エリアスの一日
エリアス視点
砦の時計は9時、屋台組のコリン、ジョナサン、ヴェサ、タビー
と一緒に砦を出るところ
ダンジョン組と砦の前で別れ薄い林を出ると神殿は工事中だ
「大分出来てきたね、エリアス」
「ああ、王都に行ってるみんなが帰る前に出来ちゃうんじゃないの?」
「例の収納魔法で石運んできてるから早いね」
王都の神殿と同じ石を石切り場から加工場に運ばれ
ここでは積み上げるだけでいいらしい、魔法で浮かせて積むから簡単だ
屋台で荷物を降ろし、頼まれてる小麦粉と石鹼を買ってこども園の屋根を
直すのが今日の仕事、まあ他にもする事はあるけど
「じゃあ後よろしくね」
「串焼きもよろしくね」
「分かったよ、買ってくるよ」
ポロを連れて旧市街の門を過ぎると通称棒おじさんが前から来る
「おはようございます」
「ああ、おはようさん、ポロ連れて買い出しかい?棒術大会はみんな
良かったみたいだな」
「そうなんですか?」
「うん、女の子が優勝して棒術界隈じゃ話題だよ」
「え?マリーが優勝しちゃった?他の三人は知りませんか?」
「ベスト4が君らのとこらしいよ、順位と名前まで知らんけど、じゃあね」
そう言うと行ってしまった、これは凄いぞ!帰ったらお祝いだな
「ポロ、マリーが優勝だって」
ポロは首を縦に振ってる、やっぱりみんなが言う様にポロは言葉が分かってる様な反応をする、不思議なロバだ
「旧市街の屋台街は何故かほっとする、何か分からなが新市街の広々した屋台よりいい、ポロもそう思わない?」
やっぱり頷くな、面白い。
商会の店舗に着いて馬車停めるところにロバ車が居る、最近裕福な層のご婦人が買い物の足に使ってるのをたまに見る
「良かったなポロ、お仲間が居るよ、すぐ戻って来るから
仲良くしてなさいね」
見つめ合うロバとロバ、我関せずと馬車の馬、可愛いな
タマゴ盗まれないかな?急いで戻ろう
店に入って石鹸を6個手に持ちカウンターに向かう
「いらっしゃい」
「いつもの小麦粉3袋下さい」
「いつもどうも!おい小麦粉の大、3袋」「はいよ」
「8,200ゼニーです」
「はいこれ」
「はい確かに、またどうぞ」
それらしいご婦人が使用人と買い物してたな、3袋担ぐと初めは驚かれたが
今じゃ誰も驚かない、岩塩運びの経験はこんな時ぐらい
「ポロお待たせ、屋台行こうね」
喜んでる、今行くと開いてる八百屋のおばさんが必ずポロに何かくれる
待ちぼうけ中のポロのお仲間と別れ屋台街へ
「おっ!いらっしゃい買い出しかい?」
串焼き屋の親父さんだ
「はい、小麦粉を買いに、60本下さい、23本別の袋にして貰えますか?」
「あいよ」
「ポロちゃん来たの?よしよし」
「こんにちは」
「こんにちは」
この串焼き屋と八百屋のコンビは僕の名前は知らないけど
ポロの名前は知っている
「いつもありがとうございます、キャベツ3個とイモは一袋貰えますか?」
「はいこれね」
ポロはニンジン貰って上機嫌だ、なんかくやしい
串焼きにはルールがあって必ず一人一本、当然小さい子は食べきれない
残れば年長にあげるっていうのを無意識に出来る様にするのが意味がある
と言う事らしい
串焼きと野菜を積んでこども園に向かう
ーーーこども園ーーー
「こんにちはー」
「いらっしゃい、忙しいのにすまないね」
「これどうぞ、卵と串焼きです」
「これはこれは、子供たちも喜びます」
「これを子供たちに」「はい神父様」
神父とシスターは喜んでくれたみたい
「雨漏りは一か所ですか?」
「二か所ぐらいかと思うんだがね、屋根はうっかりしてたよ」
「じゃあ薄く一枚全体覆いますね、その方が早いと思います」
前に作った風呂の屋根は低い、それに飛び乗り、屋根へと飛び移るぐらい訳ない
「クレイニードル!」
生の粘土を薄く打ち込む、モコモコにならない様に
「こんなもんかな、上出来だろう」
鉄をイメージすると粘土は赤っぽくなるのに最近気が付いた、僕の土魔法の粘土は固まれば水には溶けない、やってる本人でも理屈は分からない
「、、、、」
気に入らないな、風呂の屋根の色も同じにしないと気が済まなくなった
風呂の屋根にも一枚塗る
「そっちも塗るのかい?」
ベネディクト神父が聞いてくる
「同じにした方が見栄えがいいと思うので」
「なるほどねえ、大したもんです」
下に降りるとポロが子供たちに囲まれている、何だか悔しい
「それじゃあ失礼します」
「有難うございました」
「えー!もう行っちゃうの?」「ポロちゃん、、、」
この子たちの目にはポロを連れ去る嫌なオジサンなのかな?
「ポロはお仕事があるからね、また来るから」
「ポロバイバイ!」「次いつ来るの?」
苦笑いしながらこども園から帰る、次は屋台だ
丁寧にやり過ぎたせいで、もうすぐ昼だ
広場では吟遊詩人が歌ってる、あの歌はアレだ、迷惑だから止めて欲しい
『鉄貨の勇者の歌』
「おつかれさま、忙しそうだね、串焼き6本置いてくよ」
「遅いよ!あっイモ買って来たんだね、6個貰うよ」
「生のイモどうするの?」
「窯の隅で焼いておやつにする、食べてなかった?」
「僕は食べた事ないなあ、誰が始めたのか知らないけど」
「バター乗せて食べたら美味しいんだよね」
「じゃあ帰るわ、頑張ってね」「うん」
一番隊が屋台に行かなくなってから新しいおやつが生まれてたようだ
神殿脇を歩いているとまた工事が進んでるのが一目で分かる
砦の前まで来たがかんぬきが落ちない、おかしいな
ふと隣を見るとポロと目が合う、おかしいのは僕だった
普段扉開けてくれるポロは横に居る、我に返り鐘を叩くとサンナが出てきた
「昼少し回ってるぞ、さてはさぼってたな」
「サボってないよ、こども園の屋根丁寧にやってたら遅くなった」
ポロを荷車から解放して食堂でみんな串焼きを食べている時
回廊ではポロが外を見てる、メンバーが少なくなってポロが回廊に
居る時間が長くなった気がする
年少は二階で昼寝、久しぶりに姉弟二人になった気がする
「ここの暮らしはどうだい弟よ」
「うん、気に入ってるよ、大勢で楽しいし岩塩運びとは雲泥の差だよ」
「だろう?あたしについて来て正解だったなハハハハ」
「サンナこそ、どうなのさ、冒険者やってる時間は他の冒険者より少ないよ」
「それがいいんだよ、ダンジョンだけ潜ってても詰まらんだろ?」
「岩塩運び2年の貯金も手着けないどころか貯金は増える一方だしな」
「後からここに来た連中だって運悪けりゃホームレスになってた
ところだしな」
「コリン、ジョナサン、ピーターは農村の出だから
ここで鍛錬するのはいい事だね」
「棒術大会の方もうちの4人がトップ独占してたって話だよ」
「誰から聞いた?」
「隣の屋台の棒のおじさんだよ、街で会って聞いた」
「優勝は?待って当てるわ、、、、うーんエドかマリーだと
思うんだけどなあ」
何時まで悩む気だ?結構経ってるけど?
「エドだろ?」
「ちがーう」
「じゃあマリーだろ?」
「正解!」
「ほう、マリーか、あの子は度胸があるというか男みたいだからなハハハ」
あんたもな、兄としか思ったことないよ
「エドが2位なんだろ?あたしも出たかったな」
「それが分からない帰ってからのお楽しみ」
まあ何にしてもここに集まれたのはいい事でしょう
しみじみ思う
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