焼き肉パーティー
今は朝、地獄の走り込みも終わり木剣で素振りをしていた
カンカンカン 呼び鈴が鳴る
「おはよう、アル兄ィ達来たね」
「おっす!」「おはー!」x3「初めまして」
この人が幻のパーティーメンバーかな?一人見た事ない人が居る
「これ、あずけていくわ、どこに置けばいい?」
「エールと何ですか?、年少が間違って飲んでもアレなんで詰め所に入れますか」
「こっちは腸詰だ、美味いぞ」
各々挨拶が終わって、うちのメンバーもダンジョン行きたさそうだ
「いいよ、4人でダンジョン行っても買い出しは俺とマリーで行くから」
「じゃあ支度してくる!、朝飯は歩きながら食うかな」
「アル兄ィ達と一緒に行っても階層二つ違うよね?」
「早めに切り上げてみんなで狩り行くからな、腹が減ったら階段に出てよう」
前に来た時、合同で狩りに行く話で山育ち達が意気投合した結果だ
俺が買いだし当番なのは、昨日決まってたので諦めよう
---食堂ーーー
「いただきます」
最近赤くなった砦産のトマトとベーコンの乗ったパンだ、フライパンで焼いてた時みたいに薄いが窯焼きだから凄く美味い
「マリー買い出し誰か連れてく?」
「ロゼは行くと思うけど?」
「行く」
「今日は荷物多いから、お前たちは留守番だからな」
「いいよ」「おもちゃで遊ぶから」
「二番隊は年長誰も居ないけど、しっかりやれるな?」
「了解であります!」「任せて」「大丈夫」
「誰か来ても上から確認するんだぞ、昼前には帰るから」
洗い物も終わって出発だ
ポロは出かけるのが好きなみたいだな、ロゼが荷車に乗ったところまで機嫌がよかったけど、マリーが乗ったら「お前乗るのかよ、歩けよ!」って顔をする、気のせいではない、マリーが背中に乗ろうとした時、振り落として以来こんな感じ
今日は食材と木の板を買ってハンスさんのところでポロの爪の手入れをして貰う予定、道中色々話したい
「料理の手伝いエリアスもしてくれるから楽でしょ?」
「ああ、魔法使わなくても器用だからな、小麦粉に入れる水加減はいっつも完璧だ」
「サンナの骨スープも美味いしな、知ってる?骨スープ水で薄めて野菜に掛けると大きくなるんだよ」
「それは知らなかったな」
「あれ?早かったか?あんまり開いてる屋台が無いな」
「先に板取って、ポロの爪だな」
「うん」
製材所にやって来た、丸太を運んできた馬車が結構いる
「あのう、板頼んでたアレンですけど」
「あーはいはい、そこに置いてるのがそうだよ、ロバで来たんだね」
「はい代金です、積んじゃいますね」
次は馬車屋のハンスさんの所に向かう
「ところで壁の外、工事してるでしょ?あそこで屋台出すとしたら何屋がいいと思う?」
「食べもの屋さんとか、そういう話?」
「そうそう、人通りも増えてるから何年か先にはね、砦から通いながら仕事するのに丁度いいと思うんだ」
「ロゼはもし屋台やるなら何屋がやりたい?」
「うーん、クッキーかな、屋台やるの?」
「まだまだ先の話だよ、着いたよ」
ーーーハンス馬車工房ーーー
「こんにちは」
「いらっしゃい」
「ロバの爪見て欲しいんですが」
「ああこの子、兄さんの所に行ったんだねハハハ」
ポロが撫でられて嬉しそうだ
「私は隠居した先代だ、爪は私が見てやるよ、こっち来なさい」
「荷車邪魔なら外しますが?」
「いやいいよ、大丈夫」
「兄さんロバは気に入ったかい?結構ワガママだろ?」
「そうでもないですよ、時々顔に出るけど可愛いもんです」
「そうかそうか、私は馬よりロバが好きなんだよ、息子は馬の方が好きでね、馬車の方が儲かるから」
「分かります、馬の事情は良く分かりませんが」
そんな話をしながらあっという間に爪の手入れが進んでいく
変わった形の刃物で削ったりヤスリを掛けたり
「さ、終わったよ」
「あのう、お代はいくらですか?」
「いいよいいよ、この子の元気な顔も見れたしな、名前は何て付けたんだい?」
ポロの頭を撫でている、ほんとにロバ好きなんだな
「ポロです、今日は、ありがとうございます」
「いいよいいよ、ポロまたな」
「あのおじいさんはロバが好きなんだね」
「うん、ロバ屋始めたのは、あのおじいさんだって話だし」
この後、小麦粉とか食材買って砦に戻った
ーーー砦ーーー
カンカンカン
「おかえり!今開ける!」
「ただいま」
荷物を降ろして、荷車を外す
「二番隊集合!」
「目の前に三人いるでしょ!」「居るでしょ!」
「一応ね、風呂に水入れるよ、一人は溢れないか見張り、後は三人交代でポンプ、分かった?」
「了解であります!」 x3
蓋を開けると前回の水は半分以上残ってる、匂いもないし足すだけでいいだろう、木の板の使い道の一つはこの蓋だ
「いっぱいになったよ」
クリスが報告に来たので見に行くと溢れてた、まあいいや
ーーーダンジョン第二階層ーーー
「さっきのデカいのがゴブリンキング?」
「上位種は色々居るみたいだからな、分からん」
「この魔石拾いが地味にめんどくさいな」
「スケルトンよりこっちの方がいいんじゃないか?こん棒と石斧の方が剣が痛まないし」
「今のところ、アーマー来てるのも居ないしな、長い目で見るとこっちの方がいいかも、少し素早いだけで敵じゃないよな」
横穴一本制覇して、魔石拾いながら戻ってる所だった
「まだ昼じゃないよな、半分ぐらいまで、もう一本行っとく?」
「賛成!」「それでいいよ」「この後、狩りだしな」
ーーーダンジョン第四階層ーーー
「もう半分ぐらい来たか?」
「オークはデカいだけで、のろまだから助かるよ」
「ボス見えたら引き返すか?相手してたら時間掛かる」
「いいんじゃないか?最近Cランクになって、この階層来てからホクホクだからな、無理する必要はない」
「そうそう、この後狩りも行かなきゃならんし」
「おい来たぞ!ストーンスピア!」
魔法使いターナーが石槍で足を攻撃するとオークはなす術なく斬られるのを待つだけだった
最近はストーンスピアで足止めてから攻撃するパターンで攻略してる
「少しペース上げるか?やっぱり残して帰るの気分悪い」
そう言うと足早やに奥に向かう
---砦ーーー
トントントン
「こんなもんだろ?」
「なんか曲がってない?」「うーん、微妙だな」「分かんない」
風呂の蓋を木の板で作ってるが二番隊の目が厳しい
「扉は器用なパトリックに任せることにするわ」
「次は何作るの?」
「鶏の産卵箱だよ」
「もうあるのに増やすの?」
「あれは卵食べる用の箱、こっちはヒヨコ孵す箱だ、もう少し増やすことにした」
長い箱を作ってから一羽づつ入るよう仕切りを入れる、出来た
今度は文句あるまい!
ーーー昼食ーーー
「夜肉だから軽めにしたよ」
「チーズの乗ったパンと野菜サラダにいつものスープだ」
「肉が見当たらないぞ!」「うんうん」
「あのなあ、今日の夜は焼肉だよ、文句言わない」
二番隊は不服なようだ、すっかり贅沢になっちゃったな
「ダンジョン組の方の狩りはどうなんだろ、あのメンツで手ぶらという話にはならないと思うが」
「大丈夫じゃない?何を狩ってくるやら」
「ごちそうさまでした」
いつ帰ってきてもいいように、風呂は沸かしておく、意外と冷えないんだよな、土魔法の風呂
炭焼き窯に入れる細目の木を二番隊と切ってるとダンジョン組が帰ってきた
あれは何だろう?それぞれ切り分けて、担いできたから、元が何か分からない
全員ご機嫌だ、ボアではないな?
「これ見てみろ!鹿は美味いぞ」とアル兄ィ達
重すぎたのか足は切られ4人で4本、頭はない、残りの体を2本の棒に縛り5人で担いできたらしい
どう見ても食い切れる量じゃないな
「みんな今日泊まって明日の朝から燻製肉作ることになった」
「なるほど,、それなら余らないな、売りに行くのかと思ったよ」
ここから凄いのが解体だ、食堂の大皿と桶を持って木柵の外に出ていくと
捨てる部分は穴に埋め、部位ごとに切っていくアル兄ィ以外、山育ちのパーティーメンバー、そこへサンナとエリアスが加わり、動物から食材へあっという間に形を変える
皮、肉、骨付き肉、内臓肉と大きく切り分けられると今度は厨房で食べやすい大きさに切られる
パトリックが失敗した原因の皮なめしの前処理、裏の脂をそぎ落とす作業が始まる、脂が無くなっても、しばらく短刀で擦ると、よく見る革製品の裏のボソボソした皮になる
後は塩を手ですり込み前処理が終わった
鹿の皮は高値で売れるからこの状態で売っちゃうらしい
食堂で肉を薄く切り分けてるのはマリー、サンナ、エリアス、ターナーさん達
猟師経験が無くてここに入り込めるのはマリーだけ
「相変わらず見事な包丁さばきだ」
と、横に居る街育ちのアル兄ィはする事が無いとばかりにエールを吞んでいる
「アル兄ィもみんなと風呂入ったら?石鹸もあるからさっぱりするよ」
「ああ忘れてた!風呂作ったって言ってたよな、俺も入って来るからコレやる」
エールは苦いのであんまり好きじゃない、それより俺だけ遊んでるみたいでいやだな
焼き台の火おこしは二番隊に先を越された、年少の何人かは椅子に座り肉が来るのを待っている
ポロが年少の相手をしているのでまだ細いニンジンを畑から引っこ抜いてポロと子供たちに混ざる事にした
薄暗くなり公爵から貰った魔道具が光り始まると焼き肉パーティーの始まりだ
みんなそれぞれ食べて飲んで騒いでる、鹿の肉も美味いがアル兄ィの持ってきた腸詰めが絶品だ、ピリッと辛くてやみつきになる美味さ
昼の事を思い出す
笑ってるアル兄ィ見れただけでも満足なはずなのに
一番贅沢になったのは俺の方だな




