第二話 ダイヤモンドダスト
こんにちは!(こんばんはかもしれませんね)
二週間ぶりの投稿です!
第二話では、主人公のネリーが登場!
ネリーにとって家族同然の友人たちもやってきます!
至らない点もあると思いますが、どうぞお気軽にお読みください!
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雪が降り積もった丘にキラキラと光り輝くダイヤモンドダストが見える。雪が朝日に照らさせてキラキラと反射した。新たな希望が生まれる朝がやってきた。
コンコン…ガチャ…
「ネリー、朝ごはんできたよ?起きて!」
気持ちよく眠っていた少女は布団を顔まで引き上げて動こうとしない。
「ふぁーい…今行く…」
少女はベッドから眠たそうに眼をこすりながら引きずるように出てきた。
「下で待ってるからね」
「…うん」
ここは真っ白い丘の上に建つ民家の二階。
少女はのそのそと服を着替える。黒いタイツをゆっくりと履き、黒い長袖のインナーに腕を通した。タイツの上に緑色のチェック柄のスカートを履き、ファスナーをしめる。膝辺りで裾がしぼんでいて、リボンが2つついていて愛らしい。ぴったりとした長袖インナーの上に、スカートと同柄の温かな布をレイヤードする。スカートに着いたリボンと同じ形になるように肩で結んだ。ネリーの足元には左右反対を向いたまま放り出された靴があった。革製の茶色い靴でスカートに付いているリボンと同じリボンが付いていた。ネリーは放り出させた革製の靴を履くと、鏡の前に立った。そして、黒褐色の絡まった髪を櫛でゆっくりととかす。櫛が滑らかに髪と髪の間を通るようになり、ネリーは櫛を置いた。黒い髪ゴムを手に取り、耳のそばでおだんごをつくった。反対側の耳のそばにもおだんごをつくる。そして、緑色の布をカチューシャのように頭につけた。
目をこすりながらも窓を開けた。冷たい空気が一気に部屋の中へ押し寄せてくる。
「…うう…寒っ……でも、いい空だね」
少女は空に向かって呟く。青く澄んだ空を見る目はアメジストのような輝きを放っていた。その目はシルク色の中に黒い色という二色の瞳孔を持っている。少女は窓を閉めると部屋を出て軋む階段を下りて一階に向かった。
「おはよう…、リーナ。」
「うん、おはよう。あいかわらずお寝坊さんだね」
リーナと呼ばれた少女は優しく、どこか呆れたように笑う。リーナは、ネリーにとって家族のような存在であって同居人だ。
「…たまには早起きすることもあるよ?」
「はいはい、そうだね。…でも、ネリーが早起きするのは珍しいよ?クリスマスの日くらいかな?」
「うっ…、ご飯さめちゃうから早く食べよう!リーナがせっかく作ってくれたんだし」
「…話をそらしたね。現実逃避?」
「うるさぁーい!」
「あはは!」
冬の静かな朝が賑やかになる。少なくともこの家の中は賑やかだろう。テーブルには二人分の朝食が丁寧に並べられていた。
「さぁ、手を合わせて…」
「「いただきます!!」」
「わぁ…私の大好物の…トマトスープだ!おいしそう…!」
「ふふ、遠慮せずに食べてね」
赤いトマトスープの中でジャガイモが程よい具合に溶け込んでいる。ホカホカと湯気が立ち、蒸気と一緒に新鮮なトマトが二人の鼻先まで届く。これほど食欲をそそるものはないと少女は思った。
(うん!…。おいしい…。最高…)
美味しそうにスープを食べる少女の名はネリー。
13歳。もうじき14歳になる。言うまでもないが、トマトスープが大好物だ。運動好きなネリーはお寝坊さん。そして、ネリーの前で朝食を上品に食べる少女の名はリーナ。彼女はナポリタンが大好物らしい。トマトスープではないことが残念だとネリーは思っていた。毎晩本を読んでから眠るらしいが、ネリーにはとうていできそうにない。布団のなかに潜り込んだらすぐに眠ってしまうのだ。彼女もネリーと同じ13歳である。リーナは暖かそうな服装をしていた。黒いタイツの上に紫色のワンピース。腰には優しいオレンジ色の帯を付けており、その帯から垂れ下がった数多のおしゃれな布が揺れていた。リーナはワンピースの上に桃色のチェック柄の上着を無造作に羽織っている。首元に濃い桃色のチョーカーを付けていた。靴は藤色とロイヤルパープルの二色を使ったものを履いている。髪の毛は上着の色と同じような桃色だ。肩の上で柔らかな桃色の髪が揺れている。そして、ラベンダーのような紫色の大きな瞳の中には夜のような漆黒の瞳孔があった。
「「おはよう!」」
勢いよく玄関のドアが開く。開いたドアの先には二人の青年がいた。
茶色でくるくるとパーマがかかっいている髪の青年はライナー。頭が良くて歴史好きだ。歴史について語らせれば一時間でも二時間でも喜んで語るだろう。そして、怒らせると怪獣なみに怖い。ちなみに、髪はくるくるの天然パーマだ。
もう一人の青年の名はフィリアス。面白くて優しい、少しおバカさんなお調子者だ。
この二人はお隣に住んでいる高校生である。今年で17になるらしい。喧嘩をしながらも仲良く暮らしている。
すでに二人は朝食を食べてきたらしい。ライナーは、青色のセーターを着ている。そのセーターの左胸あたりには彼の名が筆記体で刺繍されていた。そして、足首辺りに余裕のある白いズボンを履いていた。ズボンの太もも辺りに盾のワッペンが刺繍させている。真っ黒い靴が真っ白いズボンの下から覗いていた。ライナーは落ち着いた雰囲気をまとった服装だ。
一方、フィリアスはライナーとは真逆と言っても過言ではないほど落ち着きのない服装だった。真っ白い長袖の上に裏起毛の半袖を着ている。その半袖が派手だった。その半袖は真っ黄色の上、目立つ赤色でなにやら文字がたくさん書かれている。そして、ダブダブとしたデザインのズボンを履いていた。そのズボンは派手としか言い様がなかった。何せ、赤、青、黄色…何種類もの色が模様となっているのだから。ステンドグラスのような模様のズボンであった。このような派手な服装はフィリアスにしか着こなせないだろう。本人の性格が服装に表れていた。
「ねぇ、知ってる?今日はすっごい綺麗なんだ」
いきなりフィリアスが興奮した調子で話し始める。
「綺麗って何が?」
リーナが聞くと、フィリアスは人差し指を上に向けて語りだした。
「ダイヤモンドダストだよ!ほんとに綺麗で…。さっき、散歩してたんだけど、すっごく綺麗でね…。あ、そうだ!一緒に見に行かない!?この後さ!あ、そうだ!カメラ持ってこう!写真撮れたらいいな…。すごく綺麗だろうな。自慢できちゃうなぁ。…あぁ、あれもいいな………」
フィリアスの目が輝いている。興奮状態だ。こうなっては誰も止められない。フィリアスとライナーを除いた二人はゆっくりと朝ごはんを食べる。その横でライナーがダイヤモンドダストについて解説を始める。…が、フィリアスは興奮のあまりにライナーの言葉に耳を傾けようとしない。
「じゃあ、また後でね!準備してくるよ」
長々と解説するライナーを置いてフィリアスが出ていった。
数分後、ライナーが解説を終えた。
「ーってあれ?」
ようやくフィリアスがいなくなったことに気が付いたらしく、辺りをキョロキョロと見まわしている。急に大人しくなったかと思うと、ライナーの手に力が入った。
「…おいて行かれた…?……よし、あとで一から説明しなおさなくてはな」
(…うわー…フィリアス、またやらかしたね…)
ライナーは目を細めて乾いた声で静かに笑った。しかし、その目の奥は光がなく、笑っているようには見えない。
「邪魔したな。後で会おう」
「え…あぁ…うん、バイバイ…」
ライナーは真っ赤な絨毯を優雅に歩き、ドアの前まで来る。
バタンッ…
ライナーが出ていった。ネリーは唖然としていて手が止まっている。リーナもネリーと同じようだ。ライナーが出て行ってから全く食事が進んでいない。ネリーの手には湯気の立ったトマトスープをすくったスプーンがあった。今、ネリーの手には力が全く入っていない。スプーンの重みに負けてスプーンの先端が下に傾いていく。
ボチャッ…
下に傾いたスプーンからトマトスープが一口分、落ちてしまった。幸い、お皿の中に落ちたようで汚れてしまった物はない。
「……お皿の中に落ちてよかった」
「うん…もし、お皿の中に落ちてなかったら汚れた物、ネリーに全部洗ってもらうところだったよ」
「えぇ?…本当にお皿の中で良かった」
ネリーはスプーンを置いてほっと胸を撫でおろす。リーナはそんなネリーを見ながらスープを口に運んだ。ネリーは再びスプーンを持ち、スープを口に運ぶ。
「準備しよっか…リーナ」
「うん、そうだね」
ネリーは最後の一口を飲み干し、立ち上がった。
「ごちそうさま。おいしかったよ、リーナ」
「ありがと」
ネリーは食べ終えたお皿を台所まで運ぶ。流しまで来るとお皿を流しに置いて水をかけた。ネリーは台所を出てわきにある階段を上る。階段を登っている途中、木の床が軋む音がした。部屋に着くとネリーは身支度を始める。
リーナがお皿を洗う音が二階まで聞こえてきた。
いかがでしたか?
楽しんでいただけたのなら幸いです。
第三話では、さらに面白くなっていきます!
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