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## 第23話「銀の死神」

記憶結晶塔90階。


極限まで消耗した真田剛と白石鈴音が、白銀透と対峙していた。


「愚かな」


白銀が処刑の鎌を構える。


「その状態で、私に勝てると思うか」


確かに、戦力差は歴然。


レベル66対レベル48と37。


しかも、こちらはほぼ戦闘不能に近い。


「勝てるかどうかじゃない」


真田先輩が剣を構える。


手は震え、足もふらついている。


「やるしかないんだ」


「そうね」


鈴音も杖を握りしめる。


「ここで諦めたら、今までの苦労が無駄になる」


二人の瞳に、まだ諦めの色はない。


「ならば、苦痛なく終わらせてやろう」


白銀が動いた。


===================================

【白銀透の攻撃】

記憶処刑・断頭台

効果:対象の記憶を断ち切る即死技

速度:音速を超える

回避:現在の二人では不可能

===================================


銀の軌跡が、二人に向かって——


ガキィィン!


金属音が響き、白銀の鎌が止まった。


「なに!?」


「間に合った…」


声の主は、朝倉蒼だった。


黒い刃で、白銀の攻撃を受け止めている。


「蒼!」


「遅くなってすまない」


俺と美咲が、二人の前に立つ。


「よく頑張った。あとは任せろ」


### ◆◇◆


実は数分前——


俺と美咲は、塔の内部を上昇していた。


「90階…何か強い気配が」


美咲が察知する。


「それに、真田先輩と鈴音の記憶反応も」


「急ごう」


窓を突き破って90階に侵入。


そこで見たのは、限界まで戦い抜いた仲間の姿だった。


(間に合ってよかった…)


### ◆◇◆


「記憶喰らい…」


白銀が距離を取る。


「それに人工記憶体も」


「白銀透」


俺は相手の名を呼ぶ。


「統制局執行部長、別名『銀の死神』」


「知っているのか」


「ああ。1000人以上を処刑してきた、統制局の切り札」


白銀が薄く笑う。


「2000人を超えたよ、最近」


狂気じみた数字。


それだけの人間の記憶を、奪ってきたということ。


「なぜそんなことを」


「秩序のためだ」


白銀が即答する。


「記憶は管理されるべき。そして、不要な記憶は処分する」


「不要な記憶なんてない」


俺は断言した。


「すべての記憶に、意味がある」


「甘いな」


白銀が鎌を振るう。


「記憶処刑・千の刃」


無数の銀の刃が、雨のように降り注ぐ。


「美咲!」


「わかってる!」


美咲が光の障壁を展開。


俺も記憶武装化で応戦する。


===================================

【戦闘開始】

朝倉蒼(Lv.44)&神楽美咲(Lv.???)

VS

白銀透(Lv.66)


真田剛&白石鈴音は後方で回復中

===================================


「記憶喰らい!」


白銀の記憶を奪おうとする。


しかし——


「無駄だ」


白銀の周囲に、銀の膜が張られる。


「記憶遮断。私の記憶は、誰にも触れさせない」


なるほど、用意周到だ。


「なら、真正面から!」


記憶武装化で三刀を展開。


黒、白、金の刃が、白銀に襲いかかる。


「遅い」


白銀は最小限の動きで、すべてを回避。


そして——


「記憶処刑・魂の断絶」


鎌が俺の脇腹をかすめる。


「ぐっ!」


かすっただけなのに、凄まじい激痛。


===================================

HP:800 → 650(-150)

特殊効果:記憶に直接ダメージ

一時的に記憶が混濁

===================================


「蒼!」


美咲が援護しようとする。


しかし、白銀は一瞬で美咲の背後に回る。


「人工物は、こうすれば——」


白銀の手が、美咲の核心部分に触れる。


「きゃあ!」


美咲が苦痛の声を上げる。


「やめろ!」


「ほう、大切な仲間か」


白銀が美咲を人質に取る。


「動くな。この人工記憶体を破壊されたくなければ」


最悪の状況。


しかし——


「ふざけるな」


後ろから、声が響いた。


真田先輩だった。


ボロボロの体で、それでも立ち上がっている。


「俺たちの仲間に、手を出すな」


「まだ動けるのか」


「当たり前だ」


真田先輩の全身から、凄まじい闘気が溢れ出す。


===================================

【不屈の闘志・第二段階】

HP1の状態で発動

全能力200%上昇

持続時間:60秒

代償:使用後、戦闘不能

===================================


「真田先輩!それ以上は!」


「いいんだ」


真田先輩が笑う。


「仲間のためなら、これくらい」


「私も」


鈴音も立ち上がる。


杖を支えに、ふらふらと。


「まだ、やれます」


「鈴音…」


「記憶協奏曲・最終楽章」


===================================

【記憶協奏曲・最終楽章】

全員の能力を限界まで引き出す

効果:パーティー全体の能力50%上昇

代償:使用後、24時間能力使用不可

===================================


美しくも悲しい音色が、響き渡る。


俺と美咲、そして真田先輩に力が流れ込む。


「これは…」


「4人の力を、一つに」


鈴音が微笑む。


「これが、私たちの絆」


白銀が初めて、表情を変えた。


「まさか、ここまでとは」


「俺たちを、なめるなよ」


4人で、白銀を囲む。


ボロボロだけど、心は一つ。


「行くぞ!」


### ◆◇◆


4対1の激戦が始まった。


真田先輩の剣、鈴音の調律、美咲の光、俺の記憶喰らい。


すべてが完璧に連携し、白銀を追い詰めていく。


「くっ…」


白銀が後退する。


さすがに、4人の連携攻撃は防ぎきれない。


「なぜだ…」


白銀が呟く。


「なぜ、そこまでして戦える」


「決まってるだろ」


俺は答えた。


「仲間がいるからだ」


「仲間…」


白銀の目に、一瞬何かが宿る。


昔の記憶?


「俺にも…いたな…」


「白銀?」


「いや、もう遅い」


白銀が鎌を構え直す。


「私は、もう戻れない」


「そんなことない」


俺は手を伸ばす。


「まだ、やり直せる」


「…甘いな、やはり」


白銀が最後の技を放とうとする。


しかし——


「もう、力が…」


白銀の体が、ふらつく。


4人の連続攻撃で、ダメージが蓄積していた。


「今だ!」


俺は記憶喰らいを発動。


白銀の記憶遮断も、もう機能していない。


そして、見えた。


白銀の過去が。


かつて、彼にも大切な仲間がいた。


しかし、任務中に仲間を失い、それから心を閉ざした。


記憶を処刑することで、自分の痛みから逃げていた。


「白銀…」


「見るな!」


白銀が叫ぶ。


しかし、もう遅い。


俺は、彼の痛みを喰らった。


そして——


「記憶変換」


負の記憶を、正の記憶に。


痛みを、強さに。


「なにを…」


「仲間の記憶は、痛みだけじゃない」


俺は白銀に、変換した記憶を返す。


「楽しかった日々も、あったはずだ」


白銀の目から、涙が溢れる。


「ああ…そうだった…」


膝をつく白銀。


もう、戦う意志はなかった。


「俺は…何をしていたんだ…」


2000人。


取り返しのつかない数。


「償いは、これから」


俺は白銀に手を差し伸べる。


「生きて、償え」


白銀が顔を上げる。


そして、震える手でそれを掴んだ。


### ◆◇◆


戦いが終わった。


白銀は、気を失って倒れている。


もう、敵ではない。


「やった…」


真田先輩が、その場に崩れ落ちる。


不屈の闘志の反動だ。


「真田先輩!」


「大丈夫…ちょっと、休ませてくれ…」


鈴音も、壁にもたれて座り込む。


「私も…限界…」


二人とも、よく頑張った。


「ありがとう」


俺は心から礼を言う。


「二人のおかげで、勝てた」


「仲間…だろ…」


真田先輩が、薄く笑う。


「当然よ…」


鈴音も。


「美咲、二人を」


「うん、治癒します」


美咲が二人に治癒の光を当てる。


完全回復は無理でも、応急処置はできる。


「さあ、最上階へ」


あと10階。


風間が待っている。


しかし——


ドドドドド


塔全体が、激しく震動し始めた。


「なんだ!?」


「上から…凄まじい記憶エネルギーが」


美咲が青ざめる。


まさか——


「始原の記憶が、起動した!?」


時間切れか。


「急ぐぞ!」


俺と美咲は、最上階へ向かって駆け出した。


決戦の時は、すぐそこまで迫っている。


===================================

【第23話終了時ステータス】


朝倉蒼 Lv.45(白銀戦でレベルアップ)

HP:650/820

MP:400/680

位置:90階→最上階へ


神楽美咲

HP:???(軽傷)

MP:???

位置:蒼と同行


真田剛 Lv.48

HP:100/950(不屈の闘志反動)

MP:0/400(完全枯渇)

位置:90階で休息中

状態:戦闘不能


白石鈴音 Lv.38(協奏曲でレベルアップ)

HP:150/470

MP:0/580(完全枯渇)

位置:90階で休息中

状態:能力使用不可(24時間)


白銀透

状態:改心、気絶中


始原の記憶:起動開始

===================================

【更新予定】

毎日更新を目指します!

最低でも週5は更新したいと思ってます。

【お願い】

★(評価)や感想をいただけると、作者のMPが回復します!

特に感想は、次話を書くエネルギーになります。

「ここが良かった」「ここはこうして欲しい」など、どんなことでも嬉しいです!


批判的な意見も大歓迎です。

初心者なので、皆様のご意見で成長していきたいと思ってます。

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