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父、砦入り

「コッケコッコー」

 「コッケコッコー」「コッケコッコー」


朝だ、まだ眠いが今日は忙しい、時計は5時のちょっと前

砦の朝は早い


「おはよう」「ふぁああああ」


一番隊、二番隊の二階で寝ている12人が全員起きる

3階のアル兄ィ達4人も起きてきた


「おっす!」「おはよう」


食堂の窯と釜土に炭を入れ火を起こす、顔を洗って鍛錬の時間だ


アル兄ィ、ジャスパー兄ィ、ジャック兄ィ、ターナー兄ィのCランク4人

レオン、パトリック、サンナ、エリアス、俺で一番隊5人


エド、クリス、サロモ、コリン、ジョナサン、ピーター、そしてマリーも加わり二番隊7人にジークも仮参加


柔軟をしてから回廊に繋がる階段、一周480メートルを8周する

最近じゃ慣れたもので皆熟してると言いたいが汗だくだ


リク先生から棒術を習い、高い所からの着地にも棒が使えると教わり

階段の下りは、棒を着いて、握った手を滑らせる事で、衝撃を逃がすなんて事もしてる

革の手袋はすぐボロボロだ


肉パンの生地はロゼが年少達とでやりくりするようになった、クッキーから初めて、今じゃ立派なパン職人達だ


木剣の素振り、棒術の型稽古が終わったのは8時のちょっと前

全員お風呂のお湯で汗だけ、サッと流してから食堂で発酵したパン生地を丸める


「ジーク、聞いてた話より父さんの回復具合良くて良かったな」


「うん、みんなありがとう」


「父さんがまたダンジョン行くって言ったら嫌か?」


「うーん、一人では行って欲しくないかな」


レオンとジークがそんな話をしてる、冒険者は無理だろうと言われてた初日に比べたら、見違えるように回復してきた


パン生地は次々、木箱に入れられ荷車へ、ポロは窓から覗いてる

クッキーは昼間焼いてるので、朝はパン生地だけだ


「ベーコンと卵に野菜を炒めたものと骨スープにパンだよ」


「いただきます!」


朝食が始まる、食べ終わると自分の食器は自分で洗う

屋台組、ダンジョン組、ジークと俺は父ジャンさんを迎えに行く


「仮の壁も随分延びたね、どこまで延びてんだろう?」


「小さな町一つと言われても見当つかないよな、今度見に行く?」


エリアスとコリンがそんな話をしている


「屋台の前の広場も大きいしな、公爵も気合入ってるんだろ?」


「領主様はジークの父さん助けたパーティーに金200払ったって話だし

ダンジョン経営には力が入ってるみたいだぞ」


「診療所まで見舞いに来てくれたって父さんも言ってた」


ジークを連れて毎日行ってたから俺も聞いている

屋台に着いた


「今日は俺が棒のおじさんに勝って黒い棒貰うんだ!」


と張り切るサロモと屋台メンバーと別れ診療所へ


ベットの4つある部屋でジャンは寝具を交換してるところだった


「父さん、迎えに来たよ」


「おう、すまんな、アレン君も有難う」


「アレンでいいですよ、すまんなが口癖になってますね」


「そうかな?自覚は無いけど」


「じゃ行きましょう」


受付のような所でジャンさんは名前を書いている


「終わったよ、じゃあ砦とやらを見せてもらおうかな」


「荷車に乗ってください」


「いや、少し歩きたい、まだ他人の体のような違和感を早く無くしたくてな」


「疲れたら遠慮しないで乗ってくださいね、杖代わりにこれどうぞ」


「すまん、借りるよ」


笑いそうになっていると


「ん?どうかしたか?」


「また、すまんて言ってますよ」


「ああほんとだな、棒術もやるんだな」


「はい、最近まで習ってました、屋台の隣が棒屋さんなのがきっかけで」


「おれも教えてもらってんだ」


「ジークもか?他の子とも仲良くなったんだよな、楽しいか?」


「うん」


ダンジョンへ向かう冒険者たちも増えてきた、屋台の前は行列が出来ている


「ここですよ、うちの屋台、今日は絶好調みたいです」


「屋台って儲かるのか?」


「はい、結構いいですよ、小麦粉は安いし、肉は自分達で狩ってくるので

払うものが少ないです、税の分引いても一日で金14は手元に残りますね」


「なるほどねえ、商売ってものは、分からなくてな、漠然と貯金だけはしてきたが」


「商品はこのロバの荷車で運んでるのか?」


「はい、ポロが朝荷車牽いて屋台まで運びます、最近は晴れだと荷車ごと砦に戻ってますね、雨が降りそうなら荷車だけ置いて帰ります、余った分背負うの大変ですから」


砦が見えてきた


「結局全部歩いちゃいましたね、着きますよ」


「ああ、ほんとに砦だね、ちょっと昔の感じの」


「今の砦ってみんな岩なんですよね?」


「ああ敵に俺みたいなのが居たら丸焼きだからな」


「火魔法使わないでくださいよ!」


「分かってるよ、息子が世話になった所、焼くわけないだろう」


木柵の上から二番隊が見てる


「おかえり、今開ける」


「あとで案内しますね、疲れたでしょう、食堂で豆茶でも」


ジークがあっちが詰め所でこっちが炭焼き窯でと色々説明してる


ジャンさんと二人で豆茶を飲んでるとジークは子供たちと棒で遊んでる


「あんな楽しそうに笑うジークを見たのは何年ぶりだろう」


同じパーティーメンバーと結婚してジークが産まれ、離婚とパーティー離脱が同時だったそうだ

それからジークを連れて宿暮らしをしながら、ソロで3年やってきたそうだ



 ーーーこども園ーーー


「叔父上が探していたのはこれで良かったのですか?」


「見た目だけでは分かりませんね、使ってみましょう、こっちへ」


「これは何ですか?」


「お風呂だよ、子供たちが作ってくれてね、薪も届けてくれるんだが、こども園はここだけじゃないからね」


領主であるオルレイン公爵とベネディクト神父だ


「この風呂はね、砦の子に土魔法を使えるものが居てね、あっという間に作ってくれたんだよ、ここだ、ここにその魔道具を」


セバスが魔道具を薪を入れる窯にセットする


「これを引くと熱が出るそうですよ」


「これですか?引きます」


「奥の方からオレンジ色の光が出ているね」


叔父、ベネディクト神父は嬉しそうに窯をのぞき込んでいると、甥っ子の公爵は風呂を隅から隅まで眺めている


「おお、薪より早いんじゃないか?」


「もう湯気が出て来てますね」


「ところで叔父上、この風呂、壁、屋根が何日で完成したと?」


「言っただろ、あっという間だった」


手は湯船に入れたままベネディクト神父が答える


「石っぽい素材からレンガっぽい素材まで使い分けて、あっという間とは凄いな」


「湯加減はもういいと思うんだが、止め方は?」


「セバス、さっきのを戻して」


「はい旦那様」


「これは誰でも使えそうですね」


「宮廷魔道具研究所製ですからね、まだほとんど出回ってないですよ」


「流石、オルレイン公爵の力というわけだな」


「揶揄わないでくださいよ、それより砦に居る土魔法使いに会ってもいいですか?」


「何か思いつきましたか?私が口挟む話でもないでしょう」


「セバス、一っ走り明日の昼から土魔法使いに会いたい旨伝えてきておくれ」


「はい、かしこまりました」




 ーーー砦ーーー


「アレン兄ィ、馬で馬車の人来たよ」


「馬に乗って馬車に乗る???」


困惑するジャン


「ああセバスさんね、今行く」


「アレンさんお久しぶりです、留守の時には良くお邪魔してましたが」


「ほんと久しぶりですね、お元気そうで何よりです」


「オルレイン公爵が明日の昼から、こちらの土魔法使いの方に

お会いしたいとの事です」


「エリアスですね、伝えておきますよ」


「それでは失礼致します」


あっという間に帰って行った、何だろう?


「なんだ馬一頭か、、」と後ろでジャンさんが呟いている




  










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