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ABILITY  作者: high
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11/25

ヘェリモンドの冒険

すいませんこの前の水曜日は10話の改稿だけしか出来ませんでした。

今回は11話ですがだいたい12話の予定は出来てるので今週は水曜日に投稿出来ると思います。

それでは、誤字脱字や読みにくかったりするかもしれませんが最後まで読んで頂けたら幸いです。

 何もない空間にただ一つヒビがはいっている。

 これが凛《りん》の言うこの世界の外側、

確か“外側の世界(ヘェリモンド)”とかいう異世界への入口なのだろう。そのヒビの奥には建物の中とは思えない程の

広大な荒野が広がっているように見えた。

「・・・これが異世界への入口なのか…」

「はい、そうですよ凶弥《きょうや》。」

「それじゃあこのヒビの奥は別次元の世界なんだよな。この俺たちがいる世界とは別の世界なんだよな。」

「はい、そうです。」

 正直、驚きもあるがそれと同時に自分の中に未知の世界への興奮もあった。

 異世界

 それは普通行けるはずのない世界。

 普通に行けてはいけない世界。

 普通、存在そのものを疑う世界。

 そんな世界が今俺の目の前にあるのだからこんな興奮も致し方ないだろう。

「じゃあ行きましょうか“外側の世界(ヘェリモンド)”へ。」

「ああ」

 そう言って俺は凛の後ろを歩き、空間にあるヒビの中に入っていった。


 ヒビの中に入ると先程いた無機質な地下室とはまったく違う、入る前に見ていたように一面荒野が広がっており、遠くには森のようなものも見える。

 異世界と言っても呼吸もでき、まだあまり自分が異世界に来たという実感がなかった。

 この世界でも今は昼頃らしく太陽?のような光源が光輝いている。この世界にも天体のようなものがあるのだろうか?

 そんなことを考えながら少し辺りを見渡していた。

「ここにいても何も無いので少し森まで歩きましょうか」

「それじゃあ歩きながらでもこの世界についてもう少し教えてくれ。」

「いいですよ。と言っても分かっていることは少ないのであまり話せませんが。」

 そう小さく笑いながらも凛は、今分かっていることを詳細に教えてくれた。

 この世界に入る前に聞いた“外側の獣(クレアトラ)”という人間界にはいない凶暴な生物の中には、牛や豚のような人間界でもよく見る生物もいるらしい。

 だがそういった生物すべてを含めて凶暴なので

この世界はひたすら強いものが勝つ世界の中、進化していったと考えられているようだ。

 なのでより強く、より狡猾に進化した生物が多い。

 そして、人間のような生物もいたかもしれないが生存競争に負けたか、見つけれないだけか人型の

生物は見つかっていないらしい。

 また、この世界には物理法則が無茶苦茶な場所や時間の流れが違ったりなどおかしな場所がいくつもあるので注意しろと言われた。

 そんな話をしていると森がもう目の前にあり、凛が足を止める。

「見て分かるように樹木でから何まで全てが人間界には無いものです。一旦ここで休みましょうか。」

 凛は、そう言うと背後に凛の氷を操るアビリティ

“万物を凍らせる者(フリーズンコスモ)”で腰かけるものを作っていた。

 それを見て俺も自分の影を操るアビリティ

“夜影を司る者(シャドーニュクス)”で地面から影を出し、それに腰を

かけた。

 多分これもアビリティの練習の一つなのだろう。自分が望む形を作り、それを維持させるには作る物をイメージして、それを留めなければいけない。

 少しでもイメージが変わるとそれに合わせて形も変わってしまうため簡単そうで意外に難しかった。

「それでは休憩がてら、もう少し話しますか。」

「お願いします。」

「氷の地図(アイスマップ)」

 凛がそう呟くと俺と凛の間に氷のでこぼことした地図のようなものが現れた。

「これが今の所分かっているこの世界の地形です。そして、私たちがいるのがここですよ。」

 そう言って指を指した地図の中心あたりには小さな二つの氷が浮いていた。

「この氷が俺たちの現在地を表してるんだな。」

「はい、そしてこの世界はまだ全ての大地を調べられていません。この地図の先にもまだ大地は続いているのでそれを調べなければいけません。」

 地図を見ていると山が連なる地域やまっ平らな

平野のような地域、端の方には海のようなのも

見える。

 本当にこの世界は地球とは違うのだろう、まだ

未開の地が数多くあり、分からないことだらけの

世界なのだろう。

 俺は凛の話や目の前の地図を見て子供のような

冒険心を抱きながらそう思った。

「それではそろそろ食糧を獲りにいきますか。」

「えっ、食糧って。」

「ああ、言ってませんでしたね。私たちの組織では節約のため、たまに狩りをしているんですよ。」

 凛がいきなりそう言い出すのでびっくりしてしまった。

 確かに思い出してみてみるとたまに不思議な食感の肉や見たことない野菜のようなものが入っていたことがあった気がする。

 あれはこの世界の食べ物だったのかと今さらながら納得した。

「それじゃあ行きますよ。」

 凛は、そう言って森の中に入っていった。

 森の中に入ると角がはえたリスのような生物や、脚が6本あるトカゲ、羽が二股に分かれた鳥など見たことがない生物が沢山だった。

 そんな森の中を「はぁー」だの「すげぇー」等と馬鹿みたいに呟きながら凛の後ろをついていくと凛が何かに気づいたように止まる。

「見つけました。」

 凛の目線の先には草を食べる豚のような生物が

数匹群がっていた。

「あの生き物はビーグと言って美味しいんですよ。」

 そう言うと草陰に隠れつつ氷弾を作っていた。

 その氷弾はライフルの弾のような形をしておりどうやらこれを撃って狩りを行うようだ。

 凛が右手を銃の形にして人差し指をビーグという生物に向ける。

「氷弾よ、穿て。」

 凛がそう言った瞬間ライフルの弾の形をした氷弾は二匹のビーグの元へ行き見事に頭を撃ち抜いた。

 ほどなくして撃たれた二匹は倒れ、周りの仲間は突然倒れた仲間に驚き、鳴き声を出しながら逃げて行った。

「それでは今日は帰りましょうか。次来たら凶弥が狩りをしてくださいね。」

 凛は、そう言うと手早く撃ち殺したビーグの血抜きを行った。

「それでは凶弥も片方を持って下さいね。」

 凛は、倒したビーグの片方を見ながらそう言う。

 ビーグの大きさは養豚場の大人の豚ぐらいあり、この組織に入る前、つまり一度死ぬ前までニートやってた俺に運べる訳がない。

「何を戸惑ってるんですか、これも練習ですよ。」

 凛に言われ気づいた。

 もちろん、アビリティでも重い物を持ち上げるより軽い物を持ち上げる方が楽だ。

 なので凛から何度か重りを持ち上げる練習もさせられたが今回持ち上げるのは大人サイズの豚みたいなやつだ。

 出来るのか?なんて思いながら俺は自分のアビリティで持ち上げる作業にはいった。

 かれこれ数分後やっとのことで豚を持ち上げ、俺は凛と一緒に最初入ってきたヒビの場所まで戻っている。

 凛も俺に合わせてかゆっくりとした速度で歩いておりその顔も涼しそうだ。ちなみに俺は集中しながら必死にビーグを少し引きずる感じで運んでいる。

 そしてやっとのことで森から出てきた時、凛に俺たちの住んでる施設の所長?である灰蛇《はいだ》から連絡が入った。

『どうも~、ごめんね多分帰ってる途中だったでしょ。至急頼みたいことがあってさ。』

「なんですか所長、用件を言って下さい。」

『丁度今の君たちの地点から少しの所にまた次元をつなぐ穴が空いちゃって。』

「所長、それは何処ですか!」

 凛は、いきなりまくし立てるような剣幕で怒鳴った。

『そんなに急《せ》かないで、そこから北に森をつき抜けた辺りだよ。』

「分かりました、急いで行きます。」

 早口で連絡に返答すると俺の方を向いた。

「凶弥は一人ででも施設に戻って…」

『それとさっくんも一緒に連れて行ってね。』

 さっくんとは俺に対する灰蛇の呼び名だよな。俺も行くのか?

「所長!危険です、凶弥は帰らせます!」

『どうしたんだい氷室《ひむろ》くん、何を恐れているかな?』

「何言ってるんですか、私は…恐れてなんて…」

 よく聞こえないが灰蛇の言葉に凛が返答をつまらせている。

『大丈夫さ、今のきみなら』

 そして、灰蛇からの連絡は切れた。


10話がすごく字数少なくすぐに終わっていたので今回は字数多めです(たまたま)

最近は今後の凛の処理をどうしようかと悩んでいます。なんだか、凶弥が一人で行動している絵が思い浮かばない。いつも凛が隣にいる。

今回も後書きを含め最後まで読んで頂きありがとうございます。多分今週水曜日にまた投稿します。

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