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不死身探偵フェニックス  作者: 猫月猫日猫曜日


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13/19

ようこそ、ブルーバード探偵事務所へ(その2)

〜探偵と刑事の共同捜査

一週間後、鳥子は美咲刑事と待ち合わせた中央公園の入口にいた

初めての本格的な捜査に胸を躍らせながらも緊張していた


「お待たせしました!」元気な声とともに美咲が駆け寄ってくる

彼女はタイトなスーツ姿で、肩には小型レコーダーを担いでいた 

「今回は失踪した芸術家の捜索です!画廊オーナーが警察に届け出ました」


「どのような状況ですか?」

「三日前に個展の準備中に突然姿を消したそうです 最後に目撃されたのはこの公園!アトリエ代わりに使っているプレハブ小屋の鍵が開いたままだったとか」


美咲刑事「それと…山田刑事が冗談で、鳥子さんが鳥語が分かるといってたわ!私は信じるわ!見せてくれる!」

鳥子は目を閉じて深呼吸をした

「仕方ありません!まずは周辺の鳥達に聞いてみましょう」

鳥子「ツツーピーチュンチュンピキッチピッピッピー」

美咲刑事「何て言ったの?」

鳥子「小屋のおじさん見なかったかって」

二人は公園内を歩きながら鳥達に耳を傾けた


黄色いカナリア「小屋からおじさんが出てくるところを見たわ♪小さな荷物を持ってボート乗り場まで歩いていたわね」


美咲が鳥子の口元を見つめる

「本当に鳥の言葉が判るのですね」


「ええ、彼らの視点から見る世界はとても興味深いですよ」


鳥子の案内で二人は湖畔のボート乗り場に到着した

そこでは貸しボート屋の主人が新聞を読んでいた


「あの船、しばらく使われていないようです」鳥子が指さす先には一艘だけポツンと残された小さなボートがあった


美咲が警戒しながら近づく

「確かに……足跡がありますね…それに何か引っ掻いたような痕跡も……」


その時、遠くからサイレンの音が響いてきた

パトカーが公園入り口に止まり、中から刑事が飛び出してくる


「美咲!なんで先に行っちゃったんだ!」怒鳴りながら走ってきたのは山田刑事だった

「これは極秘案件だぞ!勝手な行動はやめろ」


美咲は毅然とした態度で反論する

「これは重要捜査です」


鳥子は二人の言い争いを尻目にボートを調べた

底に黒いペンキのような液体が付着している

それを見た途端、鳥達が騒ぎ始めた


「危険よ!」

「水の匂いがおかしい!」


突然、鳥子の耳に微かな音が聞こえた

それは水中からの振動のように思えた


「皆さん!ボートから離れてください!」

鳥子が叫ぶのと同時に、湖面が大きく揺れ始めた


大きな影が水面下を移動しているのが見えた瞬間、波が立ち上がり……


「危ない!」誰かの悲鳴が上がる中、鳥子は何者かに腕を掴まれた様に湖に引き込まれそうになった


鳥子は必死に抵抗したが、強烈な力で水の中に引きずり込まれそうになる

美咲と山田は即座に反応し、彼女を救出した


「一体何が起きた?」山田が叫ぶ


美咲が冷静に答える

「おそらく小型のサメか何かの魚類がいるのかも……でも淡水湖で?」


鳥子は呼吸を整えながら言った

「違います!あれは生き物じゃありません!何か機械的な……」


三人が混乱していると、公園管理人の爺さんが駆け寄ってきた


「お嬢さん方!大丈夫かい?この湖は最近工事してましてな!地下に新たな配水管を通したんだが……」


「配水管?」山田が眉をひそめる


「はい、市計画局の新システムで、緊急時には巨大なポンプを使って湖水を浄化する装置があるんです!でも操作には特殊なコードが必要で……」


美咲が鋭く切り込む

「つまり誰かが遠隔操作で湖の水を激しく動かせるということですね」


鳥子の脳裏に閃くものがあった

「絵描きさんはもしかしたら……」


彼女は急いでアトリエに戻り、中に残されたスケッチブックを開いた

そこには湖の水位が上がるにつれて増える生物たちの緻密な観察図が描かれている


「彼は自然保護活動家だった」

山田がページをめくりながら呟く

「そして環境省が計画する地下排水システムに反対していた……」


「きっと湖の生態系を守るために抗議活動をしようとしたのでしょう」美咲が推測する


そのとき電話が鳴り響いた

山田が慌てて出ると、「おっと、若嶋津先輩からだ!大変です!画家が発見されました!」


一同は病院へ急行

手術室から出てきた医師によれば、画家は意識を取り戻しており、命に別状はないという

ただし……ある重要な証拠品を持っていたらしい


「彼は病院に運ばれる直前、これを握り締めていたそうだ」

若嶋津刑事が差し出したのは古びた鍵だった

「関係機関に調べて貰ったところ、これは排水設備の制御室の鍵だ」


〜危険な真実

美咲刑事「危険かな」

山田刑事「ここから先は決断がいる」

若嶋津刑事「選択の時間か」

鳥子は驚いて振り返った

「どういう意味ですか?」


美咲は真剣な表情で続けた

「あなたの能力は想像以上に特別なものかもしれません…普通の人には見えないものが見えたり…感じられたりするのでしょう?」


「それは……」


「隠さなくてもいいんです」美咲は優しく微笑んだ

「実は私も少しだけ不思議な体験があるんです…子供の頃、森の中で精霊のような存在を見たことがあります…信じられませんか?」


鳥子は正直に答えた

「信じます!私も普通ではないので……」


「だから今回、あなたに接触したんです」美咲は声を落とした

「実は警察内部でも極秘ですが、似たような"超常的な"事件が増えているんです!それについて調査するための秘密の部署があります」


山田刑事が咳払いをする

「まあそういうわけで……鳥子さん、あなたには選択肢があります…これ以上関わらないか、あるいは我々と一緒に闇の向こう側を見るか」


若嶋津刑事「隠し目付と言う部署で、大きな権限を与えられている!その分、危険な捜査が多い」


美咲刑事「初任給は40万ですよ」


鳥子「私の家は裕福なので」


美咲刑事「結構な物言いですね!それでは協力者はどうでしょうか?」


鳥子「協力者であれば、お願いしたいです!探偵としてランクアップが目標なんです」


その時、病院の廊下に緊急放送が流れた

「特別棟にて爆発事故発生!患者を至急避難させよ!」


四人は顔を見合わせた

「絵描きさんが!」山田が叫ぶ


現場に駆けつけると、特別治療室から煙が上がっていた

警備員たちが必死に消火活動を行っている


「画家はどうなりました!?」美咲が担当医に詰め寄る


「容体急変で緊急手術中です!でも……異常な体温上昇があり……」


鳥子は部屋の窓際に立ち尽くした

そして窓の外から聞こえてくる鳥達の不思議な声に耳を傾けた


「……湖の底から声が……」


山田は深刻な面持ちで言った

「これは普通の事件じゃないな!環境保護を装った科学実験……または軍事技術の開発か……」


〜排水設備の制御室

四人は画家が持っていた鍵を使い制御室に入る

奥に進み古びた扉を開けると、地下に向かう階段を発見する

「地下水路!」美咲が目を見開く

「都市の下を流れる浄化処理用水路です!」


「行くべきではない」

山田が警告する

「明らかに危険だ」


しかし鳥子は決意を固めた

「行きましょう!画家さんのためにも、この街のためにも……」

「何で君が決めるんだ!しかし、地下は真っ暗だ!一度戻り、準備してから捜索開始だ!」


深夜、四人は秘密裏に地下水路入口に到着した

階段の下には暗闇が広がっている


若嶋津刑事「準備はいいか?美咲と鳥子は盾を持って先導してくれ!俺と山田が銃を構える!」


四人共、軍隊用の暗視ゴーグルを装備している

美咲が呟く

「このエリアは未使用の区域のはずなのに……妙に清掃されているわ」


狭い通路を進むうちに、鳥子は再び違和感を感じた

壁が脈打つように振動している気がする

「止まって」彼女が小声で警告した「誰かいる!」


通路の先で影が動いた

黒ずくめの人影が幾つか見える


「こんにちは、おまわりさん」

低く響く声が通路に響いた

「こんな所まで来てくださるとは」


拳銃を構え、制圧しようとする

「警察だ!全員動くな!」


だが、黒い人影は笑うように身体を揺らした

「警察?そんなものが何になる?我々は既存の法律など超越している」


突然、天井から液体が滴り落ちてきた

粘つく黒い液体だ


「この街の排水システムは我々の実験場なのだよ」男が続ける

「人々は進化の水を飲み、知らぬ間に新しい卓越した人類となるのだ」


鳥子は恐怖で足がすくんだ

「あなたたちは……何を企んでいるの?」


「人類進化プロジェクト」

男が答えた

「古代に我々の祖先は高度に科学の発達した星から、宇宙船に乗り地球にやって来た その頃は未だ人類は居なかったが、猿は居た そこで祖先達は進化の水を猿に飲ませて、人類に進化させたと言う訳さ!宇宙人の末裔である我々は今一度進化の水を創る事に成功し、新しい卓越した能力を持つ新人類を創生するさ!」


鳥子が叫ぶ

「あなたは嘘をついているわ!高度な科学があるなら、真っ暗な地下なんかで生活しないはず!宇宙船を建造して別の星を探しに行けないのは可笑しいわ」


謎の男「くっ…撃てっ!」


「キャーー」

四人を狙った弾丸は、前衛の盾が受け流した

暗視ゴーグルを装着した若嶋津と山田の弾丸は、敵の何人かを倒した


しかし他の者たちは素早く散開し、不規則な動きで接近してくる


「逃げるぞ!敵の数が多すぎる」

若嶋津が指示を出す

四人は後退し始めたが、出口は閉ざされていた


「罠か!」山田が歯ぎしりする


その時、鳥子の背中に止まっていたミツバチから声が響いた

「右側の壁……古い配管を辿れ……」


「何……?」彼女は混乱したが、再びミツバチから声をが聴こえる

「そこに非常用のトンネルの扉のボタンがあるはず!」


壁の膨らんでいる場所を押すと、隠し扉が開いた 四人は急いで中に入った


「どうしてそんなことがわかったの?」美咲が問いかける


鳥子は自分でもよくわからないと首を振る

「聞こえたんです……声が……」


若嶋津「先行調査隊を頼んでおいたのさ!」


逃げ道は地上に続いていた 星明かりの下に出た四人は一息ついた


鳥子「アイツらは、何者?」


若嶋津「我々は土竜と呼んでいる 地下トンネルを造る技術を持ち、日本中に地下通路や設備を持っている」


鳥子「本当に宇宙人の末裔?」


若嶋津「それは分からない…宗教の様な団体かもしれない」

山田「もし宇宙人の末裔だとしても、見た目は完全に人間と同じだし、中身も気の遠くなる様な時間が経過して、人と同化していると考えるのが上層部の見解だ」

美咲「進化の水なんて有り得ない!麻薬でも混ぜる気かしら?」


「これからどうする?」美咲が尋ねる


「私はもっと知らなくてはならない」鳥子が静かに答えた

「この街に潜む闇と、それに対抗する方法を……」


その瞬間、夜空を覆う雲の隙間から満月が現れた 月光に照らされて、鳥子の瞳が黄金色に輝くのを美咲は見た


「あなたは一体……」美咲が言いかけると、鳥子は微笑んだ


「探偵ブルーバード……人々を助ける者です」


夜風に乗って夜鷹の鳴き声が聞こえてくる

新しい冒険の予感に満ちた扉が、静かに開いていった

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