第六話 明るみに出た幻獣
こんばんは!
雪野里孤舞です
雪野里孤舞の「孤舞」という名前は魚のコマイからとったのではありませんので勘違いしないでくださいね
さて、今回は読者の皆様に「怖~い冒険」をしてもらおうと思います!
…怖くなかったという感想はやめてくださいね
では…どうぞ、お楽しみください☆
「「「「・・・・・・・・・」」」」
霊によって吹き付けられたら強風がやむ。ネリーは身がまえたままその場にたたずんでいる。あたりには静寂の時間がおとずれた。
(....どう…なったの....?)
風がやんだことで本能的に『危険は去った』と思い込み、安心してしまったのだろうか。
ネリーは眉をひそめつつもゆっくりと目をあける。目をあけて現実を見ることも怖いが、現実を見れぬまま危険が迫りくる方が恐しい。そう感じるのはネリーだけではないようだ。他の三人も慄きつつも目をあける。四人は肩に入った力を少し抜くと、おそるおそる辺りをゆっくりと見回した。
「「「「!」」」」
一人はゆっくりと目を瞬かせ、一人はかたい表情のまま驚愕した。
その場にいる四人は、存在しないものを見るような不可解な表情で前方をみつめる。
そこには……
あの魔物、『インビジブル・ドラゴン』が月光に照らされていた。
ネリーは唖然と口をあける。
ネリーの心はすでに限界をむかえていた。恐怖という凄まじい感情の所為で今にも叫びだしそうだが、喉が乾ききって声が出ない。
まるで、声をどこか彼方においてきて自分の元へ戻ってこないかのようだ。
空気が喉を掠る音しか出ない。
「ハッ…フゥッ…ハッ……」
先ほどから口で呼吸している。普段のように鼻で呼吸できない。これも心の底から湧き上がる冷たい感情の所為なのだろうか。
戦慄。この感情が頭から足の先まで1mmたりとも動けぬように硬直させる。なぜ、『恐怖』は人を動けなくするのだろう。
きっと逃げられない。
その感情が人を動けなくしたところで、『逃げれない恐怖』が体の中で血がざわめくだけなのではないだろうか。さらに付け加えれば、怖さに立ちすくみ、自我を失うだけなのではないか。
けれど、もしかしたら………
人が『希望の道』へ走るために、恐怖という心情が背中を押してくれる日がやってくるかもしれない。
ネリーは、生気を失った目で脅威的なあの魔物を捉える。
青白く、水のように透けた幻獣。
尾が弧を描くように揺れている。優美に揺れる尾から、かすかに青白く光った光の粒が宙に投げ出され、舞っていた。
体はうろこで覆われ、鋭い爪をもつ。
そんな竜の姿は、美しかった。
ゆるぎない瞳、立派な竜の体、優美に動く尾。
その1つ1つが霊的な美しさを引きだしていた。
全てが神聖的だ。美しすぎるのだ。この世のものとは思えぬその崇高さは人間に恐怖を与えてしまう。
神秘的な畏怖をまとい、人々の前に姿を現す竜。皆に畏怖の念を抱かすだろう。そんな姿を人々が目にすれば神々の象徴だと思いこみ、ひれ伏し祈る。怖さを忘れるほどの神々しさに人々は自然と穏やかな笑みをうかべる。そして、儚い一生の中で神と言っても過言ではない幻獣を見れたことに感動し涙を流す。感動で震える手を合わせ、静かに拝むのだ。
それ程奇妙な魔物に四人の目は釘付けになった。
より正確に言うならば竜の眼だ。
一度、一目見れば惹かれずにはいられない。そんな不思議な眼であった。
美しい瞳と鋭い切れ長の目をもつ。
そして……
噂通り、『すべてを見透かす眼』だった。
(こわい……。まるで…私のすべてを……見透かしているみたい………!)
思考、能力、人柄、未来……人間どころか、この世のすべてを見透かすような眼だ。
背中の芯から硬直していく。体が強張ってしまっても無理はない。
人間は、自分のすべてを素情の知れない者に見透かされることを恐れているのだから。
どうでした!?
「怖~い冒険」できましたか?
皆さまが「怖~い冒険」をできたのなら私は満足です!
第七話の投稿は早くても一週間後…おそらく二週間後になると思います
楽しみに待っていてくださいね!




