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王都1日目

砦の時計は4時と半分、焼き肉コーナーにみんな居る


オズワルドさん達が来て何週間だろう?

すっかり馴染んで居るのが当然、と言った感じになり砦の雰囲気も変わった

大人の人数が増えた事で年長組も気が楽になった感じがする


明日から棒術大会に出発するので今日は壮行会だ

大人が子供にへりくだるのも教育上良くないという話にもなり

オズワルドさん、アルマさん、メルビンさんにロジャーさんもロゼ含め

普通の子供として対応してもらう事で納得してもらった


「乾杯の音頭を取らせていただきます、カンパーイ!」


オズさんも長ったらしい挨拶が無くなった、いい事だ


「今日は豪華だね、エビもある」


「エド、一回戦で負けたらエビ漁師になって返してもらうからな」


エドとレオンだ、一回戦で負けるわけない4人は強くなった


「ここに来てから新鮮な肉が食べれて、こんなうれしい事は無いわ!

ロゼもいっぱい食べないと駄目よ」


アルマさんだ、常にロゼの隣に居る、初めは分からなかったが気さくで明るい人、ロゼも良く懐いている


アル兄ィとジャンさんはエールを呑みながらダンジョンの話


「結局何階層あるんだろうね?、攻略される日は来るのかな?」


「まだ数年かかるんじゃないか?下層に行けば広大だからな」


なんて話をしてる、二番隊は大会の話と王都の話


「優勝して帰ってきたら次の年、俺たちプレッシャーだから適当でいいよ」


「なんだそれ?腑抜けた事言ってるとぶっ飛ばすよ!」


「冗談だよ、相手が可哀そうだと思ってね」


「アハハハ、一瞬で吹き飛ばしてくれる!!」


「王都は美味しい焼き菓子がいっぱいあるんだって、買って来てね」


「買い物に行くわけじゃないんだけどな、買えたら買って来るよ」


なんて話だ、野菜係のメルビンさんの肩にはポロが顎を乗せている

ピーマンはポロに任せたぞ、全部食べてくれ



棒術大会に向かうのは、マリー、エド、サロモ、クリスは当然として

レオン、パトリック、ロゼに俺

アルマさんとオズワルドさんの部下二人に護衛の第一騎士団だ


途中の宿で一泊して、王都ではオルレイン公爵の別館に泊まる事になっている

諸々の手配はオズワルドさんが、全部やってくれるから凄く助かる



コッケコッコー

 コッケッコッコー  コッケコッコー


朝だ、鶏たちが壁の向こうに居ることでパトリックの寝坊助が復活してる


「おい!朝だぞ」「zzzzzzz」


「あれ!みんな王都に行っちゃったね」


「ハッ!なんだ嘘か」


「起きれたろ?準備するよ」「う、、うん」


棒術大会組は6時にここを出る、馬車二台は目立つからだ

第一騎士団とは途中で合流する手筈になってる



砦の時計は6時になった、皆に見送られ馬車に乗り込む


「そろそろカーテン開けてもいいでしょう」


アルマさんがカーテンを開けると騎乗した騎士団が前に二人、後ろに二人いる

この辺はまだクエストで来た事があるところだから見覚えはある


外の世界を知らないロゼは窓の外の景色に夢中だ

大河を下った先に王都はあるので上り下りも無く単調な道が続く


「アルマさんは久しぶりの王都ですよね」


「そうね、家族が居るわけでもないし、仲の良かった同僚が居るぐらいよ

甘いものの店は詳しいから任せてちょうだい」


「それは楽しみですね、魔法は何処で覚えたんでしたっけ?」


「私たちエルフは物心ついた頃には魔法が使えてるからいつ覚えたって

感覚はないわね、強いて言えば親かしら」


「魔法学校で認められて王宮入りしたけど学校は退屈だったわ」


天性の素質ってやつか、学校が教えるレベルの更に高みに居ると


ふと気配に気が付くとエドたちが走ってる、何やってんだ?


「どうした?」


「暇だから走ってる、今日の分の鍛錬もしてないし」


「凄い元気ね、馬車要らなかった?」


アルマさんは大うけだ、腹抱えて笑ってる


「サンナとエリアスの双子居るでしょ?馬車で一週間以上の町から三日で

走って来たんですよ」


「朝の鍛錬見てるから納得だわ、普通の人は信じられないでしょうね」


途中、馬に水を飲ませたり、休憩を挟みながら宿に着いた

一階が食堂兼酒場、二階が客室の木造の建物、周囲に何軒か宿はあるが

似たような感じ、宿の為だけにある様な小さな町だった


「川魚ってあんまり美味しくないね」


「うん、泥臭いといか苦手だな」


「肉にすればよかった」


二番隊がそんな話をしながら夕食だ

ロゼも魚がなんなのか分からないまま頼んだが一口食べて微妙な顔してる


マリーも肉にしなかったのを後悔しながら魚を食べてると

ロゼが自分の皿に手をかざしてから食べ始める


「ロゼなんかしたでしょ?あたしのにもして!」


小声で周りの客を気にしながら小声で言ってる


「いいけど?」


マリーの皿の上でロゼは一瞬手をかざす、ほんの一瞬


「あれ?泥臭くない、美味しい」


マリーは周囲を見渡し、誰にも見入られてないのを確認してる


「ロゼよくやった!さ、食べよ食べよ」


ご機嫌で食べだした、今更驚くことではないな、気にしない事にした

明日はいよいよ王都だ、早めに寝よう


 

砦を出て二日目の馬車の中、今日は大人しくみんな馬車に乗っている

人通りも多くなり、馬車の往来も増えたので大人しく乗っててもらう


宿の隣の店で買った小麦粉の生地に小エビがたくさん乗った薄っぺらい

焼き菓子をみんなで食べながら談笑中


「棒持ってる人多くなってきたね」


「勝手に決闘申し込んだりしないでね」


「みんな強そうだよ」


「こどもの部が二日、大人の部は三日掛かるらしい、最後は表彰式で一週間

お祭りみたいなものだから人も増えてるね」


「ベスト4に残らなかったら表彰式に居る意味ないから頑張ってくれよ」


「実際どうなんだろうね?他所の棒術見た事無いから」


景色は次第に民家も増え、立派な橋を渡ると王都が見えた

海に面したこの国最大の都市、門の前には行列が出来ている

その横を悠々と進み、第一騎士団が門番に何か見せると素通り出来た


「なんかズルしてる気分になるね」


マリーが順番待ちで並んでる人たちを見ながら言ってるが本人は嬉しそうだ


「あの丘の上にあるのが神殿よ、巡礼者と観光客でいつも大勢の人よ」


その手前の石畳の広場には大きな石像がある、アローラ像だ、20メートルはありそうだ、真っ白い石で作られている

神殿にロゼが行く予定はないが、例の予防薬が欲しいらしい


「お城みたいな家ばかりになって来たね」


「ロゼもお城に住みたい?」


「うーん、砦がいい」


なんて言ってる間にオルレイン公爵邸に着いたようだ、薔薇が凄い咲いてる

公爵夫人の趣味で、薔薇の研究に忙しいらしい


一回り小さい別館の前ではベネディクト神父のそっくりさん、じゃなくて国王それから枢機卿、高位の神官らしき5人ぐらい、オルレイン公爵とあれが婦人かな?


皆、胸に手を当て頭を下げている

さっさと平民の俺たちは馬車を降り、アルマさんに手を取られロゼリア様のお出ましだ


「顔上げていいよ?」


何故か疑問形のロゼリア様に促され全員が顔を上げる

長い挨拶が始まるのかと思ったらあっさり終わった


馬車の荷物は公爵家の使用人の人が運んでくれる


応接室?食堂?長いテーブルが中央にあり、椅子が30ぐらいはありそうだ

薄い生地の上に色んな果物が乗った焼き菓子にジュースと紅茶


「さ、どうぞ冷めないうちに」


国王はご機嫌だった、皆遠慮なく食べ始める


「子供の病気、喉が腫れあがり最悪、窒息死する”最初の試練”の予防薬は

完璧と言える効果だったことが報告で分かっております」


「これも全てロゼリア様のご尽力、民を代表して、、、

ロゼさん、たくさんの人が助かり、薬をありがとうって言ってますよ」


途中で形式ばった口上は止める事にしたらしい


「そう、大した事してないんだけど、でもよかったね」


ロゼは焼き菓子に夢中かと思いきや、話は聞いていたようだ


ロゼが食べ終わるのを見計らって予防薬的な例のアレが

至急欲しいということで銀の壺と材料が出てきた


皆が釘付けになって作業を見つめてる


ロゼは壺に入れる前にヒール草の選別を始めた、ヒヨコのオスメス鑑定の時の様に、数十枚の葉っぱは除けられた

壺と水差しにも手をかざす、言われるままに作った前回とは違い

ロゼは自分の意思で作ってる


「最後に湯気が上がるところは同じだね」


弾かれた葉っぱは何が駄目だったのか?手をかざして何が変わる?

弾かれた葉っぱは研究所に持っていくそうだ


御業は底が知れない





























お読みいただき有難うございます

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