないとは思ってたけど」
「マリーのアレは狙ってたんだろ?」
アル兄ィ、パトシック、レオンが喋る
「ははは、天才武人のマリー様は千の攻撃が出来るからな」
マリーが調子に乗ってる
「三位が二人っていうのも面白いね、クリスとサロモは常に互角?」
「いや俺の方が強い」x2
クリスとサロモがハモる
「互角みたいだなハハハハハ」「違いないハハハ」
酔っ払い達は大満足だった
「にしても納得いかないな、アレンのシルバータグ」
「俺らが抜かされるとはね」
アル兄ィパーティーは全員ブロンズタグ、Cランクだ
「魔法系があると1ランク上がり易いらしいですよ」
「マリーにエド、クリス、サロモはEランクでしょ?これで晴れてダンジョン入れるね、明日行く?」
「まあまあ、明日の屋台誰だっけ?」
「サンナとエリアスは二番隊に並ばれちゃったね、Eランクが6人」
「あたしもランク審査行きたいけど行き返りだけで2泊か、、、」
皆好き勝手に話し出す
「エリアスは国とオルレイン公爵が新市街拡張に力を貸してくれって
話あるけんだけど使いの人が来るから考えといてね」
「僕の土魔法で役に立てるならやるよ、いいんだよね行っても?」
「勿論、この周辺の仕事だから普段通り生活しながら通えるよ、
最低1年とか言ってたな」
「弟が出世して嬉しいぞハハハ」
サンナもご機嫌だからこの話はまとまった
「これが3つ買って来たマジックバッグ、アルマさんの魔法で一番安いやつが5倍の収納力になった優れもの」
「ほおおおお!」
「見た目は何か普通だな」「どれどれ」
みんなが回しながら真剣に見てる
「狩りは楽になるからって捕り過ぎ注意だな」
ジャンさんが言う
「実は商会を立ち上げる事になったんだけどジャンさんとアル兄ィ達で
店やらない?鶏料理メインでやりたいんだけど」
「そういや鶏も増えたな、場所は?」
「公爵が用意してくれる、新市街のいい場所になると思う」
「俺はやってみたいな、冒険者として俺は下り坂だ、死にかけたし
引退は常に考えてるジークをもう泣かせたくない」
ジャンさんが乗り気でほっとした
「でも経営は素人なんだが店やるとか不安だな」
「公爵の使用人のセバスさん覚えてます?馬で来てあっという間に
帰って行った人、たまに来てますけど」
「ああ覚えてるよ」
「彼がうちで働いてくれることになってるんです、大商会の息子で
経営には明るいみたいですよ」
「なるほど、準備は万端で開店できるんだね」
「こども園を出た子供の働き口にもなってくれってとか言われてるし」
「それで鶏料理なんだ、育てる方と売る方って事だな」
ジャスパーさんも乗って来た
「卵から増やして鶏料理の店までやると働き口も増えるでしょ?」
「ボアの内臓肉出してもいいかもな、鶏だけにこだわるのか?」
ジャックさんも乗って来た
「新鮮な内臓肉はいいかもしれないね、解体が出来る人も必要になって来る
それは屋台も一緒なんだけど、もっとね」
「そういや鶏って食ったことない気がするな」
とアル兄ィ
「王都で食べたけど美味かったよ、皮がパリッとしてて」
「ウサギより美味いのか?」
うさぎに目が無いサンナも鶏を食べた事が無いらしい
「どっちが美味いかは好みの問題だとは思うけど、あれ嫌いな人は
居ないでしょ?ってぐらいには美味しい」
「毎日起こされるのに食べてなかったのも意外だね」
「オス〆て試食会する?」「そうだね」
「年少は大丈夫?普段面倒見てるの年少だよね」
「大丈夫じゃないかな?ヒヨコなら怒りそうだけど」
そんな話が夜遅くまで続いた、もう眠い
「今日はこの辺にしておかない?眠くなってきた」
「ああこんな時間か、お開きだな明日にしよう」
ーーー翌朝ーーー
砦の時計は5時、鶏の鳴き声は聞こえない、土砂降りだ
「いい勢いで降ってるな、鍛錬休みにする?」
パトリックが起きてるのにびっくりだ
「ちょっとの雨ならやるけど今日はさすがに無理かもな」
外を見るとポロは回廊の下の寝床で寝てる
「これじゃあダンジョンも人来ないだろうな、俺も行きたくない」
とアル兄ィ、アル兄ィ達も今日は休みかな?
「街から通ってるピッカー来ちゃったらどうするんですか?」
「そしたら行くしかないだろうな、多分来ない気もするけど」
問題は屋台だ、こんな土砂降りは経験に無い
「冒険者も宿に居るんだから腹は減るよね?」
「そうだな、200ぐらい用意する?」
「余ってもマジックバッグに入れて帰って鶏のエサだな」
食堂で豆茶を飲んでるとロゼ付きのオズワルドさん
メルビン、ロジャーの二人も来た
「ひどい雨ですね、今日はどうなさるんですか?」
「屋台だけ開けて他は休みになりそうです」
「その方がいいでしょうね、では」
そういうと戻って行った
「公爵の所の人はいつ来るかな?」
「今日か明日には来ると思ってたけどこの雨じゃな」
肉パンの仕込みをしながらそんな話をしていた、雨は止む気配はない
扉の上の回廊に屋根が付いた、その下に通ってくる第一騎士団の人が居る
「あの人らも大変だね」
レオンが見ながら言う、子供の憧れの職業も現実は厳しい
「ダンジョン行きたかったな、この雨じゃしょうがないね」
「うん、ゴブリンも命拾いしたな」
「まあ一日延びただけどな」
二番隊は起きてすぐは行く気満々だったが、雨が激しすぎるので諦めた
仕込みも終わり早めの朝食を食べる
「いただきます!」
食事も終わり洗い物をしてから櫓に登ってみる
「ここからなら神殿見えるな」
「ああ、流石に今日は工事は休んでるのかな?」
ロゼとアルマさんも居るので聞いてみた
「神殿との地下通路ってもう出来てるんですか?」
「まだみたいね、最後の最後に通れるようにするんじゃないかな?」
カンカンカン
「誰か来たね、騎士団の人がこっちに叫んでるけど雨で聞こえないや」
「行ってみるか、まだ8時過ぎたぐらいだな、誰だろう?」
騎士団の人の隣にポロが居る、一緒に警備してたのかな?
降りてきた騎士団員が
「セバス様とおっしゃってました、おひとりの様です」
「セバスさん早いな、どれどれ」
「お早う御座います、領主オルレインの命により出向してまいりました」
「お早うございます、この雨だから誰も来ないかと思ってましたよ」
「一昨日に言われてましたからね」
「さあどうぞ」
「砦もまた大きくなりましたね」
セバスさんはキョロキョロしてる
「あの建物がお付きの方の?」
「ああそうですね、執事のオズワルドさんと部下の方二人が住んでます、
もう一人魔法使いの女性入れて4人です」
---食堂ーーー
「ところでセバスさんは通うんですよね?」
「ハイそのつもりですが?」
良かった、住み込むつもりで来られても個室は用意して無かった
「代官がエリアスに仕事のことで見えるはずなんですが知りませんか?」
「それもお伝えしたかったんです、1時に来ますのでお願いします」
「分かりました」
「だってアリエス、屋台当番じゃないよね?」
「今日は僕じゃないよ、なんか緊張するね」
大雨のせいか、みんなテンション低めの一日が始まる
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