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ABILITY  作者: high
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6/25

可愛いと思います

お久しぶりです。第4話の前書きに登場人物をのせてます。

今回も誤字脱字、読みにくかったりするかもしれませんが、最後まで読んで頂けたら幸いです。

「多分あなたのアビリティは自動防御《オートガード》が出来ますね。」

 そう凛《りん》は納得したような顔で俺に言った。

「しかし、アビリティは自分の意志に応じて発動するはずですが朔乃《さくの》さんのオートガードには自分の意志が入っていない。・・・まるで、朔乃さんじゃない誰かが朔乃さんを守っているよう。」

「凛、どうかしたか?」

 俺は、凛が一人でぶつぶつ言っているようなので聞いてみた。

「いえ、これまでアビリティが使い手意志に関係なく発動するという前例がなく、少し考えていただけです。」

 凛は、顔を明るくしてそう答えたがやはり何か気になる点があるのだろうか少し後ろ暗い感じがした。

『さっくん、氷室《ひむろ》くん、今日はこれくらいでいいよ。今日はもう何もすることないから、もうおのおの自由な時間を過ごしてね。』

 天上の方から拡声器を通して灰蛇《はいだ》の声が響き渡る。

「おい、さっくんて誰だよ。」

 思わず言い返してしまった。つっこみ所沢山過ぎるだろ。

『朔乃くんのことだよ。“さくのくん”だから略してさっくん。双柳《なみや》さん的には100点なんだけど。』

「何が100点だ。いくら譲歩しても20点がせいぜいだろ。」

 誰がさっくんだよ、まんま過ぎるだろ。

 あいつ一様この施設のトップの所長なんだよな、大丈夫かよこの組織。

「朔乃さん、今から居住区にあなたを案内します。ついてきてください」

 凛が重そうな扉を開けながらそう言った。

「あのー、自宅には帰れないんですか。」

 答えは薄々わかってはいるが俺は僅かな希望を持って聞いてみた。

「そういえば言ってませんでしたね。朔乃さん、あなたは現在社会的には亡くなったことになっているのであの家ももう解約されています。」

「えっ」

 自分からしてもえらく情けない声を上げた。

 いや待って、社会的に亡くなったことになってるってどういうこと。

 じゃあ俺って今世界にいないはずの人間なんだ。戸籍とか無いんだ。

「なんだか、今日一番驚いてませんか…」

「ははっ、そうですね…、それじゃあとりあえずその居住区まで案内を頼みます。」

 凛に呆れたように半眼でそう言われ何と返そうか迷った挙げ句俺は、社交辞令のように笑い凛に案内を頼んだ。

 俺は、ずっと無言で凛の後ろについて歩いていた。その間、いろいろな感情が頭の中で混ざっている。

 やばい、凄く気まずい。

 さっきまでは色々考えたりすることがあって気にならなかったけど、今は頭が色々なことを考えることができて(多分)同年代の女性と二人きりで歩くなんて初めてだ。

 何か話した方が良いのだろうか。それとも、このまま黙って凛についてった方がいいのか。でもやっぱり、何か話題があった方がいいよな、でも、話題っても聞きたいことはありすぎて何から聞けばいいか分からないし、そもそも話す内容がまとまらないし!

「あの、どうかしましたか?」

 俺がおろおろしてるのを見かねてか凛は不審なものを見るような目で見ながらそう言った。

 あっやばい話かけられた。何か返さないと。

「あの、俺のこともさんづけしなくていいですよ。凶弥《きょうや》って呼んでもらって大丈夫ですから。」

 何言ってんだ俺。

 いきなり話かけられたから焦ってしまった。

 こんなこと言うつもりなかったから続ける言葉が見つからない。

「えっ、あ、はい、分かりました。えっと、その、きょ、凶弥。」

 凛は俺の言葉に驚くと、早口で少し顔を赤くしてうつむき、ぎこちなく俺の名前を呼んだ。

 なんだろう、ただ名前を呼ばれただけなのに凄い恥ずかしい。

 凛は、クールな雰囲気だと思っていたがいきなりこんな反応をされると不意に凛のことを可愛いなんて思ってしまった。

「そ、そんなことより、もう着きますから。」

「は、はい。分かゃ、分かりました。」

 思わず噛んでしまった。

 いや、本当あんな風に自分の名前を呼ばれてしまうとこっちも照れてしまう。

「その、すいません、名前を呼ぶだけであんなに取り乱してしまい。あまり慣れていないんです、男性の名前を呼び捨てにするのが。」

「大丈夫ですよ。そんな凛も可愛いと思うし。」

「か、かわ、可愛い、あ、う、あ、ありがとうございます。」

 俺の言った言葉を聞くと凛は、ますます顔を赤くしてうつむいていた。

 何言ってんだ俺。馬鹿じゃないの俺。死ぬの俺。

 なんで可愛いなんて口にしたんだ。

 別に嘘じゃないけど今言うことじゃないだろ!

 ああもう最悪だよ、出会って数時間の女性相手に可愛いだなんて、ヒモか!タラシか!ラブコメ主人公か!

「その…着きました。ここがあなたの部屋です。部屋の中の家具の配置なんかは自由にして大丈夫です。」

「わ、分かった。」

 部屋に到着し、凛は、耳まで赤くしてうつむきながら部屋の説明をした。

 ちなみに、俺も自分のせいだが恥ずかしくてうつむいている。

 助かった、この気まずい状態から解放される。

「それでは、私はこれで、何かあればまた来るかもしれません。ただ、施設内は歩き回らないでください。迷われても困りますし、後日案内するので。」

「歩き回らなければいいんだな、分かった。」

「それでは。」

 凛は、一礼すると廊下の奥にさっていった。


今回はタイトル見たら分かるかもしれませんが単なるお休み回ですね。

しかしまあ、ああいう会話見るのは好きじゃないけど書くのは楽しいです。

それでは、後書きを含め、最後まで読んで頂きありがとうございます。後数話あたりで新キャラ出したいと思ってるけど出せるか分かりません。次回も早めに投稿します。

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