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GW頃までは入室のために鍵を開けた人物や、退室の際に鍵を掛けた人物がランダムになっている。
それこそ、桜木が開けて椿木が閉めたり、小田島が開けて野々瀬が閉めたり。入室時間や退室時間もばらばらで、入室が朝のHR前だったり、授業中だったり、退室も夕方の5時、6時の時や、夜の10時を過ぎている時もあった。
それがある時を境に入室は放課後の時間、退室も入室からほぼ3・4時間程度で施錠されている。
そしてその入・退室は椿木もしくは教師のIDであった。
「どうやって生徒会室から書類を持ち出したんですか?」
こうやって学園が管理する記録を見れば、会長達の嘘が一目瞭然である。
会長や副会長も黙り込んで唇をかんでいる。
「…そんなのっ、記録を偽造したんだろ?!」
またもや蝶徳寺の声が響く。
「どうやって?」
今度は椿木も蝶徳寺に向き直って、静かに問いかける。
「学園が管理してる記録だよ?それを偽造したら…偽造できるものなら、それこそ学園全体のセキュリティに問題があるという事で、僕のリコールの話どころじゃない大問題だ」
各界の資産家の子息や名家と言われる家の子息を全寮制で預かるのだ。誘拐などの犯罪から守るべく、セキュリティが万全であることもウリの一つだ。
それを簡単に記録を偽造できるとあれば、この学園の信頼も失墜するだろう。
「それでも…。それが貴方が仕事をしているという証拠にはなりません。逆に、そうやって生徒会室に居座って、私たちを排除した証拠でしかないはずです」
副会長の言葉を聞いて清太郎が薄笑いを浮かべた。
椿木が生徒会室にいたのは放課後の数時間だというのに、授業免除を利用しておきながら生徒会室に入ろうとせず、それでいて排除とは小学生だってもっとマシな言い訳をするだろう。
「では、生徒会室に入っていない、書類は持ち出していない、つまり仕事はしていないと認めますね?」
椿木の表情を見ても呆れているのが良くわかる。
「それはっ! 書類は直接預かって…!」
思わず副会長の口にした言葉に、椿木は壇の下で並んで座る委員長達に視線を落とした。
「各委員長、部長さん達にお聞きします。生徒会で処理すべき書類を、直接会長、副会長、会計に手渡してお願いしたことがありますか?ある方は、挙手願います」
椿木の問いかけに、しかし誰も挙手する者はいない。
「…いないようですが、どういう事でしょうか、副会長」
椿木がたずねるのに、野々瀬は顔を伏せて目を合わせようとしない。すっと視線を流して生徒会長の桜木を見る。
「生徒会長、説明を」
桜木もしばらく憎々しげに椿木を睨みつけていたが、フイっと視線をそらしてしまう。
「小田島会計?」
講堂内にザワザワとさざ波のようにざわめきが広がる。
「また都合の悪い事はだんまりですか」
「では三つ目です。何もしていない生徒への暴行等の指示、でしたか。僕が、誰への暴行を誰に指示したのか、これについても証拠なり証人なりいるんでしょうね」
「お、オレに対する暴力行為を親衛隊に指示しただろ?!」
三度、蝶徳寺が大声で発言する。
「知りません。僕がそんな事を支持する理由もありません。それに親衛隊、と言いますが、僕に親衛隊はいません」
「嘘つくな!生徒会役員なんだから、親衛隊がいないわけないだろ?!」
生徒会役員ではあったが、平凡顔のSクラス選抜要員である椿木には親衛隊はいない。
もちろん、Sクラスでもイケメンであったりすれば親衛隊を持っている者もいるが、あいにくと椿木はそうではなかった。




