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不死身探偵フェニックス  作者: 猫月猫日猫曜日


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22/34

透明人間刑事 数寄屋橋透4

翌日、渋谷区にある銀行が武装集団に占拠された


〜入電!銀行籠城事件

人質二十名!犯人三名!全員覆面で武器装備


佐藤係長が特捜部のモニター前で声を張り上げる

「警察特殊部隊(SAT)が出動準備中だが、彼らでは目立ちすぎる!透、まず内部偵察を頼む」


「了解!」

透の声だけが空虚に響く


〜潜入開始

透は銀行裏口の通気口から滑り込んでいった

金属製の格子を器用に外し、暗闇を這うように進む

一階ホールは蛍光灯がチカチカ点滅している

犯人のリーダーと思しき男がカウンター脇で拳銃を構え、行員と客達を壁際に追いやっている

二階窓際では別の男が狙撃ライフルを抱えて外部監視

最後の一人は金庫室で、扉を爆破しようとしている


「佐藤係長、こちら数寄屋橋」

無線を通じて状況報告を行う

「犯人は三箇所に分散!金庫作業中に外部に応援要請すれば、SAT投入前に解決できてしまう流れです」


「ならば最短解決策を立てろ!数寄屋橋、裏口の鍵を開けておけ!田中、同行しろ!」

佐藤係長の判断は速かった


〜突入

田中刑事は防弾チョッキを装着して、裏口から突入する

「数寄屋橋さん、本当に現場入りしてますか?」

佐藤係長が小声で話す

「もちろん」

「ただし、君は見えていないふりを続けてくれ」

一階フロアに突入した直後、大きな破裂音が響いた


〜ドアロック破壊

金庫室前で作業する犯人が爆弾でセキュリティ扉を破壊

鉄片が床に散乱する


「まずい、強行突破するつもりだ!時間が無い」

田中が拳銃を引き抜く


「焦るな」透の声が耳元で響く

「ニ階の男のライフルに細工してきた!弾が発射される事は無い」


数秒後、ニ階の窓際に陣取っていたスナイパーが突如悲鳴を上げた

ストック部分から火花が噴き出し、火薬臭が漂う弾倉が炸裂したのだ


「なんだ!」

「兄貴、ライフルが──!」

残る二人が混乱する隙に、透は透明な姿で二階へ跳躍


顔を手で覆っているスナイパーの手首と机の脚を手錠で繋ぐ

その時、暴れたので、透は軽い怪我をした

「確保」

無線を通じて簡潔に報告して、一階に戻る


〜犯人は残り2人

一階ホールで、リーダー格が階段に向かって吼える

「出てこい!分かってるぞ透明野郎!」

覆面の下で目が血走っている

「階段に血がポタポタ落ちているぞ!」


透は静かに降りてきた

壁の影を利用し、音もなく接近する


「無駄だ」

リーダーが引き金を引く

乾いた銃声

しかし弾は宙を切った

「なぜ当たらない……?」

恐怖に顔を歪める男


その時、拳銃は弾き飛ばされ、いつの間にかリーダーの手首には手錠が嵌められていた


出血に気づいていた透は階段を降りる時に、指で血を反対方向に弾いていた


金庫室の犯人は鞄に札束を詰め込んで逃げようとした所を、佐藤係長と田中刑事に確保されていた


〜エピローグ

事件は一時間で解決

解放された人質たちがホッとする表情を浮かべる


「よくやった透!」

「ただ……一つだけ問題が」透が曖昧な表情を浮かべる


「何だ?」

「犯人が叫んだ"透明野郎"って言葉、人質が覚えているかもしれない…今後さらに都市伝説が膨らみそうです」


田中刑事が微笑む

「それでも、誰も殺されませんでしたよね」

佐藤係長も満足げに頷く

「それが一番大事だ!それに極限状態では"透明野郎"なんて、皆んな幻覚幻聴の類いだと思うだろう!透明人間は映画の話と、我々以外は認識している」


外では夕陽がビル群を照らし、街は再び日常を取り戻していく

見上げる空にはミツバチドローンが静かに舞っていた


透明な勇者は今日もまた、誰にも気づかれぬまま正義を貫く

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