1.破滅を招くフレデリカ
ざああああああ。
ぴしゃっ。
季節外れの大雨が降りそそぐ。
フレデリカは、部屋の中で滝のような雨を眺めていた。
(またなのね……)
もう何度目だろうか。男性とのデートの予定となると、ほとんど必ず大雨だ。
今日はフレデリカの屋敷で、子爵家令息と食事をするはずだった。
屋敷に到着した男性は、『破滅を招くフレデリカの異名は本当だったんだ……』とぼそりとつぶやき、青ざめた顔で適当な言い訳をしてすぐに帰っていった。
彼の説明によると、道中馬車のドアが突然外れ、あげくに大雨が降り出したのだという。
フレデリカはいつもこうだった。
男性と一緒に居ると、または一緒に過ごす予定が入ると、突然相手に災難がふりそそぐ。
いっしょに乗っていた馬車の扉が外れたり、街を歩いていたら果物が転がってきて果汁まみれになったり。
おかげで2年前にも、不吉だという理由で婚約を破棄された。
元婚約者であるザイオンは、降り続く災難に耐えられなかったのだろう。
フレデリカはその当時の悲しみを思い出す。
「君と一緒にいるのはもう限界だ!!このままでは死んでしまう。婚約を破棄しよう。」
「待ってください、そんな急に……!両親はもう私の結婚を楽しみにしてくれているんです!」
「知るか。君と会うたびに不幸ばかり起きる。もう散々だ!次の結婚相手には、聖女として名高いシスターを呼んである。彼女と関わった人間には、幸福が訪れるという。君とは正反対だな!
このままでは私だけではない。我が家全体が落ちぶれてしまうかもしれない。もう私には連絡をしてこないでくれ。」
「そんな……。」
ザイオンはそのまま踵を返し立ち去って行った。その時、彼は何かを踏んだのかずるりと転び、しりもちをついた。
よろけながらも、ザイオンは振り返ることはなかった。こうしてフレデリカは独り身になったのだった。
この章はざまぁはかなり薄いです。




