蘇生
砦の時計は3時と半分
新しく拡げた訓練所に年少組以外、みんな集まった
始祖にして開祖、アローラ様と同じ力が本当にあるのか検証だ
ダンジョン帰りに角うさぎだけ狩って来た
「これが生き返るのか?普通に考えてあり得ないだろ?」
サンナは信じられないようだ
首の骨は絶たれ皮だけで頭と胴体は繋がって、血のほとんどは
抜けている状態、だが伝承の通りなら王と同じように生き返る
「足は縛ってあるから襲ってはこないよ、やってみようか?」
「うん、いいよ」
ロゼがウサギに近づき両手を当てる
手と角うさぎの触れてる場所が虹色に光る、無言のままだ
「おおおお」
首の骨は繋がり、断面は塞がった
「起きて」
無言だったロゼが小さく呟く、二、三度痙攣したうさぎは暴れ出した
冷たいヒヨコの蘇生もこれと同じだったんだろう
「凄いな」「ああ」
「あの時ロゼが居ればなあ・・・」
アル兄ィが呟く、全くだ
でもあの頃ロゼはスラムにはまだ来ていなかった
「数百年ぶりの神の子復活か、、」
「これって新鮮な肉、食い放題じゃないか?」
「言われてみるとそうだな」
「血も元通りなんだろうなこの様子だと、ロゼもう
一回殺しちゃうけどいい?」
「うん、香草焼きが食べたい」
食べれる命は食べ物、小さな子でも考えは同じだ
首を斬ると血が流れ落ちる、他の生きてるウサギと変わらないだけ血は戻ってる
「ロゼ、アタシの歯は戻らないのか?」
マリーはやっぱり歯が無いのはいやらしい、ちょっと笑いが起こりロゼに
視線が集まる
「無くてもいいんじゃないの?」
とロゼ
「いや、あった方がいい」
即答だった
ロゼの前にしゃがんだマリーは顔を近づけた、手を当てたが光らない
ロゼはジャンさんの方を見て
「天にまします、、?」
「われらが母よ、この者を癒したまえ」
「天にまします我らが母よ、この者を癒したまえ!」
光った、虹色に光った
「あっ生えてるわ!!」
舌で探ってるの、駆けだしたマリー、風呂場に走って行ったのだろう、鏡はあそこにしかない
「なんか驚き疲れて、歯が生えた程度じゃ驚けないな」
「今こんな事が出来るのはロゼだけ?何人目?」
「それっぽいのは100年前ぐらいにも居たらしいが只のヒーラーだったみたいだな、政治的に担ぎ上げられたんだろう」
「じゃあ始祖様の次がロゼ?っていうかロゼは神様と同じ?」
「神の子なんだから神だろ?ロバの子はロバだからな」
ーーー1週間後ーーー
今は10時、棒術大会のステージが二つに増やされ二番隊の日常を観察中
というかヒールの練習に丁度いいという事で留守番だ
ちょっとでも擦り剥いたりしたらヒールを掛ける、皆から課せられた使命はヒールの向上だ
ジャンさんはアローラ聖教会の語りべの家系である、別れた連れにジークを連れて会いに行った
年に一度、ヒーラーをしてる母親に合わせる事になってるらしい
大人の世界も大変だな
「わははは!サロモ、まだまだ甘いな」
マリーの蹴りで飛んで行ったサロモ、さあ、俺の出番だ
「ヒール!」
まだまだ弱いが白く光ってる、むくっと起き上がったサロモ、ステージに戻った
「ああああ!!」
サロモの棒は空気を切る、マリーには届かない
ヒールを掛けられると、一瞬で痛みは消えるらしい、みんな遠慮が
無くなり本気モードだ
考えてみると、今強いのはロゼと近い者ばかりだ
早起き4人組メンバー、それにマリーとロゼは実の姉妹みたいだ
里親候補がスラムに来た時、ロゼに寄って来る大人は多かった
初めは笑顔でロゼに近づくが、火傷の跡を見ると無言で距離を取る
マリーはその様子を見て怒り心頭だった
その後は、里親候補が来ると分かるとマリーはロゼと
三階に引っ込むようになった
マリーが時々言う
不自由なく生活できるようになったから里親なんて要らない
マリーの言いたい事は良く分かる
今度はクリスがひっくり返ってる
「ヒール!」
体動かしてるより地味に疲れる、はっきり言って苦行だ
棒術の鍛錬も混ぜようとするとめまいがして立てなくなる
ーーー食堂ーーー
昼になった、皆で骨のスープを食べる
「いただきます!」
小麦粉を練ったものは形を変え平べったくなった、茹であがるのが早くなるから都合がいいらしい
「美味しいね」「うん」
食べ終わり、二階でみんな昼寝をしていたが、誰か来たみたいだ
「ギルマス、こんにちは」
扉を開けるとギルマスと裏方のおじさんが馬車で来ていた
「ダンジョンの事で話があってな、屋台に行ったら、砦の親分は留守番してると聞いたもんでな」
「どうぞ、食堂で聞きましょう」
「どうぞ」
豆茶とクッキーを出す、皆はまだ寝てるので俺一人相手する
「ダンジョンの話なんだがな、さすがに未登録で幼い子供は入れられないって話になったんだが、Fランクを第1第2階層まで解禁しようって話になってな」
「ああそうなんですか?ちょっと残念ですね」
「魔石拾いが手間なんだって?他の冒険者からも要望は来ていてな」
「はいそうですね、5人だと2人は魔石拾いしてますから」
「一つの穴に5人で3人が魔石拾い専門で入ったらどうなる?」
「効率は上がらないでしょうね、2~3人が攻撃、その後ろに魔石拾い、1パーティーが二手に分かれて魔石拾いが2人ぐらいの方がいいでしょう」
「それで魔石が二倍か?」
「そうですね、小ボスを二人で倒せるのが前提になるからEランクじゃどうなのかな?って話にはなりますが」
「5000体以上、狩ってる実績があればいいとか条件は必要でしょうね」
裏方が初めて喋った気がする
「5000か?クリアできてないパーティーっているか?」
「多分居ないですね、二日に一回ペースでも7000は倒してるでしょう
リンリオ1番隊は2万を余裕で超えてたはずですよ」
そんなに倒してたかな?あんまり実感ないな
「でだ、アレンの所4人にFランク4人付けるから2穴同時の検証をしたいんだがいいか?」
「いいですよ、魔石拾い無くなるなら文句は出ないと思います」
「じゃあこれ書いていいな?」
何時も掲示板に張って有るヤツだ、ピッカー?
「魔石拾いをピッカーでいいだろ、報酬は?」
「一本で幾らぐらいになってましたか?気にした事無いから」
「そりゃそうだろうな、アレがあるからな、小ボス抜きで金5前後
じゃないかな」
「一日二本、二人で金10稼げるのか、ひとり金1銀1、15,000ゼニーってとこですか?」
「ハズレなしで必ず収入になる金額としてはおいしいだろうな」
「まあ、いいだろう、他の冒険者も並ぶだろうから穴1本7,000にしておくか
1本クリアしたら帰ってくるやつの方が多いからな」
「みんな1本なんですか?」
「お前らが早すぎるんだよ、中級パーティーもこれで第1第2に増える、これで稼げるからな」
「あとは時間と場所だな、ダンジョン入口9時半ですね」
「広場で9時になって出れば余裕だな、明日は俺も行くからな」
ギルマスも来る気で居るんだ?
「二つに分かれると4人ですよ、今から集まるんですか?」
「4人パーティー1つ押さえてある、問題ない、それじゃあな、剣の手入れもするから帰るとするか」
そうしてギルマスと裏方のおじさんは帰って行った
そろそろヒールの練習もいいだろう、1週間頑張った
明日は俺もダンジョンに行こう
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