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お風呂

 ---食堂ーーー


「たまにはお風呂に入りたくならない?」


食後の豆茶を飲みながら、喋ってる時に言い出したのはエリアスだった

俺はじめ、スラム出身者で、お風呂に入った事があるものは一人も居ない


「村ではお風呂あったのか?」


マリーが食い気味だ


「あたしらの村は大きな山脈の中腹だからね、ここより寒いから冷えた体はお風呂に浸かるのが一番だから」


「火に当たるよりいいのか?」


「全然違うね、風呂入ったら寝る時も温かいまま寝れるけど、入らないと体が冷えたままだ」


ここでは二通りの水浴びがある、俺みたいに井戸水そのままか、桶に汲んでおいて日でぬるくしてから浴びるかだ


割合で言えば汲み置きして、ぬるくなるの待つ派、が多いし汲み置きは、二番隊の仕事になってる


「お風呂入って見たくなってきたな」「うん」


パトリックとレオンも乗って来た

ああこれはお風呂作る流れだ、エリアスが居るからな


「エリアスお願いできる?」


「勿論、自分が入りたいから言いだしたんだし」


という事で表に出てきたが木柵の外が低い所に作りたいらしい、井戸を掘るのは土魔法じゃ無理っぽいから場所は限られると思うんだが?


回廊の上を一周下を覗きながら歩いてる


「この辺がいいですね、井戸からここまで鶏小屋もないし」


下に降りてくると回廊の下に線を引いているが長細い四角だ


「これぐらいの湯舟でどうでしょう、あんまり大きいと沸かすのも大変だけど人数も多いし」


「長細いんだな」


「はい、湯舟は一つで仕切りだけで男女分けてるのがいいかなと」


「いいんじゃないか?」


木柵にストーンニードルで穴を開け始めたぞ、すぐ粉々になるが凄い連射速度だ


「ストーンウォール!」「クレイニードル!」


なにやら筒が出来てきた、水を捨てる穴だな、そして細い粘土も連射と、これは前に見たヤツだな


「ところで筒も窯もウォールなんだね」


「はい、大体の物はウォールの派生型みたいなものなんで」


この後はもう黙って任せてた、床が石で出来てその上にクレイの湯舟、クレイの湯舟が出来たら外壁、外壁は股下ぐらいの高さまで、井戸まで行くと石の支柱が次々立てられていく


「ああ、なるほど」見物人はみんな分かった様だ


「クレイウォール!」


井戸から水取る筒が次々出来ていく、湯舟の上まで来た、外壁を股下の高さにしたのは筒を通す為だった


「クレイウォール!ハイ完成です」


手に何か持っている、倉庫に行ったかと思うと何かを巻きがら戻って来た


「これで栓したら水入れましょう」


エリアスは何で冒険者やってるんだろう?これだけで稼げそうだ


後ろに回ると薪を燃やす所がある、床とは穴の開いた粘土状の層で熱が伝わりにくい作りだ、早速沸かす


「流石に時間掛かるな、まあ一度いっぱいになったら桶でお湯汲んで、体を綺麗に洗ってから、入ればそんなにお湯は汚れない」


ほう、なるほど


「これだけのもの作る時間より、水入れる方が時間掛かるとか凄いよな」


「確かに」


 ---食堂ーーー


「まだぬるかったな」


時間が掛かるので食堂でマリーのクッキー食いながらお茶を飲んでいた


「マリー姉さんのクッキー美味しいね」


「うん、美味い美味い」と全員


「庶民じゃ高級品の砂糖も使えるしな、ダンジョンに感謝だな」



「そろそろ入れそうですよ!」


みんな一斉に立ち上がるが22人はさすがに入れない、年少だけにならないように組み分けして順番に入った、先に入った組は満足そうに戻って来た


3組に分かれたのでお湯が残ってるか心配だったがそんなに減ってない

言われた通り、年少と自分の体を桶で汲んだお湯で洗ってから湯船に浸かるとそこは天国だった


全身の力が抜けていく、屋根は無いから顔は涼しいが体は温まる

冷たい井戸水の水浴びとか二度と戻れないだろう


最後は、粘土で出来た板で風呂に蓋して出る、木の板で作った方がいいが板が無い、年少が目を離した時に落ちても危ない、そんな理由で今は重たい蓋だ


食堂には、誰も居なかった、二階から声がする

上がってみると丸い敷物の上でゴロゴロしていた、セバスさんが前に来た時、「板床じゃ座ってても痛いでしょう」と持ってきたもので、公爵邸の倉庫に眠ってた商人から献上品、遊牧民が使うものだったが、屋敷には合わなかったらしい


「どうだったアレン、風呂もいいもんだろ?さっぱりしたところでダンジョンいかないか?」


風呂でさっぱりしたからダンジョンって言うのが良く分からないが、昨日打ちあがった剣を、サンナは使いたいだけの様だ


一番隊、全員納得してる顔してる、ダンジョン皆行きたかったのか?


「昼食べてから行くか?皆行きたいんだろ?」


「こんな軽いダンジョンデビューでいいんだろうか?」「いいだろ?」


少し寝るか、温まると眠くなるな、、、



「アレン兄ィ、起きて!」


どうやら熟睡してたらしい、エドに起こされた、2階には二人だけだ


食堂に降りると昼飯が配られてる段階だった


木のボールには、うちの定番となった骨スープ、小麦粉を練って丸くしたもの、卵にベーコンも入ってる、なにやら葉っぱも


「頂きます」  x22


皆、口々に「美味い」「おいしい」いいながら食べている

最初の頃言ってた通り骨のスープは体にいいみたいだ、疲れなくなった


「これ飲むようになってから鍛錬、楽になったよな」


「じゃあもっとキツくしようかレオン?はっはっは」


背負い袋に干し肉と水を入れ、公爵から貰った暗いと光る魔道具に一つだけあった携帯用も持っていく、ダンジョン内は薄明るいらしいが用心だ


「ダンジョンは何があるか分からないから水と食い物は忘れるなってアル兄ィたちも言ってたな」


砦を出発して沢を登っていく


「もう戻って来る連中も結構いるんだな」「ああ、一体も残ってなかったりして」


「それじゃあ食後の散歩だな」


入口には天幕とそこにテーブル4人ぐらいで入る冒険者の確認をしている


「こんな時間から潜るのかい?タグ見せて」


「はい、家が近所なので散歩がてら来てみました」


「Eランクね、地下二階までしか許可できないからね、それより下で魔物倒しても、魔石は鑑定すれば分かるから罰金だ、入っていいよ」


「はい、有難うございます」



「ダンジョン発見した時、スケルトン倒したところまで来たね」


「あそこの扉はあの時は締まってたよな」「うん、今は開いてるね」


「アル兄ィ達の事前情報ではここから一番奥まで行けば下層に降りる階段」


「この左右にある横穴がスケルトンの穴でしょ?」


「先に入ってる連中の声が結構奥から聞こえるね」


「奥まで行って階段とやら、確認してみない?それから一番奥の横穴に入れば、先越されてる事、ないんじゃないかな?」


「うんそれがいいね、皆もいいかい?」「異議なし」


それから全員、一番奥まで一気に走った、多少のデコボコはあるけど気にするほどじゃない


「なんだこれ!」「おお!吸い込まれそうだ」


巨大な縦穴の壁を回りながら降りるような階段になってる、穴の底は何処まで続いてるのか分からない


「一階と二階と言っても普通の家みたいな間隔じゃなくて六階分以上違うね」


「調査に時間掛かるのも頷けるわ」


「さ、戻ってスケルトンだ」「了解」


「エリアス、あんた魔法禁止だからね、いやなら一人で一本入りなさい!」


「わかってるよ、ここでは剣しか使いません」


「横穴入った途端に出てくるね、階段までの一本道には何も出ないのに」


ボロボロの剣を持ったスケルトンは一振りで消えていく、あまりにも手ごたえがない、魔石拾いの方が忙しいぐらいだ、俺たちが強くなったのか、スケルトンが元々雑魚なのか?うーん


「まだ先は遠いのかな?一番奥まで駆け足で倒して魔石は帰りに拾った方がいいんじゃないか?」


「ああそれでいいと思う、一番奥だけは今日見ておきたいよね」


「賛成」


ほぼ走りながら一振りで倒す、全員で並べるほど広くは無いから後ろに回す分のスケルトンは避けながら走る


前が止まった


「どうやらここが終点で一応ボスみたいなのがアイツか?」


フルメタルアーマーを着た1.5倍ぐらい大きいのが居る


「あたしとエリアスで奴の後ろに回り込むわ、背中向けたらやっちゃっていいよ」


この二人の速度なら問題ないだろう


「いつでもいいぞ!」


「エリアスの方にボスが向きかけた瞬間、サンナが足に攻撃を入れる、足はまだ折れてない」


俺達三人は正面から詰める、どっちに対応するか囲まれてるボスはぎこちない動きをしているが体はまだこっち向きだ


「ウウォー!」


完全に視界外のエリアスがスケルトンが片手で剣持つ腕を叩き切った

今度は俺たちがスケルトンの視界外、残りの腕、膝を割る


うつぶせに倒れたところに背骨と頭を突き刺すと消えて少し大きい魔石が残った


「これで、横穴の一本が終わりか?なんか箱みたいなの有るな」


「知ってるか?ダンジョンには箱型の魔物が居て冒険者、飲み込むらしいぜ」


「またまたあ、開けるぞ!」


箱を開けた瞬間それが口になってレオンを齧ろうとした、反射的に蹴り飛ばされた箱型魔物は一瞬で消え無色の魔石になった


「いや驚いたな、ほんとにいるとはな、弱くて助かったぜ、色の無い魔石なんてあるんだな」


「ちょっと見せて、これ魔石じゃなくて水晶だぞ、魔石とは分けて持ってた方がいい」


とサンナが言うと5人輪になって眺めてた


「初ダンジョン終了だな、魔石拾いがめんどくさいが拾いながら帰るか」


「砦に帰るまでがダンジョンだろ」「うん、帰ろう」


 ーーーダンジョン入口ーーー


「お、無事帰還おめでとう、稼げたか?」


リストで5人の名前のところに朱色でチェックを入れてる


「ぼちぼちです、それが出ましたよって印ですか?」


「ああ、そうだ、下層に行った上級冒険者は三日戻ってない」


「何階層あるかまだ分かってない未踏破ダンジョンだからな、見つかったばかりのダンジョンなんだから当たり前と言えば当たり前なんだが」


「そうなんですね、じゃあ帰ります」


「きいつけてな」



 ---砦前ーーー


カンカンカン


この前着けた鐘だ、紐の付いた棒で叩いて呼び鈴にしてる


木柵からサロモが顔を出す


「どちら様、、あっおかえり!一番隊のお帰りだ」


クリスとエドがかんぬきを開ける


「ただいま、今日のダンジョンは終了だ」






お読みいただき有難うございます

PVだけでも励みになります

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