第49話 合流
クロハとテルハ、ハルとイリンがモンスターの大群と戦っている頃、ミルル、リアン、ミュリンの三人も戦っていた。
「獣牙の技能・バイファン!」
「撃斧・天斬!」
「剣速の技能・残像の連続斬!」
ミルル、ミュリン、リアンの三人も、戦い始めて数時間が経過しているにも関わらず、大した疲れも見せず、技の威力も衰えさせず、モンスター軍団を一掃し続ける。
「これで、終わりワンッ!」
そうミルルが叫ぶと、三人が声を揃えて──、
「「「ハァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」」」
技を放ち、モンスターの大群を全て倒しきった。
「ふぅ〜……流石に疲れるぜ〜……」
「わふ〜……ちょっと休憩したいワン……」
「そうですね。ちょっと休憩しましょう」
全てのモンスターを倒し終えた三人は、このあとの事を考え、一旦休息を取ることに。
しかし、ここは危険なダンジョンの中。
いくら二十階層と言う、上の階層だとしても、危険なモンスターがいない訳じゃない。
特に、疲労が溜まってしまっている状態の今、襲われてしまったらどうなるか分からない。
なので、休息が取れそうな場所を探す事に。
しかし──、
「どこもいい所ないワン〜……」
「もう適当でいいんじゃねぇの……」
「そう、ですね……流石に歩くのも辛くなってきましたからね……危険ではありますが、ここで一旦休みましょう」
どこに行っても安全そうな場所はなく、三人はとりあえず休憩を取る事にした。
湖がある場所で、水分補給には困らないが、水場にはモンスターが集まりやすいので、あまり休憩を取りたい場所ではなかった。
しかし、状況が状況なので致し方なくこの場所で休憩を取る事に。
しかし、その判断が凶となり──、
『グルルルルルルルルルル……!』
「「「っ!?」」」
三人の元に、C級モンスターであるバイトウルフの群れが集まってきてしまった。
「も、もう無理ワンよ〜……!」
「これはマズいな……!」
「どうすれば……!」
リアンが思案していると、突然、ミルルとミュリンが寄りかかっていた岩壁が開き、二人は後ろに倒れ込んでしまう。
「「うわぁ!?」」
「ミュリン!? ミルルちゃん!? キャァァァァァ!?」
二人の手を取ったリアンだったが、勢いには逆らえず、リアンも二人と一緒に開いた岩壁の中へと入ってしまった。
三人が中に入ったあと、その岩壁はすぐさま閉じた。
☆ ♡ ☆
「「「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」
岩壁の中は、まるで滑り台のようで、三人は落下をしていた。
「ぐげぇ!? ぐっ!? うぅ!?」
最初にミュリンが地面に落下し、その背中の上にミルルが落下し、リアンが落下した。
「い、痛い……」
「ご、ごめんワンッ!?」
「ごめんなさい!? ミュリン、大丈夫ですか……?」
「あ、あぁ……大丈夫大丈夫。私、頑丈だから、気にするな。それより、二人は? 怪我ないか?」
「だ、大丈夫ワンッ! ミュっちゃん、ありがとうワンッ!」
「私も大丈夫です。ありがとうございます。受け止めてくれて」
「まぁ、たまたまだけどな。ふっ。二人に怪我がなくてよかったぜ」
「ここは、一体どこなんでしょう……」
三人は、辺りを見回す。
同じダンジョン内ではあるが、下に落下していたのでもしかしたら下層に来てしまったのかもしれない。
だとすると、非常にマズい。
今の三人は体力も能量も消費してしまっている。
そんな状態で、C級以上のモンスターと戦う事になれば、確実に命を落としてしまう。
「慎重に歩みを進めましょう」
「「うん」」
三人は、慎重に進む事を決め歩き出そうとする。
そんな時、三人の背後から声が。
「みんな」
「「「っ!?」」」
突然、声をかけられた三人は肩をビクッと震わせ、ゆっくりと後ろを向く。
すると、そこにいたのは──、
「っ! エリィ!」
そこにいたのは、エリィとドゥーザだった。
「エリィ!」
「おおぉ! よしよし」
ミルルはエリィに抱きつき、エリィの胸に顔を埋めスリスリしだす。
そんなミルルの背中を、エリィは優しくさする。
「お二人とも、どうしてここに?」
「エリィと一緒に調査をしていたんですが、モンスターの大群との戦いで体力を消費し過ぎてしまいまして。休憩場所を探していたらここを見つけて」
「そう、だったんですね。じゃあ、もしかしてさっきのは……」
「あぁ。私達だ。なんかピンチに見えたんでな。一か八かだったが、上手く行ってよかった」
先ほど、岩壁を開けたのはエリィだった。
「助かりました。正直、体力も能量も限界だったので」
「間に合ってよかった」
「こっちに来てみて。体力も能量も回復できるよ」
「「「?」」」
三人は、二人に連れられ奥へと進む。
「「「わぁ〜……!」」」
するとそこは、地面一面が氷で満たされ、まるで水晶のようにキラキラと光り輝く幻想的な場所だった。
「綺麗……」
「ダンジョンにこんなとこあるなんてな……」
「綺麗ワン……」
三人は、そのあまりにも幻想的な光景に目を奪われていた。
「この氷に触れると、体力も能量も回復できる」
「本当だ……」
「でも、氷なのに冷たくないワン」
「だな。なんでだ?」
「それは僕達にも分からないんです。ダンジョンの不思議ってやつですかね」
一面に広がる氷。
それは、冷たくなく、溶けることもなく、砕けることもない謎の氷だった。
氷であるのに、鏡のように姿を映したりすることもない(ミルルだけは映っている)。
「ここで体力と能量の回復をしながら、今後の事を話そう」
「「「はい」」」
五人は、このあとどうするかを話し合うことにした。
このあと、あまりにも苦しく、辛い未来が待っているとも知らずに……。




