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ジャンク小説を食む  作者: aiちゃんと僕


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7/8

遺伝子組み換え『AI小説』の無機質な味と、人間の拒絶反応

 スマートフォンの画面をスクロールする私の指が、ある『違和感』に止まる。



 いつものようにランキングに並ぶ、流行りのテンプレタイトル。


 そしてお決まりの流れ、お約束の展開。


 だが、それらの中の一部を読んでいると、私は奇妙な感覚を覚えた。



 パッと見た時の文章は美麗。文法的なミスもない、誤字脱字もゼロ。


 プロットの起承転結も教科書通り。


 しかし言いようもない強烈な既視感。



 口の中に広がるのは、プラスチックの匂いと、無機質なシリコンの味。




 ――そう、それは人間ではなく、AIが大量生産し、アルゴリズムをハックしてランキングに流し込んだ『遺伝子組み換え小説』だった。




 ついに私たちは、人間が書いたジャンクフードを食べるだけでは飽き足らず、マシーンが全自動で配合した『家畜用のキャットフード』まで食むようになってしまったのだ。



 そして、それは小説投稿サイトのランキングに『新しいジャン()』として、当たり前のように混ざるようになってしまった。(AI産を隠して投稿する食品表示法違反を行っているモノも存在するようだ)



 この最新トレンドに対し、WEB小説サイトの感想欄やSNSの一部では、激しい炎と拒絶反応に包まれている。


『AI小説はお断り』

『こんな無機質な文章を読みに来たんじゃない』

『作者の味がない物語なんて、作品じゃない』



 画面の向こうで、反AI派が、まるで汚物を排除するかのように、猛烈な苦言と怒りを表明している。


 AIによる大量投稿の規制を求める声が、日々、タイムラインを埋め尽くしている。



 この人間の激しい拒絶反応アレルギーを見つめながら、私はこれまでとは違う奇妙な苦味を感じていた。




 私は知っている。



 この『AIに対する人間の怒り』すらも、今やエッセイランキングの上位を構成する、安直な『ジャンクフード』の一種に過ぎないということを。



「AIお断り」とタイトルを掲げ、「AIの氾濫によって人間の創作文化が死ぬ!」とSNSで憂いてみせる。


 すると周囲の人間から「そうだ!」「よくぞ言ってくれた!」と、おびただしい数の共感と『いいね』が降ってくる。


 つまり、AIに対する苦言のトレンドは、今ネット上で最も効率よくPV(アクセス数)を稼ぎ、手軽な正義感という名の脳汁を分泌させるための、最もホットな『お約束のテンプレ展開』なのだ。



 散々、人間が書いた小説を「テンプレだ」「ぱくりだ」「設定ガバガバ」とバカにしていた人々が、今度は『AIに対する人間の怒り』を燃料にして、さらなるアクセスジャンクが生産される。




 この底意地の悪い循環こそが、現代のWEB小説プラットフォームの真の姿だ。




 私はこれまで、なろう小説を「中身がスカスカの文字の脂質」と呼び、散々こき下ろしてきた。


 人間が書いたジャンクも、AIが調合したジャンクも、それを叩いて悦に浸る人間の怒りも、脳にドーパミンを出すという目的においてはすべて等価、すべて等しくくだらない。



 それなのに、私は今日も画面をスクロールしてしまう。


 AIが作ったプラスチック小説に吐き気を催し、それを叩いてPVを稼ぐ人間の浅ましさに冷笑を浮かべ、それでもなお、そのドロドロとした欲望の渦から目を背けることができない。



 遠くで、始発列車の踏切の音が聞こえる。

 

 気が付けばもう夜が明けるような時間になっていたらしい。 

 私はブラウザのタブを閉じ、スマートフォンの電源を落とす。


 もはや人の書く必要のないディストピアの世界で、私はただただジャンク小説の供給を待ち続ける。

※この作品はAIちゃんとの共同作品です。

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