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5.あわよくば仲良くなりたい



「初めまして、お手紙を送らせていただいたアリスミリアです!」


「アリスミリア様、お待ちしておりました。どうぞこちらへ」


アリスミリアは大興奮だった。

彼女がここまでどうやって鍛えたのか、普段何を食べているのか。あらゆることを質問したい。



しかし、初対面の相手にいきなり質問をぶつけるのは失礼にあたるだろう。



どうにか話をする中で少しずつ聞き出したい、あわよくば仲良くなりたいと、アリスミリアの思考はそればかりだった。



奥の部屋に到着すると、グレシアナはアリスミリアに座るよう促した。



「アリスミリア様、これまでのお話は手紙でもお伺いしましたが、婚約破棄にあったとのこと、大変お困りだったでしょう。


せっかく相談所を訪れていただいたからには、以前の相手よりもさらに素敵な相手と出会えるよう、全力を尽くさせていただきます。」


「ええ、ありがとうございます!」


「これから、当相談所のシステムや、結婚相談所とは何かについて説明をさせていただきます。説明の前に、確認したいことはありますか?」


「いいえ、まずは説明を始めてください。」



グレシアナは相談所について説明を始めた。

要するに、男女の希望を聞いて、希望に合った相手を引き合わせる仕組みらしい。



貴族でも登録者がいて、庶民でも貴族でも紹介が可能らしい。


「……以上ですが、何か質問はありますか?」


「いいえ、特には。会ってみた方が早そうだから、とりあえず何人か紹介していただきたいです。」


「ご利用ありがとうございます。お相手のご希望はありますか?」


「そうねえ……。ああ、うちには後継者がいないから、婿入りしてくれる人でないといけないわ。


年は近いほうがいいし、あとは頑丈そうな人が好みかも。

頭脳派よりは肉体派がいいな。あと、まずは貴族より庶民と会ってみたいかな。」



アリスミリアはエルミーヌのことを思い出していた。庶民の出の男と婚約し、幸せそうな友人。


自分も普段は会わない相手と会ってみたいと思ったのだった。



「頑丈そうな人、近い年齢ですね……。該当しそうな方が大勢いますよ!」


「よかった。それじゃあおすすめの方を順に紹介してください。」


「かしこまりました。」


「ところで……。あなた素晴らしい筋肉ね!普段どれくらいトレーニングしているの?」



一通り話が終わったため、アリスミリアはタイミングを見計らって質問を投げかけた。

アリスミリアの目は輝き、鼻息は興奮でふんふんと荒くなっている。


正直に言えば、紹介される予定の男たちよりも今はグレシアナに興味がある。



「ありがとうございます!トレーニングは毎日1時間程度ですかね」


「1時間?それくらいでそんなになるの……!?」


「あとは食べ物が大切かもしれません。食べる量を減らすとすぐに筋肉がなくなっていくので」


「食べ物ね!普段どんなものを食べているの?私も大きくなりたいんだけど、全然身長も筋肉も大きくならなくて……。」


「もちろん体質もあると思います。私が昔から食べているのは、鹿肉と猪肉ですかね」


「イノシシ!何度か食べたことがあるけれど、獣臭くて……。」


「確かにクセは強いですね。ただ私の故郷では、力強い動物を食べると自分も強くなるという言い伝えがあるのです。


イノシシはレンガ造りの家に突進して壁に穴をあけるほどの強靭さですから。

食べればそのエネルギーを取り入れることができますよ。」


「初めて聞いたわ!興味深い話ね。」


「独特の匂いについては、なくすには新鮮さが大切なので、すぐに食べることも重要ですね。あとは一撃で仕留めることができると臭みが少ないですよ。」


「自分で狩りをするの?」


「はい、ときどき。最近は減ってきていますが」


「かっこいい!私も自分で狩ってみたいわ!」


「アリスミリア様、そろそろになさってください。ご迷惑でしょう」


アリスミリアの熱狂ぶりが目に余ったのか、ロディが声をかけた。

このままでは本当に狩りに行く約束をし始めかねないと思ったのだろう。



「仕方ないわね……。また来るわ。」


「いつでもお待ちしています。お困りのことがあれば手紙でも相談を受けておりますので!」


「……本当にすばらしい体格だわ。騎士団に入団するつもりはない!?」


「アリスミリア様!」


こうしてアリスミリアの結婚相談所の利用が決まった。


すばらしい出会いと、日常のスパイスができたことへの喜びをかみしめながら、アリスミリアはご機嫌で帰ったのだった。



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