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御業

砦の時計は9時少し前


屋根付きのちょっと豪華な屋台仕様の荷車を牽くポロと一緒に

屋台組の4人、それから神父様に会いに行くのは

ロゼ、マリー、パトリック、レオンに俺だ


お土産はベーコンとクッキーに卵を籠一つ、それとウサギを一羽、論より証拠用だ

普段穏やかなベネディクト神父は、どんな顔をするだろう

ピッカーたちは、畑や炭づくりに精を出してもらう話になった


屋台で荷物を降ろす頃には、手伝いに来てもらってる、二人も到着していた


「じゃあ、あとお願いしますね」


そう言うと5人は教会に向かう、ポロももちろん一緒だ

こども園の子供たちは皆、動物が好きでポロは人気者に、

連れて行かないわけにはいかない


「神父様は冷静なままだと思うな」


「どうだろ?神様に近い所に居る人だからこそ、逆に驚き方が半端じゃない気もするんだけど」


マリーとレオンがそんな話をしてるが

当の本人、ロゼはポロの首元に手を置き、ポロの顔ばかり見てる

ロゼは特別なんだよ、と言ってもあまりピンと来てないみたいだ


「着いちゃったな」


「ああ、入ろう」


教会に入るとベネディクト神父は祈りをささげてる

皆言葉は掛けず、終わるのを待っているがやけに長い


やがて立ち上がって振り返ったが元気がない


「こんにちは、今日は大事な話があってきました」


「いらっしゃい、、どうされましたか?」


はっきり言ってしまった方がいいだろう


「この子、ロゼには蘇生の力があるんです」


「?????」


駆け寄り膝を着き、ロゼをまじまじと見る神父


「それは本当ですか?冗談では済まされませんよ」


急に厳しい顔になる神父、こんな顔見た事ない


「嘘でも冗談でもないですよ、僕らこの目で見ましたから」


ベネディクト神父はロゼの肩を両手でつかみ


「本当なんだね?」


「うん」


神父様の迫力に、圧倒されながらロゼは頷く


「私について来てください」


ロゼは神父様に手を引かれ、足早に教会を出るとこども園に向かう

一度も振り向くことも無く、一番奥の部屋に神父とロゼは入って行った


「何事だろう?」「分からん」


ベットに寝かされた2才ぐらいだろうか?肌の色は一部変わり、ただ事ではないのが分かる


「この子を助けて欲しいんだ、出来るかな?」


「うん、大丈夫」


「天にまします我らが母よ、この者を癒したまえ!」


虹色の光は今までよりも強く光っている


「おおおおお、、」


ベネディクト神父はロゼに手を合わせ頭を下げている

子供の変色した皮膚はみるみるうちに元に戻り、目を開けた


「あれ、、、?」


声が届いた神父は慌てて子供を見た


「アンナさん、このお姉さんが治してくれたんだよ」


状況が分からないのか、アンナという幼い子供はじっとロゼを見つめてる

神父は幼女の手を握り泣いているみたいだ、横顔の頬が一瞬光った


ドアのところで覗いていたシスターが「御業だわ、アローラ様、、」とか言ってる、そうなるよね実際、改めて事の重大さを思い知らされる


「マリアさん、なにか消化のいいものを作ってくれないか?」


「卵持ってきましたよ、使ってください」


マリーが籠の卵とウサギを渡すと一礼してシスターは調理場に向かった


「驚きましたね、我が一族の恩人であり神の御子、ロゼ様」


ロゼ様?俺たちもロゼ様って呼ばなきゃ駄目なのかな?


「神父様、ロゼは呼び名でロゼリアだよ、あんたがつけた名前だ」


マリーのため口は健在だった、ロゼリアだよな、確かに


「マリー、そうだったね、とんだ失礼をしてしまったね、ロゼリア様」


さっきまで重い病気だった幼女は、もう一人のシスターに任せ


「私の部屋で話そう」


部屋には長椅子が向かい合わせに、その中央には木製のテーブル

奥にはベネディクト神父の机がある


「何時から御業が使えるようになったのですか?」


「最近の話ですね、首の皮一枚残して死んでるウサギを蘇生しました」


「それからこれね、ほら!」


マリーが生えた歯を神父様にアピールし出す


「伝承通りですね、疑いの余地はありません、アローラ様は最後におっしゃいました、また戻る、その時は仕えよと」


「皆さんには話しましょうね、アローラ様が居なければ、私はこの世に居ません」


「蘇生された王の子孫て事ですよね?」


「はい、今のオルレイン公爵は私の甥、現国王は私の兄です」


「ええええ!!」


「驚かれますか?一族の独裁だと言われない様に隠しているのです

アローラ様との約束もありますのでね、我が一族はアローラ様に忠義を尽くす

為にも部外者は入れたくないのです」


ジャンさんが語りべから聞いた、王より偉いって言う話はそういう事か?


「ロゼは王都の神殿に連れて行く、なんて話にはならないですよね?」


マリーが気にしてるのはそこだ


「ここに居る全員、ロゼを連れて行くのは反対ですからね」


ここはビシッと言っておいた


「ロゼリア様は砦の生活はどうですか?」


「うん、楽しいよ、どこにも行きたくない」


分かりました、神殿を動かしましょう、砦から近い街道沿いに神殿は作らせます

たまにお手伝いいただきたいですが、了承いただけますか?


ぽかんとしてるロゼに


「神父様がたまに手伝ってほしい事があるんだって」


「うん、いいよ」


「ロゼはまだ子供なので、あまり表には出したくないのですが?」


「はい、万全を期すのでご安心ください」


「早急にお願いしたい事もありますが、王都へ使いも出さないと、忙しくなりますね」


「じゃあこれで僕らは帰りますので」


外ではポロが子供たちに囲まれている、小さい子だと何をされても怒らないが

尻尾を掴まれて機嫌が悪いように見える


「みんなごめんね、お兄さんとロバは帰らなきゃならないんだ」


「えええ!」「今度いつ来るの?」


「二三日後かな?じゃあね」


ベネディクト神父も深々と頭を下げている、国王の弟かあ、砦の事とか

色々腑に落ちた


「ロゼ、荷物無くなったから荷車に乗れば?」


「それがいい、馬車に乗ったお姫様みたいだぞ」


レオンがいうとロゼが照れてる、小さいだけで馬車みたいな荷車だから通行人も微笑みながら見ている


屋台街は挨拶だけで素通りし、商人ギルドで税を納める

あとは商会で買い物をして、馬車屋さんへ行くとポロの爪の手入れだ


先代がまた爪を見てくれる事になった


「小さい馬車に小さいお姫様だなハハ」


ロバマニアのおじいさんが屋根付き荷車に女の子が乗ってるのをまじまじと見ている


「これは行けるかもしれないな」


「どうしたんです?」


「なに貴族様のご婦人用にロバ車はどうかと思ってな」


「屋根があれば濡れないですね」


「馬車進入禁止の道も多いからな、ロバは別だ」


「なるほど、ドレスも汚れませんね」


「そう、そういう事だ、対面で二人乗りなら幅も取らない、使用人が手綱持って歩くだけでロバならついて来る」


「ポロはどうだ?いいと思うか?」


このおじいさんポロの名前覚えてんだな、さすがロバマニア

手際よく爪切りが終わる


「1,000貰うかな、息子が見てるから」


「じゃあこれ」


銅貨一枚払い礼を言って後にする、串焼き屋の親父さんの所で少し話し、皆に串焼きと果物を買って帰った


ロゼにとって悪い話にはならなそうなので皆安心した








お読みいただき有難うございます

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