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ABILITY  作者: high
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アビリティ“影”

お久しぶりです。現時点での登場人物は4話の前書きに載せています。気になったら見てください。それでは今回も誤字脱字があるかも知れませんが最後までやめずに読んで頂ければ幸いです。

「氷弾よ、穿《うが》て」

 凛《りん》がそう呟いた瞬間、凛の周りに半透明の小石ぐらいの塊が現れ、その塊が俺に向かって放たれた。

 なんだこれ、あの塊は何処から出てきた?それになんで凛はあのな顔をしたんだ?いくつかの疑問が頭に浮かんだがそんな疑問はすぐ頭から除外された。

 なぜなら、

 頭の中にあった疑問は答えを出そうとする暇もなく頭は死を認識した瞬間、そのことがすべての疑問を上書きしたからだ。

 やばい、あの塊に当たったら死ぬ。

 実際、頭が死を認識したところで向かってくる塊を避けられるわけではない。いくら走馬灯のようなスローな世界でも、その時間の流れに体はついていかない。

 意識がはっきりとした頭の中で俺は自分が死ぬことについて考えていた。

 やっぱり俺死ぬんだ。

 変だと思ったんだ、一度死んだはずなのに生きてるってこととか、いきなり異能力者と言われることとかが。

 きっと今までの出来事はあの世に行く前に見る夢のようなものだったのだろう。

 じゃあなにをしても夢は覚めるものなのだから悪あがきはやめておこう。これで死ねばやっとあの世に行ける。大切な人と会える。

 俺ははっきりと自分に向かってくる塊を見ていた。

 これに当たれば夢が覚める。楽になれる。そう思いながら俺は目を閉じた。

 数秒後、俺の体には何も変わったことは起こらなかった。

 不思議に思い、目を開けて見ると俺の視界には驚きに染まっている凛の顔と地面から這い出たようなユラユラと動く“黒い何か(●●)”があった。

「なんだ、これ?」

 思わず言葉が漏れてしまった。

 だが、目の前の“黒い何か”は明らかに俺が目を閉じる前には存在していなかったはずだ。

 それに、この“黒い何か”は地面から這い出たようにしか見えない。

 何もない地面から這い出るものなんて地球上にないだろ。

「朔乃《さくの》さん、本当にアビリティは使ったことないんですよね。」

 凛が驚きを隠せない声でそう問いかけてくる。

 その顔には驚きで染まっていたが目には異常なものを見る猜疑心《さいぎしん》のようなものがある気がした。

「いや、自分でも驚いてる。これがアビリティなのか?」

「はい、多分それが朔乃さんのアビリティなんですが、信じられません、初めてでここまで安定したアビリティを発動させるなんて。」

「本当に自分でも驚いてる、正直どうして発動したか分からないし。」

 素直に驚いている。俺としてはただ死を覚悟して目を閉じただけなのにアビリティが発動するなんて。

 にしても、さっきの“黒い何か”が俺のアビリティなのか。

 あれは何だったんだ?どうやら俺が目を閉じている間に出てきてあの塊から俺を守ってくれたみたいだし、凛と話してる途中に地面の中に消えている。

 自分のアビリティについて、様々な思考が頭の中を飛び交っている最中、俺は一つの答えを導きだした。

 俺のアビリティ

 何もなかったはずの地面から出現し、姿形は決まっておらず、黒い、

 この条件に当てはまるものは多分これしかない。

「俺のアビリティは“影”なのか。」

 真っ直ぐ俺は凛の目を見て確認するように尋ねた。

「“影”、ですか…」

 凛は少しうつむき考えるような仕草をすると考えがまとまったのか顔を上げた。

「そうですね、まだ一度見ただけなので断言はしませんが今見た限りではその答えが妥当ですね。」

 凛は、顔を上げそう答えた。

「しかし、なぜ朔乃さんはアビリティを発動出来たんでしょうか?」

「何度も言っているが分からない。そもそもアビリティの発動方法を教えてくれよ。」

 凛がどうしても納得がいかない様子で聞いてきたが、俺も分からないから正直に答えた。

 だいたいこっちが聞きたいよ、なんでアビリティが発動したのかとか。

「アビリティの発動や能力は主に使い手の意志の強さに左右されます。アビリティを発動させたままその状態を維持するとなると強い意志を持った状態を維持しなければいけません。」

 凛は、自分でアビリティの発動についてを確認するように答えてくれた。

 つまり、アビリティを発動するためには自分の中に何か強い意志が必要なのか。

 でも、あの瞬間、自分の中に意志と呼べるものがあっただろうか?

 確かにあの時、死に対する反射に近い恐怖はあった。

 しかしそれは自分の意志ではなく、脳が生命活動の終わりに対して出した本能的なものであって俺の意志ではないはずだ。

 じゃあなんでアビリティが発動したんだ?

「なあ凛、俺はあの瞬間、死に対する恐怖はあったがそれでアビリティは発動するのか?」

「いいえ、そういったものではアビリティは発動しません。これは確かです。」

 一様、凛に聞いてみたが予想通りの返答が帰ってきた。

 じゃあなんで俺のアビリィティは発動したのか?ますます分からなくなってきたな。

「朔乃さん、今から自分でアビリティを発動することは出来ますか?頭の中で何かイメージしてください。慣れない内は少し口に出すとイメージしやすいですよ。」

 凛はアビリティの使い方を教えてくれた。もう一度使ってみてくれということだろう。

 イメージか、どんなことをしようか。

 俺は少しそう考えると、とりあえずさっきのように地面から影を出すイメージをした。

「影よ、出ろ。」

 地面から影が突きだしているイメージをしてそう呟くと俺の影が黒さを増し、ユラユラと動き始めた。うまくいっているのだろうか。

「影よ、出ろ。」

 もう一度呟いてみる。

 しかし、今回は呟いてもただ足下で影がユラユラ揺れているだけだった。

「わるい、やっぱり上手く出来ないな。」そう凛に言おうとすると、

「氷弾よ、穿て」

 いきなり、凛の周りに浮遊している塊が俺に向かって高速で放たれる。

 突然のことで対処出来ず、突っ立ったままさっき感じた死の気配を感じていた。

 何も出来ずただ呆然《ぼうぜん》と見ている。

 すると、俺の背後から黒いものが伸びてきた。それは塊をすべて止め、支えを失ったように再び俺の影の中に消えていく。

「朔乃さん、今私が攻撃した瞬間、何を思いましたか?」

 凛が俺の目を見て尋ねてきた。

「いきなりのことだったので死への恐怖以外、何も考えられませんでした。」

「やっぱりそうですか。」

 俺は、正直に答えるとその答えを聞いた瞬間何か納得したような顔をした。

「多分あなたのアビリティは自動防御《オートガード》が出来ますね。」


やっとまともにアビリティ出せた。

これが私の今回の感想です。まあ、まだ全然出せてないだろとか言われそうですが。

多分キャラ達がアビリティ使ってドンパチやるのはまだ先の話だと思います。なるべく早く書きたいですが。

それでは、後書きを含め最後まで読んで頂きありがとうございます。次回も早めに投稿します。

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