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ABILITY  作者: high
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17/25

自己紹介のち食い倒れ

お久しぶりです。17話目です。

今回は特に書くことがないので17話を最後まで読んで頂けると幸いです。

 俺の目の前で少女にしか見えない少年湖翼琥珀(こよくこはく)がはちきれんばかりの笑顔を俺に見せている。

 その顔には自信や満足の感情が詰まっており、

まるでこの世界の全てを昼にしそうなくらい輝いていた。

 人の限界点を越えて普通出来るはずのないことが可能となる、当たり障りもなく簡単に言ってしまえば異能力と呼ばれる力“アビリティ”

 この少女、じゃなく少年琥珀くんのアビリティは

“霊魂の悪戯(ポルターガイスト)”と言い、周りの霊魂のようなものと

交信をしてその霊魂を使役する力らしい。

「霊魂ってことは幽霊とかそういうのを操れるってことなのか?」

「う~ん、幽霊って言うのはあってるけど、操るって程の強制力はないからお願いしてるって方が正しいかな。」

「それじゃあ今、台所でスポンジやらが宙を舞っているのは何なんだ?」

「あれは、スポンジだったりお皿だったりに憑依してもらってるからだよ。そうすれば色んな物が浮かせたり動かせたりするんだ。」

 なるほど…幽霊を操るアビリティにはそんな使い方があるのか。

 この施設に入って一番付き合いがある女性、氷室凛(ひむろりん)からアビリティには色々な使い方があると

聞いていたので新鮮な驚きや新しい使い方の例を

見て感心したりしていると、

「そう言えば、おじさん名前何って言うの?今まで聞いてなかったね。」

 琥珀くんから名前を聞かれた。

 そう言えば名乗ってなかったな。

 今更という感じはあるが俺も自分のことを

しゃべってないことに今気付いた。

「俺の名前は朔野凶弥(さくのきょうや)だ。最近この施設に連れて

こられたばっかりなんだ。」

「凶弥って言うんだね、おじさんは。」

 “おじさん”呼びが定着してるがまだ二十代前半

なのに何回も言われると少し刺さる部分を感じる。

 ・・・別の呼び名にしてもらおうかな…

「凶弥おじさんのアビリティってどんなかな?」

 そんなことを考えていると琥珀くんからまた質問された。

 “凶弥おじさん”甥や姪から名前を呼ばれる人ってこんな感じなのかな、やっぱり呼び名はこのままでいいや。

「ああ、俺のアビリティは“夜影を司る者(シャドーニュクス)”って

言って影を操る能力だ。多分見てもらった方が

分かると思う。」

 そう言って俺は自分の影を操り、適当な動物を

イメージして“影絵”を琥珀くんに作った。

「わー!凄いね!」

 琥珀くんは目をきらきらと輝かせながら俺の作った“影絵”を見つめている。

 やっぱりその姿は見たかったものを見ている少女にしか見えない。要するにかわいい。

「凶弥おじさんの能力はもっともーと色んなものを作れるの?」

「まあ、俺が知ってるのもなら余程大きなものじゃない限りは。」

「そっか、じゃあ……うんん、いいや。そろそろ

ボクも自分の部屋に帰るよ、凶弥おじさん。」

 琥珀くんは笑顔で食堂から出ていったが、さっき口ごもった時、一体何を言おうとしたのだろうか。

 口ごもった瞬間の琥珀くんの表情は悩みや自戒の気持ちが見えた気がした。

 ♪~~♪~~♪~

 その時、炊飯器の炊き上がりを知らせるアラームがなった。

 その中には何合あるか分からないがとにかく、

たくさんの白飯が炊き上がっており、その匂いは

とても美味しそうだ。

 でも…

「流石に全部は食いきれねえ…」

 美味しそうなのだか全部を食べるのは無理だ。

 かと言って残すと残したで色々と問題と言うか

面倒なことになる。

 実は数日前、凛と一緒にご飯を食べてるときに

パクチーが中に入っており、それを残そうとすると凛から「粗末にするな」とスゴい勢いで怒られたのだ。

 しかも、ただ怒鳴るのならまだしも、パクチーの中に入っている栄養素のことを事細かに説明し、

それが体にどう影響するかまで説明したのだ。

 終いには、凛の氷を操るアビリティ

“万物を凍らせる者(フリーズンコスモ)”で俺の味覚を麻痺させてまで

食べさせようとしてきた。

 もうあの講義だけは受けたくない。

 この思いが俺の中で作用し俺は腹を括る。

 そして俺は目の前で良い香りのする湯気を上げる白米に覚悟を決めてしゃもじを入れた。


 その後、朝食を作ろうと食堂に来た凛に食い過ぎで倒れてる所を発見され、介抱されながら自分の部屋に連れて行って貰った。

 その時の凛の顔からは呆れしか感じとれず、非常に申し訳なかった。


今回は湖翼琥珀を登場させる話の最後です。

特に書くことがないので今後はとりあえず20話までは12月の半ば、最低年内には投稿したいです。新キャラももう一人位出るかもしれません。

後書きを含め最後までの頂きありがとうございます。


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