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ABILITY  作者: high
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16/25

霊魂の悪戯

お久しぶりです。

今回が確か16話目のお話です。

今回の話では湖翼琥珀くんのアビリティが紹介されています。

最後まで読んで頂けると幸いです。

 真夜中の食堂でたまたま出会った見た目が

十二~十三歳位の少女にしか見えない

男の娘“湖翼琥珀《こよくこはく》”くん。

 俺が適当にこしらえた焼きタレ炒めを琥珀くんが食べ終わった時、

「ふぅ~、おいしかった。ありがとうね、こんなにおいしいものを作ってくれて。」

 満面の笑みで琥珀くんがそう言ってくれた。

 そんなことを言われると危うく昇天しそうになるほど喜ばしい限りだ。

「そういや、まだ腹減ってるならもっと作るぞ。

まだ食べるか?」

「ううん、大丈夫。もうお腹いっぱいだよ。」

「そうか、分かった。」

 目の前にいる可愛らしい男の娘はお腹を叩いて

ぽんぽんとするようなジェスチャーをしているが、その姿も、とても可愛く、見惚れる程だ。

「じゃあ皿を片付けるから皿持ってくぞ。」

「え!ボクの命の恩人に皿洗いなんてさせられませんよ!ボクがします!」

 ここぞとばかりに俺の腕から皿を奪い、シンクに持って行こうとする。

 しかし、かなりの量を食べていたのでそれに比例して皿の量もかなりの量である。

 積み重なった食器は、上の方がぐらぐらと揺れており、揺れるのに合わせて皿を持っている琥珀くんもばたばたしておりこのままだと脚が絡まって

そのまま皿を割って怪我をしそうだ。

「おい、大丈夫か、落ち着け今支えるから。」

「だ、大丈夫ですよ。このくらいのことは出来ますから。」

 琥珀くんはそう言ってるが仮にそうだとしても

見ている側は気が気ではいられない。

 俺は自分の、分かりやすく言うなれば異能力

つまり普通人間が持たざる力、“アビリティ”を発動させ、足下の影から手のようなものをイメージして自分の手と影の手を使い、倒れそうになっている皿を支えた。

「大丈夫か?」

「ううう、すいません。ご飯まで作って頂いたのに、こんなことでも迷惑をかけてしまい…」

「あー、その、気にしなくていいぞ別に。」

 しょんぼりとした顔でそう言ってるのでこちらも少し後ろめたさと言うか罪悪感のようなものが出てきたのでとりあえずフォローを入れておいた。

 影の手を使い、そのままシンクの近くまで支えながら歩くと自分が支えていた所も影で支えて、自分の手で積み上がった皿を少しずつ、シンクの中に置いていく。

「お皿を運ぶのは手伝って貰ったけど、皿洗いは

ボクがやるよ!」

「いやでも、この量の皿を一人でやるのはきつい

だろうから俺も手伝うよ。」

「フフーン、まあ任せてよ。今回こそボクは大丈夫だよ。」

 自信満々に琥珀くんはそう宣言すると誰もいない壁の方や天上、いくつかの場所の方を向いてそれぞれの方向でお祈りのように数秒だけ目を閉じてシンクの方を向くと、

「みんな、ボクのお願いに応えて…」

 また目を閉じて祈るように呟く。

 するとシンクに備え付けてある、スポンジや

洗剤、皿等ががほんのりと淡く光り、かたかたと

震えだしたかと思うといきなり浮き上がり勝手に皿を洗い始めた。

「うわぁ!」

 俺は眼前の光景に腰を抜かしてしまい、飛び上がるように後ろにこけた。

 スポンジや皿が踊るように洗い、洗われている

光景を背景に、

「ふふ、びっくりしたでしょ。

ボクのアビリティ“霊魂の悪戯(ポルターガイスト)”にかかればこんな

もんだよ。」

 琥珀くんは堂々と胸を張ってそういった。

 俺は一瞬、琥珀くんが男だと理解していながらも胸の部分を見てしまい膨らんでいないかなんてことを確認してしまった。

 そんなことはどうでもよく、いやどうでもよくないんだけど、自分の見ている光景の理由がなんとなく理解出来た。

 さっき琥珀くんが言ったようにこれは彼自身の

人智を越えた力“アビリティ”の力なのだろう。

 恐らく念力や神通力的な何かで物を動かす事が出来る系の能力が考えられる。

「ねえねえ、びっくりしたでしょ!びっくりしたでしょ!」

 俺が思考を働かせてる間にも無邪気な笑顔でそう言ってくる。

「ああ、びっくりしたよ。これはどんな能力なんだ?」

 俺は自分の率直な意見と率直に聞きたいことを聞いてみた。

 すると、一瞬琥珀くんの顔から悲しみと微かな

安堵が見えた気がしたが、今前を見ても無邪気に

笑う顔しか見えない。

「おじさんはこの能力、どんな能力かと思った?」

「うーん、念力的な何かで物体を操る能力と思ったけど。」

「やっぱりおじさんもみんなと一緒だね。おじさんの答えはブブーだよ。」

 引っ掛かった~と言わんばかりの顔でこちらを見て笑っている。

 これが普通の奴だったらイラッとするかもしれないが琥珀くんがやるとどうしても小悪魔っぽくなってしまい、どうしてもかわいい。

「正解はね、ボクのアビリティはその辺に漂っている霊とか魂と交信してそれらの霊魂を使役する能力なんだ。」

 はちきれんばかりの笑顔で琥珀くんは

そう言い放った。

今回登場したアビリティ“霊魂の悪戯”なんですが、フッと思いついたアイデアなのでこれからどう転ぶか少し分からない部分があります。

次はなるべく来週投稿したいですが、少し遅れるかもしれません。

後書きを含め、最後まで読んで頂きありがとうございます。

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