第43話 国からの緊急依頼
ダンジョン封鎖から数ヶ月。
ハル達はダンジョンへと向かわない依頼を受ける為、ギルドへとやって来ていた。
「ギルドに来るのも久しぶりだね〜」
ハル達は掲示板に向かおうとした。
その時、イシュが走ってハル達の所へ向かってきた。
「クロハさん! 皆さん! よかった……今、ご自宅へお伺いしようと思ってたんです……」
「イシュちゃん、どうしたの? 何かあった?」
「は、はい……あの、お話をしたいので、少しお時間をもらってもいいですか?」
『ん?』
何があったのだろうと、ハル達は首を傾げた。
☆ ♡ ☆
ギルド内にある会議室に通されたハル達。
部屋に入ると、そこには国王の秘書官であるデルズと第二王女のシリシアがいた。
「な、なんか大変そうな話っぽいね……」
クロハが小さく呟くと、リアン、イリン、ミュリンの三人が頷いた。
ソファにハル、クロハ、イリン、テルハの四人が座り、リアン、ミュリン、ミルルの三人がその後ろに立つ。
「急にお呼び立てしてしまい、すみません」
「いえ。それより、何かあったんですか?」
イリンが尋ねると──、
「はい。実は、ダンジョンに調査に向かった騎士団達が誰一人として帰ってこないんです」
『っ!?』
「だ、誰一人って、ほ、本当に!?」
「はい。王の側近の一人であり、騎士団の副団長も務めるアガザ様も、調査に向かわれたっきり戻って来ず……」
「アガザ様も……」
その報告を聞いて、イリン、リアン、ミュリンの三人は顔を暗くする。
アガザとは、槍を使う最強の騎士。
騎士団の団長になる素質があるにも関わらず、王の側近としての仕事もあるからと、副団長になった人物。
団員や王からの信頼が厚く、イリン達も幾度となく助けてもらった事があった。
そのため、アガザの強さをよく知っている。
なので、そのアガザが戻ってこないとなると、相当危険な事が起きている事になる。
「もしかして、ダンジョンの調査を……?」
クロハが尋ねると──、
「はい。危険な目に遭わせたくはないのですが、頼れるのが皆さんしかおらず……国から依頼させてください。現在、ダンジョンで何が起こっているのか、調査をお願いします」
デルズが頭を下げる。
それに続き、隣に座るシリシアも頭を下げる。
「もちろんです。その依頼、引き受けます。みんなもいい?」
クロハが皆に尋ねると──、
「もちろんです」
「あぁ」
「ミルル、頑張るワンッ!」
「当然じゃ。最強の我が万事解決してやるわい」
と、返事が返ってきた。
「そういう訳なので、お引き受けいたします」
「皆さん……ありがとうございます……! 何かあればすぐに転移石で戻ってきてください」
『はい!』
ギルドを出て、ダンジョンへ向かうことに。
「皆様、お気をつけて……!」
シリシアが涙目で言う。
「シリシア様、私達に任せてください。ハイルのパーティーメンバーですよ? そんなヤワじゃありません」
「はい……! 信じております……!」
シリシアの手を取り、優しく声をかけるイリン。
そんなシリシアの元にハルが向かい──、
「心配しないで」
「はい……!」
と、一言だけ告げる。
それでようやく心が落ち着いたのか、シリシアは笑みを浮かべた。
「皆様、ご無事で」
『はい!』
そうして、ハル、クロハ、ミルル、テルハ、リアン、イリン、ミュリンの七人はダンジョンへと向かった。
セシリアはシリシアとしての職務があるので、今回の依頼には同行できなかった。
「ハイル様……! お願いします……!」
シリシアは、そう祈るしかなかった。
☆ ♡ ☆
エリィとドゥーザには先に話をしていたらしく、二人はすでにダンジョンに潜っていた。
最初に二人と合流しようと決めた一行は、ダンジョンへと足を踏み入れる。
すると、足を踏み入れた瞬間──、
『えっ!?』
突然、転移技能陣が発動し、七人は眩い光りに包まれてしまった。




