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棒術

今日もいい天気だ


今日の屋台当番はサロモ、ロゼ、ピーター、俺


マリーとパトリックは準備まで居たが、ポロを連れて砦に戻った


まだ、人もまばらな広場には散歩で来ている年配者や大道芸人が準備をしてる


隣の革製品も開店準備中、反対の隣はロゼいわく「ボウのおじさん」が今来た


「おはようございます」


「ああ、おはよう」


ボウのおじさんは愛想があんまりよくない


「ロゼ、今日もクッキーいっぱい売れるといいね」


「うん、いっぱい作ったからいっぱい売れるよ」


砂糖とバターと卵を使ったクッキーは冒険者たちにも評判がいい


干し肉の代わりに持ち歩く、非常食兼おやつだ


ボウのおじさんの屋台は定期的に客が来る


上流階級の屋敷で雇われている使用人みたいな人や商人のような人など様々だ


「その棒って何に使うものなんですか?」


「これか?棒術だよ、知らんか?」


「門番や騎士団が持ってる槍はよく見ますけどね」


「あれは棒術の先にあるものだ」


「これをな、鍛冶屋にもっていくと槍になる」


槍は槍で売ってたような、、、


「俺の村はな、傭兵の村と呼ばれる村で子供たちが最初に教わるのが


棒術なんだよ、剣と違って女子供も槍を持てば戦力になる」


なるほど、棒で慣れてから槍を習うって事か


「見せてもらっていいですか?」


「いいよ、これがクルミだ」


持ってみると硬そうでスカスカした感じが一切ない、スラムで振ってた棒


とはえらい差だ、砦の周りにもクルミはあるが食べる為に切った事は無い


「これだけだと護身用に丁度いいんだよ」


なるほど、剣より軽く長い、女子供向きって事か


「うちは23人のうち、子供も多いんですが教えてくれる人なんて居ませんか?」


「習いたいのか?」


「はい、指導できる人が居るなら帰って相談しようかと」


「何とかなるとは思うがな、聞いておいてやるよ」


「はい、こっちもやる気あるものが居ればですけど」


隣でやり取りを見ていたロゼ


「あたし、教わりたい」


「ハハ、お嬢ちゃんは習いたいか?」


店も忙しくなったので会釈をして戻る


「いらっしゃいませ」


「今日は何の肉だ?」


「ボアの燻製に卵とトウモロコシです」


「人数分頼むよ、あとクッキーも二つ」


「5枚入ったよ」「はいよ」


ロゼは先にクッキーを渡して喜んでいる


広場の真ん中に時計台が出来た、この日も順調に肉パンは完売


4時までクッキーだけを売り、4時に帰る、それが毎日だ


時計を砦にも欲しくて注文しているがまだ出来ないみたいだ


4時になったので店を閉め、体に合う4人分の棒を買って砦に戻った


ロゼは細めで短い棒を片手にご機嫌だ



 ーーー砦前ーーー


エドとその上官、ポロが木柵の上に居る


「おかえりー!」


ポロの姿が見えなくなるとかんぬきの落ちる音が聞こえる


「ただいまポロ、変わった事は無かったか?」


「無かったみたいだな」


焼き肉コーナーではアル兄ィパーティーの面々と狩りチームが集まってた


「おかえりーー!」


「もうエール呑んでんですか?」


「狩りは帰ってエール呑むまで狩りだからな」「そうそう」


「棒買ってきたのか?」


「はい、隣のボウおじさんから買ってきました、鍛錬してから風呂入ってきますね」


ジャスパーさんに棒を渡して、走り込みと素振りをして風呂に入る


「ああああああ、風呂はいいなああ」


「間違いないね」


ピーターたちも風呂が気に入っている、冷たい井戸水を浴びる生活には


戻れないだろう


風呂を出て、水を飲みに食堂に入ると子供たちはクッキーを焼いている


「お前ら最近クッキー焼くの上手くなったんじゃないか?」


「うん、お小遣いの為」「ねーー」


なんて返事が返ってくる


「棒術習いたい人は居るかな?」


「ぼうじゅつ?」


「なに?棒術って」


マリーが振り返ったので隣に屋台のおじさんとの今日の話のいきさつを話す


「いいんじゃない?あたしも習いたいわ、最近生意気な二番隊をギャフンと言わせてやる!!」


何があったのは知らないがマリーはやる気満々の様だ、チョット怖い



周囲も薄暗くなり、魔道具の明かりが灯り始めた頃、焼き肉パーティーの始まりだ


普段は煙いから寄ってこないポロがパトリックの肩に顎を乗せている


「なんだ、お前もトウモロコシ食べたいのか?」


トウモロコシを焼きながらパトリックがポロに話掛ける


「さっさと食わせろ!」って顔のポロ


農村出身者たちと子供たちはヤギの話、クッキーにミルクを入れたいらしい


年長組は棒術で剣に勝つのは可能か?なんて話題だ


思ったより棒術の先生を呼ぶ話は反応がいいので、年長者は誰が屋台当番でも話が通じる様にしておいた


「どんな達人が来るのかな?、貴族の使用人に教えてるような人とかも


居るんだろ?」


「時間はどうするかだよな、朝からの方がいいか?」


「ポロ連れて帰る二人が戻ってきたくらいがいいんじゃないか?」


「それなら屋台の前で待ち合わせて、砦に戻る人と一緒に来てもらえばいいんじゃないの?」


「それがいい」


棒術の話はまとまった、ヤギの話はいつの間にか鶏の話になっている


年長組はゴブリン階層なら、棒の方が強いんじゃないか?って話が始まった


明日の屋台担当はレオンだが、アル兄ィパーティーと一番隊で


朝のうちに棒を買ってみんなでゴブリン、ボコりに行こう!なんて話になった


みんな楽しそうだ


「左右両方使うように、この辺持ったら小さいゴブリンにはいいかもな」


真ん中付近を両手で持って左と右、交互に突きの動作をするアル兄ィ


「アル兄ィ達、エールの飲み過ぎで朝起きれるの?棒は俺たちで買ってこようか?」


「いや起きれるよ、一緒に行く」



 ーーー翌朝ーーー


仕込みも終わり、朝食も食べ、屋台街に行く時間になって


アル兄ィ達が降りてきた、三階はアル兄ィ達の部屋の様になっている


エールで酒臭い夜のアル兄ィ達は年少組に不評だからだ


「ほら起きれただろう?」


「顔洗ってきて、これ食べなね、走れば追いつくでしょ」


「おっおう」


一足先に砦を出る


「キー兄ィに棒と喧嘩教わったのって俺らの時代までだよな」


レオンが懐かしそうに話しだす


「そうだな、アル兄ィとか厳しく仕込まれてたよな、俺たちは甘やかされてたけど」


「これでゴブリンねえ」


「ちょっとサンナ、そんな近くで振り回さないでくれる?」


「おお、悪い悪い、剣より取り回しはいいようだな」


広場に着いた、開店準備をする、「ボウおじさん」はまだ来ていない


「まだ来てないのか?こっちが棒屋さんだよな?」


アル兄ィ達が来た、因みに昨日から4人だ、幽霊メンバーはたまにしか居ない


「そろそろ来るんじゃないかな?アッ来たみたいだ」


「おはよう、昨日の話だけど人は見つかったよ」


「本当ですか?ぜひお願いします、ここで朝待ち合わせて案内するって事でいいですか?」


「ああそれでいいよ、じゃあ明日からな」


「それから棒欲しいんですけど」


「ああ、しっくりくるの選んだらいいよ」


それぞれ棒を買うと店を後に、ポロを連れて帰る


「ちょうど4人、4人だなボブリン何体倒すか競争するか?」


「俺たちまだEランクですよ、Cランクに勝てるわけないでしょ?」


砦に戻ると二番隊二人が出迎える、ポロを任せて出発


ダンジョン受付を済ませ第二階層へ


隣同士の横穴に入る、先に小ボスを倒して出てきた方の勝ちだ


「なるほど、すばしっこいゴブリンには棒の方が合わせやすいな」


「ああ」


頭を突きや殴打でなぎ倒す、あっという間に消えて魔石だけに


前二人にゴブリンは任せ、後ろ二人は魔石を拾う、たまに交代しながら突き進む


「思った以上に棒は強いな、ゴブリンが弱いのか?」


「多分両方じゃないかな?」


エリアスも快調だ


一番奥まで来た、小ボスが吠えている


一人が注意を引いてる内に二人背後に回る、死角に居るものが攻撃を入れるのはいつも通り


こん棒を持つ右手と足を集中して狙う、膝を着いた瞬間に


「いただきー!」


真後ろだったパトリックが長く持ち直した棒で頭を力一杯殴る


小ボスゴブリンが消えた、ちょっと大きい最後の魔石を拾い通路に戻る


「よっ!早かったな」


アル兄ィ達はもう待っていた


「俺らが出てきたのも少し前だぞ、お前ら強くなったな」


「うんうん、アルが何時もより張り切ってたからな、それで大して差は無かったからランクアップも近いんじゃないか?」


「棒も使えるな、誰か折れた奴いる?」


「いや誰も折れてないよ、槍ならもっと早いかもな」


その後、もう一本終わらせて「ウサギが食いたい」というサンナの一声で


角うさぎを狩って砦に戻った


夕方に時間を変えた鍛錬にアル兄ィのパーティーも参加した


棒術の鍛錬が楽しみだ











お読みいただき有難うございます

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