17.いい女だな
ヴォルガラスと書くべきところが間違えて全部略称になっています。すみません。そのうち修正します。
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その頃、グレシアナは結婚相談所で二人が上手くいったかどうか気にかけていた。
(ヴォルガ様はちゃんと告白できたのだろうか。)
グレシアナは、ヴォルガラスが外見に頓着しないことも、エルミーヌの性格を強く気に入っていることも良く知っていた。
問題はそれを本人に伝えられるかどうかだった。
エルミーヌが図書館でヴォルガと会った後、グレシアナはヴォルガから相談を受けていた。
「俺やっぱりあいつが良いんだけど、どうにかできねぇか?」
あいつというのは、エルミーヌのことだ。
「何かあったのですか?」
「図書館で会ったんだよ。俺が文字を読めないのを見てもバカにしなかったからな。やっぱりあいつはいい女だな」
ヴォルガは平民として騎士に入った。
騎士見習いとして平民から騎士になるものも多少いるが、貴族階級を持った上で騎士になる者はさらに多い。
要するにヴォルガの上司に当たる騎士は貴族が多く、知性も後ろ盾もないヴォルガはさんざん謗られてきた。
ヴォルガはこれまで努力と能力でカバーしてきたのだ。
エルミーヌの境遇と似ていることを、グレシアナは薄々感じていた。
グレシアナは笑顔で言った。
「エルミーヌ様は私の外見についても何も言いませんでしたから!」
グレシアナの背丈は男と比べても相当に高く、筋肉量も並みではない。
大抵の人は最初に会った時点で挨拶のように『大きいですね』と言ってくる。
もっと失礼な表現をされることも多々ある。
グレシアナにとって、それは別に嫌ではない。
しかし、エルミーヌは自分が髪の色を指摘されるのが嫌であることから、同じ思いを他人にはさせないようにしているのだろう。
外見に言及しないように気を遣っていることが感じられた。
素晴らしい気高さだ。
(エルミーヌ様は友人からの信頼も厚く、婚約破棄の際は励ますための友人で行列ができたと聞いている。
面倒見がよく努力家のエルミーヌ様が、外見ばかり気にされるのは本当にもったいない。)
グレシアナはヴォルガをちらりと見た。
(相性はそう悪くないと思うんだがなあ。)
エルミーヌがヴォルガの性格を気に入らないのならば仕方がない。
しかし、グレシアナはエルミーヌに自信をつけてほしかった。
「いっそ婚約の申し込みをしてみますか?」
婚約破棄をされたすぐ後に他の婚約の申し込みが来るというのは、親からしてもなかなか鼻が高いだろう。
婚約解消により家族からどんな仕打ちを受けているかわからないし、自信をつけるためには、強力な一手が必要だとグレシアナは考えた。
(それにヴォルガ様なら、婚約を断られてもそう傷つきはしないだろう。)
(エルミーヌ様が婚約を断ってもヴォルガ様に大したダメージはないし、エルミーヌ様には自信が付く。
うまくいけばヴォルガ様もラッキーだ。ほとんどメリットしかない。)
グレシアナはうまくいきそうな予感を感じた。
「ヴォルガ様、文章は一緒に考えますし、文字は代筆してもいいです。もうご家族宛に送ってしまいましょう。」
結局ヴォルガは湖でエルミーヌを好きな理由は伝えられなかったが、婚約を申し込んだことは功を奏していたようだ。
次回、ざまぁ回です。




