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王都二日目、開幕

「やあああ!!」

  「あまい!!」「だああああ!!」


五月蠅い、鶏は居ないから静かな朝のはずだが


「俺だけ囲まれてない?!」「足使ってない証拠だよハハハ!」


窓の外を見ると大会に出る4人が、自分以外は敵として一度に戦っている

こういうのなんて言ったかな?まあいい


公爵夫人は薔薇の手入れ、ロゼが一緒に居る、勿論アルマさんも一緒だ

部屋には扉が出入り口の他にもう一つあり、その扉の中は顔を洗える丸い器が腰の高さにあり、近づくと水が出る魔道具、その壁には鏡だ

鏡を見ると自分が居る、大きな鏡は自分がよく見える、しかも鮮明だ


「俺ってこんな顔だったんだな、砦で一番見慣れない顔は自分だったとは」


歯を磨き表に出るとみんな居る、一番隊は4人の動きを真剣に見ている


「おはよう、皆早いね」


「どう思う?マリーと二番隊の仕上がり具合は」


「砦じゃ強いけどな、いろんな所から強いやつだけ集まるんだろ?」


「そこなんだよね、まあ始まれば嫌でも分かる事だけど」


「ハイ整列!」


4人が揃って駆けてきたと思ったらピタッと一列に


「ヒール!」「ヒール!」「ヒール!」「ヒール!」


「おおお!力がみなぎるぜ!」「今日は勝つよ!」「優勝は俺だけどな」


「こうしよう、一番先に負けたヤツは砦まで走る事、いい?」


マリーが言い出した


「よし、宿も無し、夜通し走るって言うのはどうよ?」


テンションが高い4人は好き勝手な会話を始める

サンナとエリアスじゃあるまいし


あの二人はフェンリルの加護があるのかもね、とアルマさんは言っていた

二人は実物を見た事が無いし、痕跡すら見た事が無いから、フェンリルは居ない、そう思ってる

アルマさんが言うには痕跡を人に見られるようじゃフェンリルじゃないという

一度行ってみたいな、二人の村


「皆さんごきげんよう」


「おはようございます」


公爵夫人は長袖にズボンの作業着スタイルだ、薔薇に人生をかけてるような人で薔薇の話が始まると誰も止めれないらしい


「お腹空いてるでしょ?朝食にしましょう、わたくしは

着替えてまいりますわ、フンフンフーン」


「鼻歌まじりで、なんかマイペースな人だね」


「マリーがそれ言うか?」


バシッ


レオンのお尻にマリーの棒がめり込む


「冗談に決まってるだろ?なパトリック」


パトリックは華麗にスルーして


「朝食なんだろうね、貴族様の朝食楽しみだなあ」


「お前らは手洗ってからから来いよ」


「はーい」


 ーーー食堂ーーー


テーブルには綺麗に花が飾られている


「食卓には香りの薄いものを置いてるの」


俺が花をガン見してたせいか夫人が話しかけてきた


「ああそうなんですねハハハ、僕は花より食い気な方なので」


「あら残念、お花が好きなのかと思ってホホホ、

海のカニは食べたことある?」


「カニは皆好きですけど、川のカニし食べた事ないですね」


「あらそうなの?リチャード、あなた気が利かないわね」


公爵の名はリチャード・オルレイン


「カニは鮮度が命だからね、皆、肉も好きだし、食あたりになったら大変だろ?」


時々、公爵はセバスさんにベーコンとかハムをお持たせてくれる


「それもそうね、ロゼリアさん、こんなに大きなカニよ!」


手を広げて指をカニの様に動かしロゼにアピールしてる、ロゼが笑ってる


「観戦には行けないけど健闘を祈るよ、近衛のキーファー君だが、とある国に出張中でね、滞在中に間に合えば時間を作れるようにするよ」


「忙しいんですね、会えると思ってたんですが」


パトリックが残念そうだ


「剣を持ち込むのは不作法だ、と言われるような場面では彼のような人材は貴重でね、後継者は育っているが、まだまだ彼の域には達していない」


キー兄ィは頼られてんだな、何だか鼻が高い


朝食も終わり、公爵が馬車で公務に向かうのをみんなで見送った


「さあ、行くよ」



 ーーー闘技場ーーー


「結構居るね、子供のクラスは200人ぐらいらしいけど」


「8人倒せば優勝か?お前ら冷静にな」


受付に来た


「推薦者若しくは道場名、名前を教えてね」


「リク先生の推薦でエド、クリス、サロモ、マリーの4人です」


何やら受付の人は何枚もある紙を捲ってる


「あなたはこれ、あなたはこれ、マリーさん?はこれ、最後はこれね」


番号の書かれた革に紐の付いたのを渡される


「対戦表に書かれた順番で試合は始まりますので遅れないように」


指さされた方にみんなで歩いて行くと4ブロック同時進行の様だ

4人単位なのは、ベスト4まで同門が当たらない様にとの事らしい


四角いステージが4つ、選手はそれぞれステージの傍で座って順番を待ち

それ以外は客席から見る形だ


開会の宣言が棒術協会の偉い人がされると4つ同時に試合は始まった


「あんまり強そうなのは居ないね」


「そうだな、遊んでるみたいに見えるぞ」


周りに聞こえない様にレオンとパトリックが喋ってる

なんだろ?遅いし動きが単調だ、ロゼぐらい?


「次はクリスの番みたいだね」


対戦順に並んで座ってるから分かり易い


「クリス!頑張れー!」


順番が来た、相手は少し大きい


「始め!」


「だあああ!」


「勝負あり!」


秒殺だった、右と見せかけて左で足を掬い相手は尻もちをついた


「いいぞ!クリス!」


クリスは笑顔だ、他の三人もやる気に拍車がかかる


「次はサロモかマリーだな」


ほぼ同時に始まる、どっち見てればいいんだろ?


「勝負あり!」


サロモが勝った、手数で隅まで追いやって蹴りで押し出した


「いいぞ、よくやった!!」


マリーはまだ戦ってる、相手の動きもいい


「マリー左右逆で握ってるね」


「あっほんとだ、パトリックに言われるまで気が付かなかったわ」


余裕なのか作戦なのか、当たらなくてイライラした対戦相手は長く棒を

持ち直した


空を切った瞬間、マリーは懐に飛び込み、みぞおちに突きを入れる


「決まったな」「ああ」


たまらず膝を着き、相手は背中を丸める


「勝負あり!」


にこりともしないでマリーは相手と握手している、労ってんのか?

マリーも大人になったもんだ


「なんだか、みんな余裕だな」


「みんな強いね、クッキーたべていい?」「じゃあ私も」


ロゼとアルマさんはピクニック気分の様だ、まあいい


「そろそろエドだな」


「エドの相手見てみろよ、デカくないか?」


「ああ、本当だ、しかも強そうだ」


エドの番が来た、落ち着いてるように見える


「始め!」


エドは走って一気に距離を詰める、棒はほぼ垂直、首から上は反則だ

相手の目の前に棒の先を寸止めにした


「ん?」


地面に近い棒先を着けたかと思うと、低く飛んだと同時に両足で蹴った


「おおおおお!!」


いきなりの大技に会場がどよめく、相手は転がってステージ下に

ヒーラーが駆け寄りヒールを掛けている


「やるなエド!」


「エド兄ィかっこいいね」


ロゼも大喜びだ、アルマさんは瞬間を見てなかったらしい、遅れて大喜び


「こっちに向かって手挙げてるぞ、なんか余裕だな」


「うん、でもこれで完全にマークされただろ」


その後も順調に勝ち残り昼休みになった、中央では楽器の演奏が始まる


公爵夫人が持たせてくれた昼ごはんを食べながら反省会


「エドなんで初戦から大技使ったんだ?」


皆の視線がエドに向かう


「そりゃカッコいいからだろ!」


深い考えはなかったようだ、ただ委縮して動けなくなった対戦相手も多い

これはこれでありだったのかもしれない


「ところで反省点とか、ここはこうしようとか思うところは無かった?」


4人はお互いの顔を見た後


「特にないな」「うん、相手の攻撃は軽いしな」「そうそう」


約一名は食べるのに忙しくて頷くだけ、3人は余裕なようだ

大物なのかおバカさんなのか判断に苦しむ


4人の活躍を願う
















お読みいただき有難うございます

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