日曜日
人前でヒールを披露した、ダンジョンでの出来事から10日
今まで無休だった、新ダンジョンは日曜日は封鎖となった
今日がその初めてのダンジョン休みの日だ
広場は逆に人が増えるかもしれない、という事で屋台は通常営業だ
屋台の荷物を届け、二度目の広場に来ている
「凄い人だね」「うん」
マリー達が人の多さんに驚いている、年少の手を引いてるロゼも頷く
「屋台は普段より繁盛してるみたいだな、早々に売り切れるんじゃないか?」
パトリックの言う様に普段より人は多い
移住組から二人雇った女の人は愛想も良く客の扱いは慣れている
一人は常連の冒険者の奥さん、もう一人は仕事を求めて家族で移って来た
商会に勤めてた一家の娘さんだ
「テキパキ働いてくれる二人が入って良かったよ」
「それにしても賑やかだな」
「あれ観たい!」
子供たちは人形劇を指さす、年長組もあんまり見た事が無さそうで興味津々の様子
「じゃあみんなで人形劇でいい?」
「いいよ」「早くう」
と急かされ人形劇の前へ、ドラゴンと王子様というタイトルらしい
数本の糸で吊るされたドラゴンには王子が跨っている
魔女にさらわれた異国の姫を助けに行く物語の様だ
「おお!」
背景が魔女の城になりドラゴンから降りた王子が魔女と対峙する
「こしゃくな王子め!これでもくらえ!!」
魔女の人形の後ろから赤く塗られた棒についた綿が飛んでいく
「あれは火魔法だな」
「うん、うん」
「王子!!」
喋ったドラゴンが王子の前に割って入る!
「ドラゴーーン!」
魔女の火魔法?から王子を庇ったドラゴンという名のドラゴンは
魔法を食らった
「ワンワン!」
人形は入れ替わりドラゴンさんは犬に、中々シュールだ
「ドラゴン、犬になったね!」「うん」
子供たちのテンションは高めだ
「おのれ魔女め!!この剣の錆になるがいい!!」
おじさんが王子の人形に剣を持たせる、うんうん
「お前ごときがわしに勝てるとでも?」
魔女も本気の様だ、杖で剣と打ち合っている、丈夫な杖なんだな
「ワンワン!」
犬にされたドラゴンという名のドラゴンが、隅から出てきた鎖を巻かれた姫の鎖を噛んでいる?
「王子、これを使って!」
姫が何か投げた、なんだろう?
「これは伝説の宝玉!」
王子が受け取ると稲妻模様の板が出てきた、おじさんが揺すってる
「えい!これをくらえ!!」
稲妻の板が魔女に向かって飛んでいく
「ぎゃああああ!(バタン)」
魔女が倒れたようだ
「ワンワン!」
犬が吠えたと思ったらドラゴンと交代だ、魔法は切れてドラゴンに戻った?
「姫!」「王子!」
二つの人形は一緒になりドラゴンの背に乗って飛んでいく
「めでたし、めでたし」
「ワーー!」「まじょにかったよ」
この後も三話、子供たちは夢中だ
これが人形劇か、、いまいち分からなかった
子供たちは喜んでるみたいなんでまあいいかな
投げ銭の箱に一枚入れておいた
「いやあ、おもしろかったな」
マリーは面白かったみたいだ
「うん、そうだね」
とだけ返しておこう
「あれなあに?」
ロゼの指さす屋台はエビを串に刺したものを焼いていた
「エビ食べた事無かったっけ?」
「知らないよ、食べた事ない」
「カニみたいなもんだけど、知らなかったか?」
「カニは皆好きだけど、エビは食べた事ないね」「うんうん」
じゃあみんなで食べようか、適当に買ってベンチで食べることに
屋台組にも届けないとな、別皿に12本買って屋台に届けた
「カニより美味しいねえ」「カニの方が美味しいよ?」
「どっちも美味しいから好き」「そうだね」
おおむね好評のようだ、蟹もたまに食いたいな
「エビ食ってたらカニも食いたくなったな」
「じゃあ来週は皆でカニ捕りにでも行く?」
「そうだな、いいかも」
広場周辺の屋台は休んでる店も、ちらほら、砦の皆そろって何かするなら
屋台を閉めるのも、いいかもしれない
「あれは何?」
子供たちが一斉に見たのは大浴場だった
「あれはエリアス兄ィが作った大きな風呂だよ」
「行きたい!砦のより大きい?」
「もっともっと大きいよ、見に行ってみる?」
子供たちを連れて風呂まで行く事になった、これ見たら帰るかな?
入口と外見だけのはずが、入りたいって話に
料金は鉄貨一枚だ、しかもタオルの貸し出し付きと安すぎる
「湯舟には体を洗ってから入る事、石鹸は持ち帰らない、
洗濯は洗濯場だけな」
と注意を受ける、洗濯場とやらはすぐ分かった、お湯だけ出ている平たい台で
服とか洗ってる人が結構いる
作った時は無かった木の扉を開けると本当に広い風呂だ
子供たちを順番に洗い、湯舟に入れると大はしゃぎ、上を見ると大きな穴から空が見える
「これがあっという間に出来たとは誰も信じないだろうな」
「確かにな、砦の風呂も広くなったけど、天井の高さと湯舟は大きければ大きい程いいもんだな」
「それにしても安いな」
「ああ、報酬代わりに、色々貰った魔道具代に比べたら安すぎる」
「冷たいエール鉄貨5か」
「こっちが本業なんじゃないか?」「なるほどな」
のんびりしていると女性陣が入口の方から大声で呼んでる
ちょっと恥ずかしい、子供たちに服を着せ外へ出るとみんな待っていた
「遅すぎると思う」「うんうん」
マリーとロゼ達が腕組して待ってる、皆で歩いて砦に戻ると
ジャンさんとジークが戻っていた
「年長者だけで相談したい事があるんだが」
着いて早々ジャンさんが切り出した、ロゼの事だろう
「みんな集めますね、櫓に上にでも集まりますか?」
「そうだな、そうしよう」
「訓練所側に居るアル兄ィ達も呼んできて」
「分かった」
エドが走って行った
マリー以上の年長者が全員、櫓に集まった
「ロゼの力は隠しておけない、数えきれない子供の生死にかかわる事だ」
皆黙って聞いている
「語り部が伝えてきたところによると、アローラには最初の試練を防ぐ力が
あるという話だ」
「最初の試練は知ってるよな?子供の喉が腫れて最悪、窒息死するという
危険な子供の病だ」
最初の試練はみんな知っている、幼い子供が死んだと聞くと真っ先に思いつく
「じゃあ、これからどこかで死ぬはずの子供もロゼの力で助かると?」
「ああ、そういう事だ、王都の神殿では再降臨に備えているという話も
聞いた」
ロゼは王都に連れて行かれる運命だったのかな?みんなは納得できる
だろうか?
「王都に連れていかれる、心配はないかもしれないがな」
「どういう事?」
マリーがいつになく真剣だ、そりゃそうだ
「ロゼは国王より立場は上だって事だ、呼ばれれば飛んで来なければならないし、跪いて許しがあるまで、顔すら上げれないぐらい、雲の上の人って事だな」
「始祖アローラ様に、蘇生して貰った国王から今の国王まで、直系で繋がってる」
「今の国王が、薄情者だった場合は分かりませんよね?」
「アローラ正教会は、国外にも信徒は多い、国教にしてる国もある、この国の王一人が、神の子アローラ様の後継者に、何かしたなら今度こそ末代になるだろう」
「この辺の土地はベネディクト神父の土地なんだろ?」
「はい、そうです、街道からダンジョンある辺りまでは神父様の土地ですね」
「神殿作ってもらえばいい、歩いて行ける距離にね」
「なるほど、用があるならお前らが来いよ!って事だな」
またなんだか、とんでもない事になってきた気がするな
命を救うか、、、
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