第42話 迎えた期限/ターゲットはハル
真っ黒な岩に囲まれた場所。
その場所の中央にある広間のような場所に、デルビーズ、白いベビードールを着たビャクトリース、黒いベビードールを着たスザリーク、エリドリアスが跪いていた。
その前には、王座のようなものがあり、石碑が置かれていた。
その石碑の横に、ヘルズダールが立っている。
『それで? 期限を迎えたが、ハイルの行方は?』
デルビーズは、謎の声から三ヶ月の猶予を与えられていた。
その猶予期限内に、ハイルを見つけ出さなければいけなかった。
その三ヶ月が経った今、謎の声は進捗を聞いていた。
「魔女陛下様にご報告をいたします。ハイルは未だ行方不明のままです。ですが、ハイルは生きており、姿を子供に変えております」
デルビーズの報告に、その場にいた全員が驚愕する。
「こ、子供に!?」
ヘルズダールが言うと──、
「はい。どうしてそうなったのかは不明なのですが、ハイルは子供に姿を変え、ハルと名乗り生活をしております」
「証拠は?」
エリドリアスが尋ねる。
「ハルと言う少年が使う力。あれは、ハイルにしか使えない魔法です」
「なるほどな……魔法を使うのであれば、確かにそれはハイルだという証拠になる」
スザリークが納得したように言う。
「しかし、なぜ子供に? そもそもハイルはなぜ行方不明になったんだ?」
ビャクトリースがデルビーズに尋ねる。
「どうやら、パーティーメンバーであるガイルと言う男が、ハイルを刺し殺そうとしたようで。実際、そこでハイルは死んでしまう所だったようです。しかし、何かが起きて子供になった」
デルビーズの報告に、全員が黙ってしまう。
『ヘルズ』
「なんですか、お姉様」
『あの計画を実行しろ』
「は、はい! 分かりました!」
『あのお方にはエリドリアス、お前から報告してくれ』
「は、はい! 畏まりました!」
『ふぅ〜……』
「お姉様!? 大丈夫ですか!?」
『我は少し疲れた。今度は期限を設けない。なんとしてもハルと言う少年を捕らえよ!』
『はっ!!!』
謎の声に、その場にいた全員が返事をする。
『ヘルズ、私は休む』
「うん! 私もそっちにいくね!」
そう言って、ヘルズダールはこの部屋から出ていく。
「私達も」
「あぁ。対策を練らねば」
そう言って、ビャクトリースとスザリークも部屋を出ていった。
部屋の中にデルビーズとエリドリアスだけになった。
デルビーズはエリドリアスに近づき──、
「ハルの件、忘れたのか? 前に伝えたと思ったが」
「あ? なんの話だ? ハルについては今日が初耳だ」
「初耳……?」
「あぁ。それと、私に気安く話しかけるな。反吐が出る」
そう言って、エリドリアスは部屋を出ていく。
一人残ったデルビーズ。
デルビーズはエリドリアスが出ていったあとの扉を見つめながら──、
「どういう事だ……? 俺は確かにエリドリアスに報告をしたはず……」
いつも一緒に暗躍していたエリドリアス。
そんなエリドリアスとは、時折話が合わない時がある。
と言うより、今のように話しかけるなと言われる事が多い。
なのに、外だと普通に話すことができる。
「一体、どういう事なんだ……?」
疑問を抱きながらも、デルビーズも計画を進める為、部屋から去った。
ちなみに、エリドリアスはこの後、帝国ブラコリスタスへと向かった。




