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## 第14話「記憶の闘技場」

天宮家の依頼から1週間。


俺は順調に依頼をこなしていた。


===================================

【この1週間の成果】

完了した依頼:8件

獲得報酬:150万メモ

前回残高:10万メモ(500万メモは治療費に使用)

現在の所持金:160万メモ

葵の治療費(第二段階):500万メモ

残り目標額:340万メモ


レベルアップ詳細:

Lv.29 → Lv.30(依頼3件目)

・HP:420 → 435(+15)

・MP:250 → 265(+15)

・知力:B(維持)


Lv.30 → Lv.31(依頼7件目)

・HP:435 → 450(+15)

・MP:265 → 300(+35)※大幅上昇

・精神:C → B

・職業熟練度:75%(B級まであと25%)


現在のステータス:

【朝倉 蒼】Lv.31

HP:450/450

MP:300/300

筋力:C|敏捷:C|知力:B|精神:B|幸運:C

===================================


「あと少しだな」


訓練場で汗を拭きながら、真田先輩が言う。


「ああ、このペースなら今月中には」


「でも、最近依頼の質が」


鈴音が心配そうに言う。


確かに、簡単な依頼から片付けていった結果、残っているのは難易度の高いものばかり。


「そういえば」


真田先輩が何かを思い出したように言う。


「手っ取り早く稼ぐ方法があるぞ」


「なんですか?」


「記憶の闘技場」


その名前に、全員の顔が曇る。


「それは…」


「危険すぎる」


鈴音と美咲が反対する。


記憶の闘技場。


地下で開催される、違法すれすれの賭け試合。


記憶を賭けて戦い、勝者は敗者の記憶と賞金を総取りする。


「でも、優勝賞金は300万メモだ」


「!」


一気に目標額を超える金額。


「今夜、月例トーナメントがある」


真田先輩が続ける。


「俺も出るつもりだった。一緒にどうだ?」


悩む。


確かに魅力的だが、リスクも大きい。


「俺も出る」


決心した。


「蒼!」


「大丈夫。今の俺なら」


レベル31。


もう、最弱じゃない。


「…わかった」


鈴音がため息をつく。


「でも、私たちも観戦に行く」


「私も」


美咲も頷く。


「ありがとう」


### ◆◇◆


深夜。


記憶屋街の地下深く。


そこに、闘技場はあった。


「すげぇ熱気だ」


円形の闘技場を、観客席が取り囲んでいる。


ざっと見て、500人は超える観客。


そして、中央のリングでは——


ドガァ!


記憶を武器に変えた戦士たちが、激しく戦っていた。


「朝倉、真田じゃねえか」


受付で、見知った顔に出会った。


===================================

【バルト】Lv.33

職業:記憶傭兵(B級)

HP:520/520|MP:280/280

筋力:B|敏捷:B|知力:C|精神:C

戦績:48勝12敗

得意技:記憶銃撃

===================================


「バルトさん」


以前、依頼で一緒になった記憶屋だ。


「お前らも出るのか?」


「ああ」


「そうか…気をつけろよ」


バルトが声を潜める。


「今夜は、ヤバい奴が来てる」


「ヤバい奴?」


「『記憶を砕く者』クラッシャー・ジンだ」


その名前に、真田先輩の顔が険しくなった。


「あいつが…」


===================================

【クラッシャー・ジン】Lv.45

職業:記憶破壊者(A級)

HP:800/800|MP:500/500

筋力:A|敏捷:A|知力:C|精神:B

戦績:99勝0敗

主要スキル:

・記憶破壊 Lv.5(触れた記憶を破壊)

・破壊領域 Lv.4(範囲破壊)

・鋼の意志 Lv.5(精神攻撃耐性)

特徴:相手の記憶を完全に破壊する

危険度:SS級

===================================


「99連勝の化物だ」


バルトが説明する。


「しかも、負けた相手は全員、記憶を完全に破壊されて廃人になってる」


ゾッとする話だ。


「なんでそんな奴が野放しに」


「ここは違法地帯。何が起きても自己責任だ」


確かに、ここに法律は及ばない。


「エントリーするなら急げ。もうすぐ締切だ」


結局、俺と真田先輩はエントリーした。


トーナメント表を見る。


参加者は32名。


俺とジンは、反対側のブロック。


決勝まで行かないと当たらない。


「まずは、一回戦だ」


### ◆◇◆


「第3試合!朝倉蒼 対 鉄拳のガイ!」


リングに上がる。


相手は、筋骨隆々の大男。


===================================

【鉄拳のガイ】Lv.27

職業:記憶格闘家(D級)

HP:500/500|MP:150/150

筋力:B|敏捷:D|精神:E

主要スキル:記憶強化拳 Lv.3

戦闘スタイル:パワー型

===================================


レベルは俺の方が上。


落ち着いて戦えば——


ゴング!


「うおおおお!」


ガイが突進してくる。


記憶を纏った拳が、凄まじい速度で迫る。


「記憶武装化!」


黒い刃で受け止める。


ガキィン!


「ほう、やるじゃねえか」


ガイがニヤリと笑う。


「だが、こんなもんじゃねえぞ!」


連続の拳打。


一発一発が重い。


でも——


「遅い」


俺には、動きが見える。


この1ヶ月の成長は、伊達じゃない。


隙を見て、カウンター。


「記憶喰らい・部分摂取!」


ガイの戦闘技術の一部を奪う。


「なっ!」


動きが鈍るガイ。


そこに、追撃。


「はあああ!」


黒い刃が、ガイの胸を捉える。


ドサッ


ガイが倒れる。


「勝者、朝倉蒼!」


歓声が上がる。


===================================

【勝利】

獲得賞金:10万メモ

経験値:500


【朝倉 蒼】

現在レベル:31

獲得経験値:500/2000(次のレベルまで)

HP:450/450

MP:300/300

===================================


「よし」


まずは一勝。


観客席を見ると、鈴音たちが手を振っていた。


### ◆◇◆


トーナメントは順調に進んだ。


2回戦、3回戦と勝ち進み、ついに準決勝。


真田先輩も、反対側で勝ち進んでいる。


「準決勝!朝倉蒼 対 幻惑のミラージュ!」


今度の相手は、妖艶な女性。


===================================

【幻惑のミラージュ】Lv.35

職業:記憶幻術師(B級)

HP:400/400|MP:600/600

筋力:E|敏捷:B|知力:A|精神:A

主要スキル:

・偽りの記憶 Lv.4

・精神支配 Lv.3

・幻術結界 Lv.3

戦闘スタイル:精神攻撃特化

===================================


「あら、可愛い男の子」


ミラージュが舌なめずりする。


「あなたの記憶、素敵な色をしてるわ」


ゴング!


瞬間、世界が歪んだ。


「なっ…」


気がつくと、俺は見知らぬ場所にいた。


いや、知っている。


ここは——


「兄ちゃん」


「!」


葵が立っていた。


病院のベッドではなく、元気な姿で。


「葵…?」


「もう大丈夫だよ。病気、治ったんだ」


「本当か!?」


思わず駆け寄ろうとする。


でも——


『騙されるな!』


Systemの声で、我に返る。


そうだ、これは幻術。


ミラージュが見せている、偽りの記憶。


「くっ…」


でも、幻術から抜け出せない。


あまりにもリアルで、望んでいた光景で。


「どう?素敵でしょう?」


ミラージュの声が響く。


「あなたが一番望む記憶。それを見せてあげてる」


「卑怯な…」


「卑怯?これも戦術よ」


幻の中で、葵が手を伸ばしてくる。


「一緒に帰ろう、兄ちゃん」


心が揺れる。


偽物だとわかっていても。


でも——


「ごめん、葵」


俺は目を閉じた。


「本物のお前を、治すまで帰れない」


「兄ちゃん…?」


「さよなら、偽物」


全力で精神を集中する。


そして——


「記憶喰らい・自己適用!」


自分自身の「幻術にかかった記憶」を喰らう。


パリン


ガラスが割れるような音と共に、幻術が解けた。


「なっ!?」


ミラージュが驚愕する。


「自分の記憶を喰らうなんて!」


「教えてくれてありがとう」


俺は前に出る。


「本当に大切なものが何か、再確認できた」


全速力で距離を詰める。


「記憶武装・双刃!」


両手の刃が、ミラージュを捉える。


「きゃあっ!」


ミラージュが倒れる。


「勝者、朝倉蒼!」


また歓声。


でも、俺の心は重かった。


偽物でも、葵の元気な姿を見れて。


早く、本物も——


### ◆◇◆


そして、決勝戦。


予想通り、相手は——


「決勝戦!朝倉蒼 対 クラッシャー・ジン!」


巨大な男が、リングに上がってくる。


全身が傷だらけ。


それは、今までの戦いの勲章。


「お前が記憶喰らいか」


ジンが低い声で言う。


「面白い。俺と正反対だ」


「正反対?」


「俺は記憶を壊す。お前は記憶を喰らう」


ジンが構えを取る。


「どっちが上か、確かめようじゃねえか」


===================================

【決勝戦開始】

朝倉蒼 Lv.31

HP:450/450|MP:300/300

職業:記憶喰らい(C級)

戦闘力:推定2,500


VS


クラッシャー・ジン Lv.45

HP:800/800|MP:500/500

職業:記憶破壊者(A級)

戦闘力:推定5,800


戦力差:2.3倍

勝率予測:18%


勝利条件:相手の戦闘不能

敗北条件:記憶の完全破壊

===================================


ゴング!


瞬間、ジンが消えた。


速い!


本能的に横に跳ぶ。


ドゴォ!


さっきまでいた場所が、爆発したように砕ける。


「ほう、避けたか」


ジンが笑う。


「だが、次は——」


連続攻撃。


拳、蹴り、肘、膝。


あらゆる部位が凶器となって襲いかかる。


防御で精一杯。


しかも——


「ぐっ!」


防御した瞬間、記憶が軋む。


触れただけで、記憶にダメージが。


「これが俺の能力」


ジンが説明する。


「触れたものの記憶を、破壊する」


恐ろしい能力だ。


まともに食らったら——


「どうした?攻撃してこないのか?」


挑発するジン。


だが、俺は冷静に観察していた。


ジンの動き。


攻撃パターン。


そして——隙。


(あった)


右の連撃の後、一瞬だけ防御が甘くなる。


そこを——


「はあああ!」


全力で突っ込む。


「記憶喰らい・強制摂取!」


ジンの「破壊の記憶」を奪おうとする。


しかし——


ガキィン!


「甘い」


ジンが俺の手を掴む。


「記憶破壊・直接注入!」


「があああ!」


頭の中で、記憶が砕ける音がする。


大切な思い出が、一つ、また一つと——


「やめろ!」


必死で手を振り払う。


===================================

【記憶損傷】

クラッシャー・ジンの攻撃により記憶にダメージ!


破壊された記憶:

・昨日の夕食の記憶(軽度)

・小学3年の遠足の記憶(中度)

・その他日常記憶×5(軽度)


保護された記憶:

・葵との記憶(完全防御)

・仲間との記憶(完全防御)

・両親の記憶(完全防御)


現在ステータス:

HP:350/450(-100)

MP:200/300(-100)

精神耐性:一時的に-20%

===================================


「ほう、耐えたか」


ジンが感心したように言う。


「普通なら、もう廃人だ」


「俺は…普通じゃない」


立ち上がる。


破壊された記憶が痛む。


でも、核心部分は守れた。


葵との記憶。


仲間との記憶。


それさえあれば——


「もう一度行くぞ」


今度は、作戦を変える。


直接触れるのは危険。


なら——


「記憶武装・遠距離展開!」


黒い刃を、飛び道具として放つ。


「ちっ」


ジンが避ける。


その隙に、距離を取る。


そして——


「記憶探査・全開!」


===================================

【スキル発動】

記憶探査 Lv.3 → 限界発動

消費MP:100(通常の2倍)

探査深度:過去10年分

精神負荷:中


探査成功!

ジンの核心記憶にアクセス

===================================


ジンの記憶を、遠距離から探る。


見えた。


ジンの過去が。


かつて、彼も普通の記憶屋だった。


しかし、ある日、暴走した記憶体に襲われ、仲間を失った。


その時、覚醒した能力。


記憶を破壊する力。


それで仇を討ったが、同時に仲間の記憶も破壊してしまった。


以来、彼は破壊者として生きている。


「なるほど…」


「何がなるほどだ」


「あんたも、苦しんでるんだな」


「!」


ジンの動きが止まる。


「あんたの本当の望みは、破壊じゃない」


「黙れ」


「仲間を守れなかった後悔。それが——」


「黙れええええ!」


ジンが激昂する。


凄まじい記憶エネルギーが溢れ出す。


===================================

【ジンの最終奥義】

記憶破壊・全解放『虚無の領域』

効果範囲:半径50m

破壊力:通常の500%

消費MP:400/500


空間内の全記憶を無差別に破壊

回避不可能

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「記憶破壊・全解放!」


リング全体が、破壊のエネルギーに包まれる。


避ける場所がない。


なら——


「記憶喰らい・限界突破!」


===================================

【限界突破発動】

全能力一時的に150%上昇

持続時間:60秒

消費MP:残り全て(100)


記憶喰らい Lv.4 → 一時的にLv.7相当

摂取速度:300%上昇

摂取可能対象:破壊エネルギーも可能に


WARNING:使用後反動あり

===================================


俺も全力を出す。


破壊のエネルギーを、喰らう。


「なにっ!?」


ジンが驚愕する。


「破壊を…喰らうだと!?」


「ああ」


苦しい。


破壊のエネルギーは、毒のように俺の中で暴れる。


でも——


「これも記憶だ。あんたの苦しみの記憶」


「…………」


「なら、俺が引き受ける」


全てを喰らい尽くす。


ジンの苦しみも。


後悔も。


怒りも。


そして——


ドサッ


ジンが膝をつく。


「なんで…」


「仲間を守りたかった。その気持ちは、俺も同じだから」


ジンが顔を上げる。


その目に、涙が。


「お前…」


「また、仲間を作ればいい」


手を差し伸べる。


「破壊じゃなく、守るために力を使えば」


ジンが、震える手でそれを掴む。


「…ありがとう」


小さな声で、ジンが言った。


「勝者、朝倉蒼!」


闘技場が、歓声に包まれる。


===================================

【戦闘終了時ステータス】

朝倉蒼 Lv.35

HP:250/550(限界突破の反動でダメージ)

MP:50/400(自然回復中)


状態異常:

・限界突破反動(6時間):全能力-30%

・記憶損傷(軽度):一部の記憶が不鮮明

・精神疲労(中度):集中力低下


回復必要時間:完全回復まで約24時間

===================================


===================================

【優勝】

賞金:300万メモ獲得!

追加報酬:ジンの信頼

経験値:5000


レベルアップ!

Lv.31 → Lv.32 → Lv.33 → Lv.34 → Lv.35


【朝倉 蒼】

職業:記憶喰らい(C級)→(B級)※Lv.35で昇格

HP:450 → 550(+100)

MP:300 → 400(+100)


ステータス上昇:

筋力:C → B

敏捷:C → B

知力:B → A

精神:B → A

幸運:C → B


スキルレベルアップ:

・記憶喰らい Lv.4 → Lv.5

摂取可能数:15個/日 → 20個/日

摂取速度:20%向上

・記憶武装化 Lv.3 → Lv.4

同時展開可能数:2 → 3

・記憶探査 Lv.3 → Lv.4

探査範囲:半径200m → 300m


新スキル習得:

・記憶変換 Lv.1

負の記憶を正の記憶に変換可能

・限界突破 Lv.1

一時的に全能力30%上昇(反動あり)


新称号:『闘技場の新星』

効果:対人戦闘時、全能力+10%

===================================


「やった…」


ついに、目標額に到達した。


===================================

【闘技場トーナメント最終結果】

順位:優勝

獲得賞金総額:350万メモ

(内訳:1回戦10万+2回戦10万+準決勝30万+決勝300万=350万)

獲得経験値総額:6500

戦績:4勝0敗


最終所持金:510万メモ

(160万+350万)


葵の治療費(残り):500万メモ

現在の達成率:102%(10万メモ超過達成)

===================================


これで、葵を——


「蒼!」


鈴音たちが駆け寄ってくる。


「すごかった!」


「怪我は?」


「心配したよ」


みんなの顔を見て、改めて実感する。


俺は一人じゃない。


「ありがとう、みんな」


そして、ジンが近づいてくる。


「朝倉」


「なんだ?」


「俺も、仲間に入れてくれ」


「え?」


「お前の側で、力の使い方を学びたい」


意外な申し出。


でも——


「もちろんだ」


握手を交わす。


===================================

クラッシャー・ジンのステータス:

Lv.45 → Lv.43(記憶喰らいの影響で若干低下)

HP:650/800(回復中)

MP:100/500(消耗)

職業:記憶破壊者 → 記憶守護者(転職)


新スキル習得:

・守護破壊(味方を守るための破壊)

・記憶修復(破壊した記憶の部分修復)


朝倉蒼との信頼度:70/100

===================================


また、仲間が増えた。


そして、ついに——


葵を完治させる金が、揃った。

【更新予定】

毎日更新を目指します!

最低でも週5は更新したいと思ってます。

【お願い】

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特に感想は、次話を書くエネルギーになります。

「ここが良かった」「ここはこうして欲しい」など、どんなことでも嬉しいです!


批判的な意見も大歓迎です。

初心者なので、皆様のご意見で成長していきたいと思ってます。

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