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狩りデビュー

今は昼食後、砦の中の畑を広げようとみんなで作業している


細くて真っすぐ伸びた木を、結構な数切り出してきた


畑だけ仕切るのに土魔法じゃ味気ないし、日影が出来る、という話になって斧で倒してきた


何故、畑とそうでないところに柵が必要かというと


雑草対策をポロに頑張ってもらう為だ


ポロものびのび出来て、雑草も綺麗さっぱりという名案のはずだった


完成した畑と柵、砦がまた一つ充実した、みんな満足顔



 ---翌朝ーーー


コケッコッコー

    コケッコッコー

     コケッコッコー


鍛錬の時間だ!一番隊5名、二番隊3名の朝は早い 


柔軟を始めるとポロも参加してる


「おっ、ポロも二番隊に入るか?ハハハ」


サンナがそう言うと、ポロは一瞬ムッとした、いやな予感は当たるもの


「俺たちにも後輩が出来たんだな」「ポロ、頑張ってくれたまえ」


なんて二番隊が笑ってる、他のメンバーは黙々と柔軟して


回廊階段走り込みが始まった


何時も先頭のサンナの後ろにポロが続く、最初は笑ってたサンナが


「負けちゃいられないね」


というと今まで見た事が無いスピードで走り始める


「サンナあ、早すぎるってもう」


という割に遅れてないエリアス、必死についていこうと喋る余裕がない


約三名の残りのメンバー


二人のペースに最近ついていけるようになった、と思ってたのはおごりだった


手加減されていたらしい、いやペース配分か?


ポロを振り切れず鬼の形相で逃げるサンナ、引っ張られるようにペースが上がる4人


二番隊は周回遅れ、歩幅が違うから仕方ない、口から心臓が飛び出しそうだ、脚が上がらない、、、駄目だ、、苦しい


怒涛のスパートから三週目


意外な事に一番先に足が止まったのはサンナだった


「ポロ、お前凄いな!」


歯を見せて笑うポロだった


素振りが始まる、ポロを目で追う、自分の水飲み場でのどを潤し、ゆっくりと回廊に上がる、一周周囲を観察してたかと思うと、こちらを見下ろす、風になびいた、たてがみが王者の風格そのものだった



 ---食堂ーーー


「ごちそうさまでした」 x22


「クリス、エド、サロモの二番隊は留守番が多くて退屈だろう?」


「今日は角うさぎ狩りに連れてってやるぞ!」


三人大喜び、ボウガンの練習もして来た、パトリック、サンナ、エリアスが引率だ


一人一丁ボウガンと真剣を持って、一番隊と同じ外套を羽織れば立派な冒険者に見ないことも無い、多分


「レオンと俺は留守番頑張ろうぜ、何するかは決めてないが何する?」


「薪割りと炭か?だいぶ減ったよな」「じゃあそうしよう」


「二番隊の狩りデビューだ、頑張って来いよ」


「大丈夫、二番隊に任せて!」


居残り組みんなに送られて出て行った、ケガだけしないで帰って来ればいいさ


年少組は最近生まれたヒヨコを見てるのが好きみたいだ


ポロは昨日から回廊に居ることが多い、人が来ると扉側に来て角笛のような声で鳴く


「そういや最近アル兄ィ達来てないんじゃないか?」


「クエスト回してるのかもな、俺らはクエストさぼり過ぎじゃないか?」


「明日当たりギルド行ってみる?レオンも行きたいだろ?」


なんていいながら炭窯に切った薪を入れていると誰か来たみたいだ


ポロが反応してる


「誰だろうな」


「アル兄ィ達なら遅すぎるしな」


「狩り終わって帰って来た?さっき行ったばっかりでそれは無いか」


「馬の足音と馬車の音がするな」


「ああ、セバスさんじゃないか、出てみるか」


窯に入るのに下ろしてた剣を腰に戻し表に出る、ギルドの馬車だな


御車は裏方のおじさん、4人降りてくる


「ギルマス、どうしたんですか?」


木柵の上から見下ろしてるポロが気になる様だ


「あの生意気なチビ達、悪い魔女にロバにされたのか?可哀相に」


「何言ってんですか?三人は狩りに出てますよ!」


「おうそうか、まあここじゃなんだし入らせてもらうぞ」


「どうぞどうぞ」


 ---食堂ーーー


レオンと俺、ギルマスと三人の子供、既視感がある

マリーは全員に豆茶を出すと年少連れて二階に上がった


「で、どうしたんですか?」


「この三人なんだがな、冒険者登録したいと来たんだが、どう見ても子供だろ?15歳になってから出直せと言ったんだがな」


「お前ら何処から来たんだ?兄弟ではないみたいだけど、家はあるんだろ?」


「はい、ここから歩きで三日ぐらいの村に家族は居ます、二週間前の豪雨で村の畑は水に浸かり、家の半分は流されました、何とか流された家の分の掘っ立て小屋を作ってみたものの、、、」


「食べるものが無いから村から出された?」


三人は下を向き泣き出した、ギルマスもため息をついている


「ここで暮らす?食べものの心配が要らなくなる程度の生活だけど」


「いいんですか?」


「ところで何才?」


「全員9才です」


「冒険者になるにしても後3年か」


「これで一件落着だなハハハ」


「ギルマス、うちらに丸投げにしてるだけじゃないですか?」


「見送りはいいぞ、勝手に帰るからな、という事でよろしく」


ギルマスにも困ったもんだな


「マリー、三人分食い物貰うぞ」


レオンが二階につまみ食いじゃないぞと申告してパンでも出そうと思ったらマリーが降りてきた


「なんか作ろうか?あんまり食ってないだろ?」


「はい、あんまり」


まだ熱の残ってる窯の中にチーズを乗せたパンを入れる、ベーコンと卵を焼いて三人分出来上がりだ


「三人は9才だって、マリーも9才だったっけ?」


「9才のような気もするし10才のような気もする」


「今日から三人仲間入りだ、よろしく頼むよ」


「レオンだ」「マリーだ」「一応リーダーの俺がアレン」


「コリンです」「ジョナサンです」「ピーターです」


「食べ終わったら砦の説明と案内するよ、俺たちは炭焼きするから」


「はい、有難うございます」 x3


食べ始めたのを見届けてから、レオンと俺は炭焼きに戻った


「なあアレン、街より村の方が食べものありそうな気もするがな、村の農民てそんなに大変なのかな?」


「どうなんだろう?金の為には野菜売らないとならないし、売ったら自分たち食う分も大変だし、猟師よりは厳しそうな気はするな」


「街が近くて自分達で売ってるなら良いかもしれんが、行商人任せだと大変だろうな」


食堂を見るとポロが窓から覗いてる


「窯はこんなもんかな?」「うん」


火を入れ燃え具合を見ていると三人が来た、ここの砦の経緯や狩りに出てる者、ダンジョンが近い話等々


「朝は鍛錬の時間なんだけど参加する?」


「はい」x3


「お風呂沸かしておくか、そのあとは薪割りだ」


 ---山中、狩り組ーーー


「思ってたよりも二番隊は上出来だったな」


「ほんとですか!サンナ姉ェ、嬉しいっす!」 x3


「ああ、すばしっこい角うさぎ、相手にあれだけ動ければ十分だろ」


年長組も褒める、褒めて伸ばす作戦だ


「近くに渓流があるからウサギの処理だけして帰るとするか」


「この水は飲めるんですか?」


「ああ大丈夫だな、ここでウサギの内臓を捨てる、痛みを遅くするためだ」


「ここからこのぐらいの長さ切って内臓を出す、そして紐に縛って水に浸ける、やってみて」


サンナ指導の下、二番隊はウサギの処理を教わった


「今日は一人前になれたような気がして嬉しいです」


「前から一人前だぞ、じゃなきゃ留守番任せれないだろ」


パトリックの言葉でウルウルする二番隊


「肉も十分冷えただろうし、そろそろ帰るか、狩りは美味しく食べるまで狩りだからな」


「了解であります」


 ---砦前ーーー


「ポロが柵の上に居るな、ポロ、かんぬき外して入れてくれるか?」


「ポロが消えたけどまさかな」


エリアスが鐘を叩く棒を持った時、かんぬきが落ちる音が聞こえる


「ポロが誰か呼んできたのかな?」


「ポロ、お前が開けてくれたのかありがとう」


周りには誰も居ない、本当にポロが開けたようだ


「ん?その三人は?」「ああギルマスが連れてきた」


これでだけで全員理解したようだ


「今日はウサギが大猟だよ」「凄い数だな」


「余ったら窯で水分飛ばして鶏のエサにいいんじゃないかと思ってね」


「なるほど、いいかもしれないな」


ウサギ肉を食べる焼き肉パーティーで今日は終わった



お読みいただき有難うございます

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