104曲目 言ってなかったっけ?
読んでいただきありがとうございます!
本作の芸能界は作者の妄想で構成されているので、ご了承ください。
また、「 過去、私を嫌ったキミは今、私を溺愛する」にちょっとだけリンクしてます。
両方読んでいただけるとより楽しんでいただけると思います!
毎週土曜日のAM8:00ごろ更新です。(遅れることもあると思います)
B面シリーズは不定期です。
今日はレギュラーの2時間SPの収録日。
SPの時はいつも6人全員で参加だ。
「さー、今日は6人そろってるのでより賑やかになりますねー」
高野さんがそう言うと笑いが起こる。
「そんなことないですよ!俺たちだって成長しましたもん!大人です!」
トラが言うとまた笑いが起こる。
「トラ、それ言うと…」
ゆうがトラの口を塞いで俺を見る。
「初めて会ったのは小学生だったのになぁ」
「このくだり、ライブでやったじゃん」
ナツが呆れたように言う。
OAではナツの言葉の後にライブの該当部分が流れてた。
「そうか、トラと楓は小学生だったっけ」
「今は高校?」
高野さんと山上さんが聞くとトラは頷く。
「俺が高校1年で」
「僕が中学3年です」
トラと楓の返答に高野さんはしみじみした顔。
「楓が来年高校かー」
「ほら!!高野さんも同じ反応!!」
俺がナツとゆうの顔を見て言うとまた呆れ顔。
「高野さんはそうでしょうよ」
「うん、パピーと違う」
「なんで!!」
俺たちがギャーギャーしてると高野さんが呆れたように止めた。
今回の特番のコーナーの1つは俺たち6人のロケを見ながらクイズをする形式。
東京の観光名所の中でも注目な場所を巡るロケだ。
「次は都庁です」
VTRのナツが言うとみんなで見上げる。
「でっかー」
スーが呟く。
「都庁には2箇所、有名スポットがあります」
ナツが進めていき、最初に着いたのはフリーピアノ。
「あ、これ見たことある」
「そう、有名なピアノ」
SNSでピアノが上手い人たちが弾いてるのがよく流れてくるスポットだ。
「やっぱり派手だね」
「すごーい」
ゆうと楓がマジマジと見つめる。
「もしよければ弾いてみてください」
都庁の案内の方が俺たちに言ってくれる。
「え、いいんですか?」
「もちろんです」
「じゃあ…誰か弾ける?」
ナツが俺たちを見る。
みんな顔を見合わせてるのを見て俺は手を挙げる。
「じゃあ、俺やろっかなー」
「え!?パピー弾けるの!?」
トラが驚いて見てくる。
「まー、簡単なのなら」
「え、知らなかった」
俺は椅子に座って手をそえる。
何にしよっかなー、せっかくならみんなが知ってるのがいいし。
そんなことを思いながら曲を決める。
「よし」
「あ、いける?」
ナツに聞かれて頷く。
「じゃー、パピーお願いします」
〜♪
俺が弾き始めるとどよめきが起こったのがわかる。
「え?え?」
「ちょ、これさ」
「”レモンティー”じゃん!!」
楓、スー、トラが声を上げる。
レモンティーは俺たちの最新曲でゆうが出てる学園ドラマの主題歌。
最近、SNSでも使われることが多い曲でポップで可愛いキュンキュンラブソングだ。
弾いていた時は(当たり前だけど)気づかなかったが、ナツとゆうがカメラの後ろを見てた。
きっと岡本さんを見てたんだろう。
ワンフレーズ弾き終わるとメンバーだけでなく、周りにいたお客さんからも拍手もらった。
「ありがとうございますー」
「いや、ありがとうございます、じゃないのよ」
ナツに肩を掴まれる。
「へ?」
「なんでそんなに弾けてるの?てかなんで弾けるの??」
ゆうもグイッと詰め寄ってくる。
おーい、テレビって忘れてる?
「なんでって…母親がピアニストだし、ピアノ教室もしてるし」
「「「え!?」」」
5人が詰め寄ってきて俺は後退り。
「昔からピアノやってたから…って、あれ?言ってなかった?」
「「聞いてない!!」」
トラと楓が声を揃えて叫ぶ。
「えー?そうだっけ?」
「ボスも知らないって顔してるじゃん!!」
ゆうが岡本さんを指すと岡本さんが大きく頷く。
「あ、そうでしたっけ?」
「この人やば」
ナツが結構本気で引いてる。
「別にやばくないだろ」
「他に弾ける?」
スーに聞かれて頷く。
また椅子に座って今度はskyを弾く。
「skyも弾けるんだ」
「clear skyの曲はほぼ弾ける」
「何なの、この人」
ナツの言葉に返事をするとゆうの呟きが聞こえた。
俺はムッとする。
「何?俺がピアノ弾けるのダメなの?」
「え?めちゃくちゃいいじゃん!!」
スーが目をキラキラさせて言う隣でトラと楓が何度も頷く。
「「ピアノ弾けるのカッコイイ!!」」
トラと楓が声を揃えて言うのを俺はクスッと笑った。
VTRが終わってスタジオ。
「え?陽太ってピアノ弾けるの?」
「はい」
高野さんが目をまん丸にしてる。
「メンバーも知らなかったんだ」
「何ならマネージャーも知らなかったです」
ゆうが言うとスタジオはさらにどよめく。
「いやー、言ったつもりでした」
あははー、と笑ってると山上さんが呟く。
「陽太、恐ろしい子…」
その呟きでスタジオが爆笑が起きた。
俺、履歴書に書いてなかったっけ??
67曲目で言っていた武器はピアノのことでした。
実はピアノが得意なパピー。
この特技はいずれ大活躍するのです。
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