王都三日目、決勝戦
決勝戦を前に昼休みになった
4つあったステージは壊され、中央に一つだけ作られる
土の入った麻袋を周りに置いて、砂と土で作ったステージ簡単に作れる
作ってる人たちは忙しいが
「食い過ぎると動けなくなるからな」
一応、エドとマリーに言っておく
「さっさと終わらせてから食事の方がよかったな」
「二人仲良く3位のクリスとサロモは清々しい顔してるな」
「まあね、上出来でしょ?」
全員でサンドイッチを食べてると他所の道場の師範みたいな人が寄って来た
「オルレイン領から来たんだって?」
「そうですけど?」
「推薦者は?」
「リク先生ですけど知ってます?」
「棒術道場やっててリク知らない奴は居ないよ」
「有名なんですね、街の外の事は知らない田舎者なので」
「大人の部に15才から三連覇した強さだからな、兵隊か騎士になったとかで
大会には出なくなったが、そのまま毎年出てたらどうなってた事やら」
リク先生が強いのは初日に木柵蹴った時のしなり具合で良く分かってる
普段は穏やかな人だけど只者ではない
「リクが初めて送り込んだ子供たちが上位独占とはな、実にリクらしい。
邪魔したな、もう帰るわ」
「お元気で」
「大人の部で3連覇は凄いですよ、騎士団に入るのが目的で来てる連中も
多いですけど」
ロゼの護衛の第一騎士団の人が言う、人気の近衛や第一に入りたかったら
大会で優勝するのが近道だと
大会関係者が二人を呼びに来た、いよいよ決勝だ
「始め!」
客席メンバーは静かだ
二人とも軽く間合いを詰める、今まで見た事もない激しい打ち合いだ
一進一退の攻防に転機は訪れた
マリーがエドの脇腹を狙う、遠心力の効いた棒を手の中で遊ばせ伸ばした
エドはのけぞり気味に最後の伸びを避けると
マリーの棒を叩き落しにかかる、棒を落として両端が地面に着いても負けだ
マリーは長く持ってる分、取り回しは悪い、棒が叩かれる音が響く
エドは棒の右側でマリーの棒を叩き、瞬時に左側で腹を狙う
繰り返し練習してきた動きだ
が、左側が突く向きになる前に、マリーは前に出た、相変わらず迎えに
行くのが好きなようだ
マリーが避けた方に追うつもりだったのに、向こうが出てきたのはエドも
誤算か?
怯んで下がろうとしたが足の後ろに、いつの間にかマリーの棒がある
「え?」
足が後ろに引けないなら反対側の足だと考える間もなくバランスは崩れてる
後ろに棒を回して上体を支えるにもマリーが邪魔で棒は回せない
「勝負あり!」
マリーの優勝だ!
「後ろに下がろうとする足を棒で邪魔して押し倒す、言葉にすると簡単だが
打ち合いのさなかにそんな事が出来るのは凄いよな」
「狙ってないと出来ないだろな」
「末恐ろしいとはこの事か?」
「まあみんなよくやったって事で、お疲れさんだな」
「調子に乗って今まで以上にこき使われそうな気がするぞ!」
「うん」
クリスとサロモの予想も大方当たってるだろうな、頑張れ
三日後の表彰式が楽しみだ
「帰るのには早すぎない?」
「冒険者ギルド、王都本部でランク測定なんてどうかな?」
レオンは自分のランクが気になってる様だ、そろそろDランクに
上がれるらしい話は聞いてるけど
「いいかもね、二番隊も受けてみたらいいんじゃないか?」
パトリックが言うのも分かる、子供の組のベスト4なら通るかもしれん
年齢制限は関係ない?
「行く行く!!」「俺たちも冒険者デビュー?」
「面白そうだ、みんなで行こう!」
ーーー冒険者ギルド、王都本部ーーー
「本部とは言ってもあんまり変わらんな」
「そうだな、上には高いから裏方の方が多いんだろう」
「すみません、ランク測定お願いしたいんですけど」
「タグ拝見します」
一番隊全員受付終わる
「新規も居るんですけど」
ギルド嬢が一瞬怪訝な顔をする
「12歳未満は合格してもパーティーが責任を持つことになりますが
よろしいですか?」
「ハイ、いいですよ」
マリー達はいいとしてロゼも申し込んでる、まだ早くないか?
「そこの階段を降りたところが試験会場です、新規の5人はこの紙を渡してください」
「手数料はパーティー口座からで宜しいですか?」
「はいそれでお願いします」
階段を降りると扉の前に机と椅子が1セット職員が座ってる、
順番待ちの長椅子もある、中の様子は分からない
「一番手は俺が行く」
レオンがタグを見せてから入った、5分もしないで紙を持って出てくる
「Cだった、簡単だったんだけどな、危ない事は無いから気楽に行け」
Cランクでも十分凄いと思うんだけど、なんか不満げなレオン
今日の主役だった4人を先に行かせてみる
「Eランクだよ、ダンジョン入れるぜ!」
「じゃあ次俺な」
エドが入っていく、すぐ出てきた
「俺もEだった、初めては全員Eなんじゃないの?」
「君らぐらいの子は皆、失格で帰っていくよ」
座ってるオジサンが初めて口を開いた、マリー達全員Eランクだった
マリーがロゼに棒を渡す、全部叩いて来いって何?誰も教えてくれない
「ロゼはどうなんだろう?鍛錬もあんまり熱心な方じゃないよな」
ロゼが出てきた
「Cだって」
「ええええ!!」
パトリックもCだった
これで俺がEのままとかシャレにならないな、行ってみるか
扉の中は狭い部屋だ、玉状の魔道具がある
「これに手を置いてください、魔力は込めないでリラックスしててください」
「ハイ」
「いいですよ、隣の部屋へどうぞ」
「浮いてる球体ありますね?、時間内に出来るだけ叩き割ってください
弱いと割れませんのでご注意を」
「準備が良ければ手を上げると始まります」
棒でいいよな、みんな棒だったみたいだし
棒を構え手を上げる、20くらいある玉が動き出した、片っ端から叩き割るんだろ?
玉は不規則に動くが追えないわけじゃない、簡単に割れる
10以上は割ったかな?足を使えば問題ない
「終了です」
紙を渡された、Bだった
「魔法が使えるとランクは上がりやすいですね、土魔法ですか?」
「いえ、ヒーラーです」
「あなたパーティーリーダーですよね?貴方の前の前の金髪の子は新規じゃ
無ければ文句なしのAランクですよ」
「ああそうなんですか?」
「以上で終わりです」
「有難うございました」
ギルドってところは何かと遅らせたいんだな、安全の為?
扉を出るとパトリックだけ待っていた
「先にみんなタグ貰いに行ったよ、どうだった?」
「Bランクだって、ヒーラーな分のおまけみたいだな」
「凄いなBかよ!留守番のサンナとエリアスも来たがるんじゃないか?」
「サンナは走ってきそうだよな」
みんなタグをぶら下げて待ってた、パトリックと俺の分もすぐ貰えた
「アレン兄ィの銀色だ、いいなあ」
「お前らだってすぐだよ」
Bランク 俺
Cランク レオン、パトリック、ロゼ
Eランク サンナ、エリアス、マリー、エド、クリス、サロモ
Fランク エスコ、タビー、ヴェサ、クスター
コリン、ジョナサン、ピーターも二番隊に居る
随分大所帯になったもんだ
「留守番組も王都に連れてこないと駄目だな、サンナ、エリアスの昇格
コリン、ジョナサン、ピーターの新規」
これにはみんな大賛成の様だ、仲間思いなんだな
「これでまたカニが食えるな」
「あんな美味いものないからな」
ちょっと違うのも何人か居るみたいだけどまあいい
アルマさんに聞いた店で高級焼き菓子を公爵邸の使用人の分も
買って帰った
明日は皆で海に行く予定だ、早く寝よう
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