## 第22話「100階への道」
記憶結晶塔、正面入口。
ジンが時間を稼いでくれている間に、俺たちは塔に到達した。
「封鎖されてる」
真田先輩が扉を確認する。
幾重にも張られた記憶結界が、侵入を拒んでいた。
「私に任せて」
鈴音が前に出る。
「記憶調律・解放の旋律」
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【白石鈴音】Lv.37
MP:520/550(スキル使用-30)
記憶調律・解放の旋律 Lv.3
効果:記憶結界を音で中和し解除
所要時間:通常10分
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美しい音色が響き、結界が少しずつ解けていく。
しかし——
「時間がかかりすぎる」
美咲が塔の頂上を見上げる。
不気味な光が、さらに強くなっていた。
「私が蒼を運ぶ」
美咲の提案に、真田先輩が異議を唱える。
「待て、俺たちはどうする」
「階段で追いかけて」
「階段って…100階だぞ」
鈴音が青ざめる。
確かに、常識的に考えて不可能に近い。
「でも、他に方法が」
その時、鈴音の調律で結界が完全に解けた。
扉が重い音を立てて開く。
中は薄暗く、不気味な雰囲気が漂っていた。
「とにかく中へ」
全員で塔の内部に入る。
エントランスホールは想像以上に広大だった。
そして——
「エレベーターが動いてない」
美咲が確認する。
「階段は…あった」
壁際に、螺旋階段の入口。
見上げても、終わりが見えない。
「マジで100階を階段で…」
真田先輩が呻く。
「仕方ない」
俺が決断を下す。
「美咲、俺を頼む」
「うん」
美咲が戦闘形態に変身する。
光の翼が広がり、俺を抱えて浮上し始める。
「すぐに追いつくからな!」
真田先輩が叫ぶ。
「無理しないで!」
鈴音も心配そうに見上げる。
「ああ!上で待ってる!」
俺と美咲は、塔の中を上昇していった。
### ◆◇◆
残された真田剛と白石鈴音。
二人は顔を見合わせた。
「行くか」
「…行くしかないわね」
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【100階への挑戦開始】
真田剛 Lv.48
HP:950/950
MP:400/400
白石鈴音 Lv.37
HP:450/450
MP:490/550
目標:100階(約400メートル)
推定所要時間:通常の人間なら2時間以上
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階段を駆け上がり始める。
1階、2階、3階——
最初は順調だった。
「このペースなら」
「甘い考えは禁物よ」
鈴音が釘を刺す。
案の定、10階を過ぎたあたりから、異変が起きた。
「敵か」
階段の踊り場に、統制局の兵士が待ち構えていた。
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【遭遇敵】
統制局守備兵×3
平均レベル:30
配置:10階ごとに3~5名
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「ここは通さん」
「邪魔だ!」
真田先輩が剣を抜く。
「記憶剣・一閃!」
レベル差もあり、瞬時に3人を倒す。
しかし——
「10階ごとにこれじゃ…」
「時間との勝負ね」
二人は再び駆け出した。
### ◆◇◆
20階。
「はぁ…はぁ…」
既に息が上がり始めている。
戦闘を挟みながらの階段は、想像以上に体力を消耗する。
「まだ…5分の1…」
鈴音が壁にもたれる。
「大丈夫か?」
「平気…じゃないけど、行くしかない」
「ああ」
真田先輩が鈴音の手を取る。
「一緒に行こう」
「真田先輩…」
「今更だが」
真田先輩が照れくさそうに言う。
「俺たち、いいコンビだよな」
「…そうね」
鈴音が微笑む。
「脳筋と頭脳派の」
「おい」
二人は笑いながら、再び階段を上り始めた。
### ◆◇◆
40階。
敵の数が増えてきた。
今度は5人。
しかも——
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【中級守備隊】
隊長:Lv.35
隊員:Lv.32×4
戦術:連携攻撃
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「フォーメーションを組んでる」
「面倒ね」
しかし、二人の連携も負けていない。
「記憶調律・幻惑の音」
鈴音が敵の動きを乱す。
その隙に——
「記憶剣・五連撃!」
真田先輩が一気に制圧する。
「ナイス連携」
「当然でしょ」
しかし、消耗も激しい。
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40階到達時点:
真田剛
HP:820/950(戦闘ダメージ)
MP:310/400(スキル使用)
白石鈴音
HP:400/450(疲労)
MP:350/550(スキル多用)
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「半分も行ってないのに」
「弱音は禁物」
でも、鈴音の足も震えている。
「少し…休もう」
「でも、蒼たちが」
「1分だけ」
二人は階段に座り込む。
「なあ、鈴音」
「何?」
「蒼の奴、変わったよな」
真田先輩が天井を見上げる。
「最初に会った時は、F級の弱っちい奴だったのに」
「そうね」
鈴音も思い出す。
「でも、芯は変わってない」
「ああ、妹思いで、仲間思いで」
「だから、私たちも頑張れる」
「そうだな」
真田先輩が立ち上がる。
「よし、行くか」
「ええ」
### ◆◇◆
60階。
もう、どれくらい時間が経ったかわからない。
足は鉛のように重く、呼吸も乱れている。
「敵だ」
また、守備隊が現れる。
今度は——
「隊長格か」
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【上級守備隊長】
Lv.42
職業:記憶戦士(B級)
HP:800/800
MP:400/400
特殊スキル:記憶障壁
効果:物理・記憶攻撃を50%軽減
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「ここから先は、実力者しか通さない」
「なら、証明してやる」
真田先輩が剣を構える。
しかし、足がふらつく。
「真田先輩!」
「大丈夫だ」
強がりを言うが、明らかに限界が近い。
「私が」
鈴音が前に出る。
「記憶調律・戦歌!」
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【新スキル発動】
記憶調律・戦歌 Lv.1
効果:味方の全能力を一時的に30%上昇
疲労を一時的に無効化
代償:使用後、反動で能力低下
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「これは…」
真田先輩の体に力が戻る。
「すげぇ…力が湧いてくる」
「今のうちに!」
二人の連携攻撃が、隊長を圧倒する。
しかし——
「ぐっ…」
戦闘後、鈴音が膝をつく。
「鈴音!」
「大丈夫…ちょっと反動が…」
真田先輩が鈴音を背負う。
「お、重い」
「失礼ね」
「冗談だ」
真田先輩が鈴音を背負ったまま、階段を上り始める。
「下ろして…一人で歩ける」
「無理すんな」
「でも」
「仲間だろ」
その言葉に、鈴音は何も言えなくなった。
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80階。
奇跡的に、ここまで来た。
真田先輩は鈴音を背負ったまま、20階分を上ってきた。
「もう…下ろして」
鈴音が回復し、自分で歩けるようになる。
「あと20階」
「ああ」
しかし、二人とも限界を超えている。
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80階到達時点:
真田剛
HP:400/950(限界域)
MP:100/400(ほぼ枯渇)
状態:極度の疲労
白石鈴音
HP:200/450(危険域)
MP:80/550(枯渇寸前)
状態:戦歌の反動+極度の疲労
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「正直…キツい」
真田先輩が本音を漏らす。
「でも」
「行くしかない」
鈴音が決意を込めて言う。
「蒼が、待ってる」
「ああ」
二人は最後の力を振り絞って、階段を上り続ける。
そして——
### ◆◇◆
90階。
「あと…10階…」
もう、声を出すのも辛い。
足は完全に限界を超え、意識だけで動いている。
そこに——
「ようやく来たか」
最後の関門が待っていた。
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【白銀透】Lv.66
職業:記憶処刑人(SS級)
HP:7000/7000
MP:4000/4000
統制局執行部長
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「執行部長…」
「君たちは、ここで終わりだ」
白銀が処刑の鎌を構える。
絶体絶命。
もう、戦う力は残っていない。
しかし——
「諦めるか」
真田先輩が、ふらつきながらも剣を抜く。
「仲間が…待ってるんだ」
「そうね」
鈴音も杖を構える。
「ここで…終われない」
二人の目に、まだ光が宿っている。
それは——
仲間を信じる、強い意志の光だった。
「不屈の闘志!」
真田先輩の新スキルが発動する。
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【不屈の闘志】
効果:致命傷を1度だけHP1で耐える
発動時、全能力50%上昇(30秒)
条件:強い意志
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「記憶協奏曲!」
鈴音も最後の力を使う。
二人の力が共鳴し、奇跡を起こそうとしていた。
90階での、最後の戦いが始まる——
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【第22話終了時ステータス】
真田剛 Lv.48
HP:400/950(限界域)
MP:100/400(枯渇)
位置:90階
状態:不屈の闘志発動
白石鈴音 Lv.37
HP:200/450(危険域)
MP:50/550(枯渇)
位置:90階
状態:極度疲労も意志力で行動
遭遇敵:白銀透(Lv.66)
備考:
二人の決死の100階挑戦。
仲間との絆が、限界を超えた力を生み出す。
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