106曲目 ドッキリですか?え?違う??
読んでいただきありがとうございます!
本作の芸能界は作者の妄想で構成されているので、ご了承ください。
また、「 過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する」にちょっとだけリンクしてます。
両方読んでいただけるとより楽しんでいただけると思います!
毎週土曜日のAM8:00ごろ更新です。(遅れることもあると思います)
B面シリーズは不定期です。
今年も周年ライブが決まり、春からははホールツアーも決まった。
スーも推薦で大学が決まったのであとは楓の受験のみ。
「楓は余裕でしょ。内申点も良さそうだし」
ツアーの衣装合わせ中、ナツと楓の話をしていたらそう言われた。
「そりゃーなー。心配はしてない」
「じゃあなんで楓のその話を出したのさ」
「なんだかんだ言って心配なのよねー?」
衣装さんがクスクス笑いながらフォローしてくれた。
「まぁ、そりゃ」
「なんだよ、歯切れ悪い」
怪訝そうなナツ。
「はいはい、二人とも後ろ向いて」
衣装さんに言われて後ろを向く。
腕を広げて調整してもらう。
「てか、パピー上の空じゃない?」
「んー?」
ナツの言う通りで我ながら上の空。
それには理由がある。
「「映画のオファー!!」」
衣装合わせが終わり、ライブの打ち合わせと通しをする為にレッスン室にいた。
スーとトラが驚いて叫ぶ。
「声がでかいって」
二人の頭をペシッと軽く叩く。
「「痛て!!」」
スーとトラがオーバーに言う。
「パピー、すごーい!!」
目をキラキラさせる楓。
15歳でこんなピュアな目、あるかね。
「お前らうるせーよ」
トイレから戻ってきたゆうがスーとトラの頭を軽く叩く。
「「ひどい!!」」
「「なんでだよ」」
ゆうと、一緒に入ってきたナツもあきれた顔。
「てか、パピーすごいじゃん」
ナツが椅子に座りながら言う。
「あ、聞こえてた?」
「あんな叫んでたら外にも聞こえるって」
ゆうが言うとスーとトラはちょっと反省した顔。
「なんの映画か聞いて大丈夫?」
「”おれにち”の彰大役」
”平凡な俺のなんでもない日常”、通称”おれにち”。
仲良し4人組の男子高校生の日常を描いたギャグ漫画。
ギャグの中にも青春があって今、10〜20代に大人気だ。
もちろん、メンバーみんな読んでる。
彰大は4人組の中でも、ほわほわしたキャラだ。
「パピー、ピッタリじゃん」
「てかそのまんま」
ナツとスーが納得した顔。
「いや、だってさ、俺の演技の仕事なんて今まで1つしかないですけど?」
莉緒さんの弟役として出たドラマしかしていない。
あとはバラエティーばかりだ。
だからオファーの話を聞いた時から不思議でしょうがない。
岡本さんから話を聞いたのは衣装合わせの前。
「早く来てもらって悪いな」
「いいえ、大丈夫です」
各自で事務所集合で岡本さんから早めに来てほしいと言われていたので30分早く来ていた。
会議室に呼ばれて座ると岡本さんは1枚の紙を出した。
「陽太、映画のオファー来たぞ」
「…………??????????」
岡本さんの言葉に思考停止。
「おい、聞いてたか?」
「……え?オファー??ナツではなく???」
ナツはソロは演技メインだからオーディションではなくオファーももらえるようになったと言っていた。
だからナツのことでは??と思う。
「お前にだって」
「本当に?ドッキリとかでなく???」
思わずカメラが無いか部屋を見渡す。
「違うって。なんでそんなに疑ってるんだよ」
岡本さんが呆れ顔で言う。
「だって、俺、演技全然してないですし、ていうかなんで!?」
立ち上がって岡本さんに聞く。
岡本さんはちょっと引き気味に答える。
「作者の先生からのご指名なんだよ」
岡本さんが渡してくれた紙のある箇所を指す。
そこには「作者コメント」と書かれていた。
「”上田さんを初めて見た時から彰大役はこの人!と決めていました”…?」
「素直に受け取るのも大事だぞ?」
岡本さんが苦笑して言う。
「陽太、お前は自分が思うよりも認知されてるし、必要とされてるからな?」
「…そうなの?」
岡本さんの言葉に俺は更に驚きが隠せなかった。
俺に演技のオファーくることある??
思わぬオファーに驚くパピー。
できる仕事は全部やる!の精神がこのオファーに繋がったのでしょう。
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