オルレイン公爵
今日は誰よりも早く目が覚めた
外に出たらポロと目が合ったのでニンジンを食べさせながらブラシをかけている
「ポロ、ニンジン美味いか?」
こっち向いて鼻先を延ばす
「そうか美味いか」
と会話になってるようなつもりで話しかけてるとサンナが出てきた
「おはよ、早いね、ロバ好きなのか?」
「うん、可愛いね、表情も色々変わるし、声のする方に耳だけ向けて話を聞いてる、多分人間の言葉分かってんじゃないかな?」
「まさか、おっ!みんな出てきたね、さ、鍛錬!鍛錬!」
ーーー地獄入口ーーー
「ハア、ハア、ハア、キツイ、、、」
---地獄出口ーーー
「ハア、今日もしんどかった」
「アレン兄ィ!馬に乗って馬車の人来たよ!」
ん?馬に跨ったまま馬車に乗って来た?器用な人も居るもんだな
表に出てみると引っ越しの時、馬車を出してくれた公爵の使用人のセバスさんが馬に乗って来ていた
「おはようございます、セバスさん」
「おはようございます、アレンさん、今日、昼からオルレイン公爵とギルドマスターのコンラッド殿がダンジョンの件で、こちらへ来たいとの事なんですがよろしいでしょうか?」
「断れるわけないですよね?はい、お待ちしております」
「って言うかこんなところへ?紅茶すらないですよ」
「それはお気遣い無く、すぐ済みますので、では!」
こうしてあっという間に帰って行った
「二番隊整列!午後からオルレイン公爵とギルマスが来るから失礼のないように!返事は?」
「はい!了解であります!」 x3
「不敬罪でギロチン台に上がりたくないだろ?」
「はい!了解であります!」 x3
不安だ、返事だけはいいから尚更不安だ、マリーはさすがに大丈夫だよな、「お前が公爵か?」とか言わないよな、もうお姉さんだし
砦の中は何かと忙しい、野菜、鶏、ポロの落とし物、あっという間に昼になる
---食堂ーーー
「なんとか飯も食い終わって良かったな、もういつ来てもいいぞ」
二番隊は柵の上からこの領地の最高権力者が来るのを見張ってる
年少組は昼寝中だ、マリーも寝てる、来るなら今がベストだ
二番隊が騒がしい、どうやら来たようだ
「一番隊で出迎えますか?」
「そうだろうな、5人で出迎えよう」
護衛は4人、いや6人か?馬車を中に入れると降りてきたのが側近らしき、おじさんと公爵、そして公爵にペコペコしてるのが盗賊団の親玉ことギルマス
ギルマスがみんなを紹介する
「この3名がダンジョン発見者達です」
「アレンです」「レオンです」「パトリックです」
「こっちの双子が最近パーティーメンバーになった者です」
「サンナです」「エリアスです」
「私がリチャード・オルレインだ、座って話せるところならどこでもいいよ」
「では食堂へ、イスとテーブルしかありませんが」
---食堂ーーー
「ここは少し前にベネディクト神父と一緒に来てるんだよ」
「ああそうだったんですか?ゴブリンも野犬も来ましたが安全そのものです、ここの生活は夢のようで、何とお礼を言っていいのか」
「私は何もしていないよ、全部ベネディクト神父のした事だから」
「それでダンジョンなんだけどね、ダンジョン産出物全ての5%、それが君達三人の取り分になる、これは一代限り、相続させることは出来ないし譲渡も出来ない、これが国王からの誓約書だ、いずれ産まれた子供たちが醜い争いしてるの見たくないだろ?過去の反省からそういう事になってる」
「ギルマス、彼らの残高は今いくらになってる?」
「はい、朝の時点で金1200を超えております」
「!!!!!え?!!!」
「国内でこんなに都市から近いダンジョンなんて無いからね、まだまだ増えると思うよ、今こっちに向かってる最中の冒険者も多いはずだ
もう一つは褒美だが、何か欲しいものは無いか?陛下じゃないから領地はやれないけど、なんでもいいぞ」
「一人ずつ言ってみてはどうかな?」
「ありません」x3
「まあそういうだろうと思ってたんで全員分の服、靴、ぐらいは貰ってもらうからな、後でセバスが衣装屋を連れてくるから採寸させてやってくれ」
「例のものを」「はっ」
「これは次いでのおまけだ、暗くなると光り、明るくなると消える魔道具だ、良かったら使ってくれ、6つ入ってる」
「それじゃあ失礼するね、これからも頑張るんだよ」
柵の外まで見送るとオルレイン公爵とギルマスは帰って行った
「びっくりするぐらい普通のおじさんだったな」「うん」x4
「それより魔道具見たくない?」
「ああ見たい見たい!」「でもまだ明るいから光らないんだよな?」
「夜トイレに行く時いいよね」
全員食堂に戻ると箱を開けてみた
真鍮で細かな細工がされたフレームの中にはひし形の石が入っている、上部には傘があり、吊るす用の丸い輪がある
「とんでもなく高そうだな」「うん」
「凄く高価なものほど、おまけみたいな言い方するのが貴族の粋ってやつなのかもな」
「それよりアル兄ィ達がいつ来てもいいようにエールとツマミぐらい買ってこないか?」
「あたしら姉弟も世話になったから焼き肉ぐらいご馳走したい、一緒に買い物に行く、エリアスは肉焼く台でも作ったら?ちょっと吞んでもらってる間に肉屋にアタシが走るよ」
それは速そうだ
「じゃあ今行った時に肉屋の場所も教えるね」
ポロに荷車を繋いでエールの樽とツマミを買いに行くことになった
パトリックは土魔法が気になる様でエリアスと留守番
レオン、サンナ、俺の3人で行くことになった
「ジョッキも要るよね、無いモノがまだまだ多いって事だな」
冒険者とすれ違う事も増えてきた、街の壁の外では工事が始まって活気がある
この街も王都みたいに、壁の外にまた壁が出来て、大きくなるのかな?
---砦ーーー
「肉焼く台ってどんな感じのものなの?」
「串焼き屋台のとほぼ一緒だね、村では外で丸太のベンチに座り肉焼く台を囲んで食べたり飲んだりするんだよ」
「へー楽しそうだね」「家の中じゃ煙が凄そうだ」
パトリック、エリアス、起きてきたマリーで準備が始まった
「雨降った時のこと考えたら回廊の下がいいよね?この辺でいいんじゃないかな?食堂とも近いし」
「クレイウォール」
適当な間隔で一直線に焼き肉台が並ぶ
「食堂の椅子で合う高さならこれぐらいでいいと思うけど椅子並べてみよう」
椅子30ほど並べ終わった
「そしてこれが要る、ストーンウォール」
「なにこれ?薄い石の板に穴がいっぱい」
「網の代わりだよ、こっちの方が網より美味しい」
「へーーっこうやって座ってると肉焼きたくなるね」
「確かに」
昼寝から起きてきた年少組も椅子に座って並んでる
「ここなーに?」
「肉焼いたりして食べる場所、外の食堂かな」
「ふーーん、ポロも居ないね」「じゃあ鳥さん」
年少組は鶏小屋に行ってしまった
「暗くなると光る魔道具とやらは一つここで決定だね」
「うん決定だ」
---商会前ーーー
「今日も俺と二人だな」
「・・・・」
話しかけると目を見てくるポロと二人、買い物が終わるのを待っていた
一人と一頭、出てきたがサンナの抱えてる物がおかしい、すごく重そうだ
「なにそれ?」
「何って鍋でしょ?鋳物の分厚いヤツ」
「それは分かるけど、、、」
「この後、肉屋でしょ?しばらく飲んでない故郷の味作ってやるよ」
そう言って肉屋の前までいくと
「ちょっと待てて、あれ貰ってくる」
今度は麻袋持って出てきた、なんだろう?故郷の味、、、
---砦ーーー
砦に戻ると焼き肉会場は出来ていた
「エリアス、釜土作って」
鉄なべ見て察しがついたようだ、さすが姉弟
サンナは重たい鍋を洗って出来たばかりの釜土で湯を沸かしている
一方、エリアスは炭を焼き肉台に入れて火を起こし始めた
「何始まったの?」
「故郷の味らしい」「へー」
肉屋で貰って来た、何かをサンナは食堂の井戸水で洗ってるらしい
穴の開いた石板を焼き肉台にエリアスが乗せた
サンナが洗ったモノを持ってきた、骨だ!
エリアスは骨を焼いている、ボアの骨かな?なぜか面白い光景だ
石板が赤くなるような火力で焼いては鍋へ、焼いては鍋へを繰り返す
サンナは浮いて来たアク?泡状のものを掬っては捨てている
「骨茹でてるのは分かるけど骨食べるの?」
「長時間沸騰させてると骨が溶けだして真っ白になる、それを味付けして飲むんだ、骨も丈夫になるし、体自体も強くなる、その準備段階ってとこね」
「水足しと薪の追加は二人でやるから楽しみにしてて」
「子供たち危ないから石で囲うよ、ストーウォール」
「おう、中々気が利くなエリアス」
この姉弟のすることは何時も面白い
お読みいただき有難うございます
PVだけでも励みになります




