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治癒魔法

時刻は朝の9時を少し回った頃


屋台組と砦の前で別れ、一番隊4人、アル兄ィ達4人

そしてリハビリも終わったジャンさんが久しぶりにダンジョンに潜る


どっちと一緒に行動するかは考え中だ


「しっかし二番隊強くなったよな、組手も気抜いたらやられそうだ」


サンナがそんな事言いだす


「剣なら余裕なんだけどな、棒だと信じられない技出してくるからな、右からなのか左からなのか読めないし、剣より圧倒的に手数が多いからな」


パトリックも同意見の様だ、実際クリス、エド、サロモ、そしてマリー

この四人は何か違う、マリーは頭一つ背も高いからパワーもある


左右で同じぐらいに持ってたはずの棒が伸びてくる、手の中で遊ばせてた棒を

スライドさせてる、かなりトリッキーだ


「ゴブリン階層なら十分通用しそうだな」


「オークも一体ずつなら4人で倒せるかもな、あいつらスピードもあるから一体ずつ引き離して倒せば余裕かもしれない」


アル兄ィまでそんな事を言い出す、王都の大会が面白くなりそうだ


「ところでジャンさん、どっちのパーティーと潜ります?」


「そうだな、ゴブリンでいいかな、よろしく頼むよ」


「ついでに火魔法も、教えてもらえると嬉しいんですけど」


土魔法の二人から教えてもらって、魔法を使えた者はいない


「まだまだ謎の多いのが魔法だからな、期待はするなよ」



ダンジョン入口に着くと行列が出来ていた、早朝から待ってる奴も居るらしい


「地元勢は少ないな、他所からそれだけ集まってるって事か?」


「今日は槍でブタどもを蹴散らしてくれる!」


「ジャスパー兄ィ、槍だけなんですね、剣は置いて来たんですか?」


「ああ、腰にあったら邪魔でな、無い方が動きやすい」


「なるほど、で帰りはどうします?」「狩りの方か?」


「それぞれ狩場に向かうって事でいいんじゃないか?」


「そうですね、そうしましょう」


受付を済ませて中に入る、新ルールというか日付の書かれた板を持たされた

今入ってる穴だと知らせる板、完了済みを知らせる板の二種類だ

事故対策とむだ足防止って事らしい、なるほど便利だ


縦穴螺旋階段でアル兄ィ達と別れ第2階層へ


「なるほどねえ、先に入ってる最中なの一目で分かるわ」


横穴の入り口に攻略中を示す板が沢山見える


「うん、手前から埋まってるね、ここにしよう」


自分達も板を置いて5人で入る


「ジャンさんまで棒ですか?」


「ああ、練習するにはゴブリンが丁度いいだろう?ハハハ」


「全員棒だね」


三人が戦闘、二人が魔石回収、これを10体毎にローテーションして奥まで進む

「棒は楽しいね、ゴブリンが吹っ飛ぶよ!」


「ゴブリンて柔いんだな、棒が硬いのか?」


簡単なフェイントに引っかかるゴブリンは敵ではなかった、縦に頭に振り下ろすと見せかけ腹へ

右腹と見せかけ左から頭へ、次から次に消えて魔石になった


「終点だよ!」


奥にはデカいゴブリンが居る


「ゴブリンキングだな、火魔法でいいか?」


「お願いします!」


「ファイアーボール!」


撃ち出された火の玉はタマゴぐらいの大きさに見えたがゴブリンキングに当たると大きな炎が上がる、膝を落とし動けないゴブリンキング


「おおすげえな」「これが火魔法か」


やがて火は消えゴブリンキングは光の粒子に、少し大きな魔石だけが残った


「やっぱり魔法はずるいな」


サンナがぼそりとつぶやく、うんうん確かに反則だ、あんなの食らったら最期だろ


「どうやって撃ってるんですか?欲しいなあ、それ」


手に集めて放り出す、使える人は簡単に言う、こんな例え話をよくされる

「目の前に人が居る」なんで分かるんだ?と言われても

見えてるから分かるのは当然だが、目が見えない人に「どうして触れてもいないのに分かるんだ?」と言われて説明が難しいのと一緒だと


「レオン、手のひらを穴の奥に向けて伸ばして」


そのすぐ隣にジャンさんは立つとレオンの手のすぐ前にファイアーボールを出した


「近いのに熱くは無いんですね」


「大きくしてみて」


「うううううっ」


あんまり変化はないみたいだが全員くぎ付けだ


「飛ばしてみようか?」


「ううううううううううううううう」


飛ぶ気配はない、全員にやってみる


「サンナは双子の姉弟が出来るんだから可能性は高い?」


「あああああああ」


サンナが唸る、おっ?ちょっと大きくなったか?


「飛ばしてみて」


「ああああはー!」


一歩先ぐらいの地面に落ちた、これは成功か?


「練習すれば使えるようになるかもね」


ジャンさんがそういうとサンナは大喜びだ


「よっしゃー!」


今度は俺の番、ホントだ熱くない


(大きくなれ・・大きくなれ・・)


「おおう!?」


見ていた3人が声を上げる


大きくはなってないの分かるが自分の手が邪魔で見えない


「飛ばしてみて」


「そりゃーー!」


「やっぱり飛ばないね、手のひらよけて見て」


言われるままに手を動かすと赤かった火が白い


「色が変わったと思うんだけど?」


「前にも白くなるの見た事がある、三人目だ、その二人ともヒーラーだった、練習した方がいいな治癒魔法」


「おおおお!!」「すげええなおい!」


「俺がヒーラー?」


これは驚きだ、可能性があるなら練習しよう


「俺は駄目だったけど、アレンが治癒魔法の使い手になれば、俺たちは無敵だな、うんうん」


レオンはベーコンパンを齧り出した、もう昼か?


「ちょっと早いけど、みんなも昼にするかクリアした事だし」


円になってパンを食べながら話題は治癒魔法だ、ヒールって言葉はきっかけに、繰り返すことで疲れる様になれば魔力は出ている証拠だと

火の色が白くなった一人は、ジークの母親だったと教えてくれた


「ジャンさんは二人の能力見い出した事になりますね

どこで覚えたんですか?」


「地方に行く時、野営とかするだろ?暇な時に何となくやってた事だから」


「いやでも凄いですよ!」


「さて食べ終わったし、板交換して次行くかい?あたしの火魔法で灰にしてやるわ!」


「まだその段階じゃないでしょ!」


「そうだったな、今は棒術あるのみ!」


午後に入った穴も順調にクリアしダンジョンを出た

受付はもうすっかり顔見知りでアル兄ィ達は先に出てる事も教えてくれる

クッキーを一袋あげて狩場に向かった


「おう!遅かったな、狩りはもういいぞ」


狩場の手前に小川が流れてる、血抜きと運びやすい大きさに切ったりする場所はエリアスが整備したので使い易い、収獲は鹿が一頭、ボアが二頭、ウサギが6羽だそうだ


 

 ーーー砦ーーー


扉の前まで行くとポロが開けてくれる


「ポロただいま」


皆にワシャワシャされて笑ってるポロ


「魔道具でいつでも沸いてる風呂にでも入りますか?」


「その後は鹿食いながらエールですか?」


「当たり前だろ!エール呑むまでがダンジョンだからなハハハ」


「違いないハハハハ」


何がどう違いないのかは知らないが、みんなで風呂に入った、魔道具があるならと広げられた風呂は2倍以上大きくなった


肉の準備は二番隊がやってくれてる


皆で屋台組が戻るまで焼き肉コーナーでおしゃべりタイム、ジャンさんも酒は飲む方なので酔っ払いチームの方に集まり、飲まないチームと年少が反対側に座ってる


「二人も魔法の才能が見つかるとはね、凄いな」


「ジャンさん、それ俺たちにも後でやってくださいよ」


クッキーの失敗作をつまみに酒盛りが始まった


「砦の裏か横を拡張して練習場作ったらどうだ?」


ああそれいいかも、エリアスは今日屋台か?帰ったら聞いてみよう



酔っ払い達からクッキーを貰ってたポロが扉に向かった、屋台組が帰ってきたようだ


全員が揃い、鹿肉パーティーは始まった

内臓も山育ちの影響で食べるようになったが、これが凄く美味しい


俺がヒーラーねえ、、頑張らないと





















お読みいただき有難うございます

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