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不死身探偵フェニックス  作者: 猫月猫日猫曜日


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透明人間刑事 数寄屋橋透12

〜病院

病院のベッドに横たわる透は、窓から差し込む朝日に目を細めた

「叔父さん……もう少し詳しく話してくれませんか?」

彼は静かに尋ねた

「数寄島のことは、ほとんど知らされていませんでした」

才蔵は深い溜息をつき

「あの島には二つの血脈があった」と語り始めた

「一つは透明能力を強く受け継ぐ『光の系譜』 もう一つは心術や幻術に長けた『影の系譜』だ お前の父は光の系譜だったが、母は影の系譜だった その血が混ざって……お前が生まれた」

「だから完全に透明になれたのですか?」


「ああ!だがそのせいで狙われやすい!完全なる透明は『光と影の均衡』の象徴であり……破壊すべき存在だと信じる者がいる」


その時、若嶋津が現れた

「熊の巣山の偵察結果が出た!山荘は廃業した温泉宿を改造したものだ!だが問題は……」

彼はタブレットの画像を示す

「外壁に貼られた防御結界だ!光学センサーと赤外線を併用している…通常の透明化では潜入できない可能性がある」

透は拳を握りしめた

「でも方法はあるはずです」

若嶋津は厳しく言った

「今回は危険すぎる!刺客の残党は少なくとも十名 それに……」

「何ですか?」

「防衛ラインの写真に……奇妙なものがあった」

若嶋津は一枚の画像を指差した

「これを見てくれ」


そこには山荘の一角に設置された石碑の写真が映っていた

表面には見慣れない模様が刻まれている

「これが何かわかるか?」

若嶋津が尋ねる

才蔵が画像に目を通すと顔色を変えた

「これは……禁紋だ」

「禁紋?」

「数寄島に伝わる最悪の術式を封印したものだ!もし術式が解放されれば……」

才蔵の声が震えた

「数寄島全体が再び出現するかもしれない ただし……歪んだ形で」


透の胸に冷たいものが走る

伝説の島が再び現れる?

しかも歪んだ形で?


「今すぐ行きます」

透は決然と言った

「危険だぞ!」

若嶋津が制止しようとする

「お前はまだ回復していない!」

「叔父さんと若嶋津さんは、山の麓で待機して下さい」

透は微笑んだ

「僕一人なら透明なので問題ないです」

才蔵が心配そうな目で甥を見つめる

「透……無理はするな」

「大丈夫です」

透は静かに答えた

「数寄島の真実を明らかにするためには……僕自身が行かなくては」


---


〜熊の巣山2回目

ナイスが大型ドローンを使って、臭覚に優れた凶暴熊対策として、透が登るルートの反対側のルートにニオイの強い熊の餌をばら撒いた


霧に包まれた山道を登りながら、透は慎重に周囲を確認した

山荘までは約2時間

すでに監視カメラの死角を分析済みだった


「予想通りだな」透は独り言を呟いた

「光学センサーは霧を嫌う」


〜土影登場

だが彼の前に突然、霧の中から人影が現れた

透は瞬時に身構える


「よく来たな!完全なる透明な者よ…しかし、足跡は消せまい」

男の服装は数寄島の忍び装束


「誰だ?」透の声が上ずる


人影が笑う

「ワシは土影…数寄島七人衆の一人、数寄島土影!」


透と土影の対決が始まった

土影の体が突然地面に溶け込み、地中から別の位置に現れる

「土遁の術……やはり本当だったか」

透は冷静に対処して距離をとる

「若いのによく学んでいるな」

土影が感心する

「だがそれだけでは足りん!」


突如、土影の両手から砂塵が舞い上がり、それが人の形になったー土人形だ

土人形が一体二体三体!


「何!?」透が驚愕する

(叔父さんが、土遁は水に弱いと言っていたな…川の音が聞こえる…川まで走ろう!土人形は足が遅いはず)

透は川に向かって走って行く


土影がニヤリと怪しげな笑みを浮かべる


〜近くの川辺

川の前には、なんと五体の土人形が待ち構えていた

しかも、後ろから三体の土人形が追いついてきていた

透は手練れの忍者の術中に嵌ってしまった


ヒューーン


その時だった

ピシャと音がして、土人形の術に集中していた土影の頭に、ニオイのきつい何かが降り注いだ

「何だこれは?」


草むらがガサガサと揺れて、熊が土影に襲いかかった

「うわー!」


一方、透は土人形の動きが緩慢になったのを見てとり、隙をついて川に飛び込む

(ナイスさん、ありがとう)


〜山荘

透は、浅い川を上流に向かって進み、やがて山荘に辿り着く


チリーン


「しまった!」

山荘の敷地の周りには、釣糸の様な糸が無数に張り巡らされていて鈴が付けられていた


半透明の忍者達が10人程現れて、四方八方に投網を投げる

そのうちの一つに、透は閉じ込められてしまう


その時、山荘の中から高らかな笑い声が響いた

「ついに現れたか……光と影の融合者よ」


「私は数寄島鏡介!心術を使いながら長年潜伏していた…そして今夜……数寄島を蘇らせる」


「やめろ!何が起きるか分からないぞ!」透が叫ぶ


鏡介は石碑に手をかざす

「数寄島は崩壊してなどいない!単に次元の狭間に漂っているだけだ」


石碑が震え始め、霧が渦を巻き始める

禁紋が明滅し始めた


???


その時だった

何故か半透明の忍者達と、数寄島鏡介が電気が流れた様になり、ポカンと空を見つめて何かを思い出している様だった


すると、透の目の前に才蔵が現れた

「叔父さん、透明になれるのか?」

才蔵が語る

「散髪した透の髪の毛とシーツを湯に入れて煮込んで、透明な隠れ蓑を作って置いたのさ!そして、奴等の背中に数寄紋を触れさせていったのだよ」


透

「さすが、腐っても数寄島七人衆!」

才蔵

「腐ってない!ところで、この男、鏡介とはホクロの位置が違う!双子の弟の鏡ニだ」


本物の数寄島鏡介は何処に?

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