エピソード4、討伐依頼
「ちなみになんだけど。早速依頼出してもいい?」
「大丈夫ですよ。でも、エルシアさんから依頼って、しかも、なんで僕に依頼を出すのですか?」
「なんで?それはね。君のスキルを見込んでのことだよ。」
「それに、君のスキルの詳細はあまり知らないけど、強いスキルなのは事実だろう?」
「まぁ、弱くはないのは事実ですけど⋯。まぁ、そういうことなら納得です。」
「理解してくれたということなら、本題に入ろう。」
「君に頼みたい依頼は、魔物の討伐でね。どうだい?魔物を狩ったことはあるかい?」
「魔物を狩ったことはないですけど、自信だけはあります。」
「魔物を狩ったことはないのに、自信だけはあるのかい?威勢のいいことだね。まぁ、でも君なら大丈夫だとは私は思うから心配はしてないけどね。」
「そうですか。でも、心配はしてほしいところですけどね。」
「そうかい?君は心配しなくても大丈夫だと思ったから言ったのだけどね。まぁ、そういうことなら、気おつけて、だけは言っとくよ。」
「お言葉ありがとうございます!ちなみにですが、エルシアさん!ひとつだけ聞いてもいいですか?」
「なんだい?」
「やっぱり、さっきの話がどうしても引っかかっていて。僕がエルシアさんから指名依頼を受けることは分かるとして。でも、なんで冒険者登録をしたばっかのEランク冒険者の僕に魔物の討伐依頼なんかを出すのかが分からなくて。だって、普通だったら登録したての冒険者は薬草拾いとかの依頼しか受けれないし、魔物の指名依頼なんかも当然来ないはずだから。引っかかっていて。」
「そうか。君は自分が弱いと思っているのか。」
「まぁ〜弱いとは思ってな」
「そう!弱い!!」
「え!!はっきりいうのやめてもらってもいいですかね。メンタルが傷つくんですけど!」
「まあ、最後まで聞け。弱いとはっきりと言ったのは今の君のスキルなしの実力のことを言ったわけで、これからの君は鍛錬でどうにも強くなれる。でも、私が弱いと思っているのかと問たのはスキルを使っているときの君のことだ。そして、君に魔物討伐の依頼を出したのはスキルを使用している時の君の実力を見込んでの話なのだよ。あの時、君は相手をしていた冒険者の剣を紙を切るかのごとく斬っていたでしょ。それが、私が君に魔物討伐の依頼を出す理解だよ。」
「どうだい?理解してくれたかな?」
「はい。まぁ、理解はしましたけど。」
「ちなみに、魔物っていうのはなにを狩ってくればいいんですか?」
「あぁ、そうだったな。魔物の詳細を伝えてなかったな。」
「狩ってきてほしい魔物っていうのは簡単に言うとDランクの魔物でね。」
「え!Dランク!?ちなみに、名前はなんなのですか?」
「それは、ゴブリンだ。」
「ゴブリン?」
「あぁ、そうだ。」
「あの〜そのゴブリンって強い魔物なんですか?」
「いや、Dランクの魔物の中では雑魚の部類だな。」
「雑魚ですか!?それなら、簡単じゃないですか?」
「いや、それが簡単とも限らないのだよね。」
「どうしてですか?」
「それが最近、ゴブリンの様子がおかしいという情報が入ってきてね。だから、君に頼んだのだよ。」
「あ〜それで、僕に依頼を。」
「そうだよ。」
「ちなみに、様子がおかしいというのはどういったことなんですか?」
「それが、情報を提出した冒険者によると、ゴブリンは大きな巣穴に住み着いていて、奥にはゴブリンキングらしき魔物もいたそうなんだ。」
「え!でも、それは普通の話なんじゃ。ゴブリンっていう魔物は集団行動する魔物だって聞いたこともあるし、ゴブリンキングがいるなら僕のようなEランク冒険者じゃなくて、もっとランクの高い冒険者に依頼を出せばいいのに。」
「いや、それではだめなんだよ。今回、セシルくんに指名依頼を出したのは、高ランク冒険者でも太刀打ちできない問題があったからなんだよ。」
「え!問題って?」
「あぁ、問題っていうのはゴブリンの巣穴でもなく、ゴブリンキングのことでもなくてね。実は様子がおかしいっていうのは、普通防具を装備しないはずのゴブリンが高価な鉄製の防具を装備していたからなんだ。」
「しかも、装備していた防具は冒険者が持っていた鉄の剣すらも通さないかなり強度の高い防具らしいんだよ。」
「でも、それなら、高ランク冒険者でも討伐できるんじゃあ⋯。実際、高ランク冒険者が所持している武器はレア級のミスリルの武器だし、鉄の剣よりは遥かに強い攻撃力をもっているから大丈夫なんでは?」
「大丈夫じゃないのだよセシルくん。まぁ、でもセシルくんが言ったようにミスリル武器ならコブリンの防具の方はいける。しかし、一番問題なのはコブリンキングほうでね。実はコブリンキングが装備していた防具はなぜかオリハルコンでできていてね。いかにミスリル武器でも、レジェンド級の防具に傷をつけるのは難しいのだよ。」
「え!オリハルコンの防具?そんなことってあるのですか?」
「普通はない。」
「ですよね。でも、なんで急にゴブリンとゴブリンキングが防具を装備するのでしょう?」
「すまない。私にもなぜ、急に防具をつけ始めたのかは分からなくてね。でも、私が思うに明らかに人の手が加えられているのは事実だと考えるね。」
「人がゴブリンとゴブリンキングに防具を与えているとことですか?」
「そうだね。私が考える限りではそうなるね。」
「ちなみに、ゴブリンとゴブリンキングの武器は普通なんですか?いつも、所持している武器とか?」
「あ、セシルくんすまない!言い忘れていたが武器もオリハルコン製らしい。」
「え!武器も⋯。」
「うん!」
「エルシアさん!そういう大事なことは先に言ってください。」
「だって、防具だけなら防具が壊れるまで攻撃をしていれば大丈夫かもしれませんが、武器もオリハルコン製なら攻撃するどころ攻撃している時にこちらが攻撃をくらえば即死なので、攻撃する暇がないということなので攻略は難しいですよね。」
「すまなかったね。まぁ、でも攻略できないわけではないよ。だって、そのためにセシルくんに依頼を出したわけだからね。」
「ん?どういうことですか?」
「だって、セシルくん、スキルを使えば木の枝を武器に変えれるでしょ?しかも、変えた武器の強度は凄まじいのでしょ?」
「なんで、気づいたのですか?」
「いや、だって、さっきセシルくんが冒険者と揉めている時にこっそりセシルくんが木の枝を変えてできた武器の強度を鑑定士に調べさせていたからね。」
「げ!抜け目ないですね。」
「そりゃーギルマスだからね。」
「いや、それは関係ないかと」
「君は意外と真面目なんだね〜」
「失礼しちゃいますね。意外とってなんですか?」
「いやいや、ごめんごめん。」
「まぁ、いいですけどね。」
「で、セシルくん!話を戻して。私がこれまで話をした内容でセシルに指名依頼を出した訳が何となく分かったかい?」
「まぁ、なんとなくは分かりました。僕に依頼を出したのは僕のスキルがオリハルコン製の防具や武器だろうと関係ないとエルシアさんが考えたからですよね?」
「そうだ。君のスキルならオリハルコン製でも関係ないのではと考えたからだよ。」
「まぁ、理由してくれたのなら、早速討伐に行ってくれ。」
「はい!分かりました。そうエルシアさんがおっしゃるなら早速ゴブリン討伐に行ってきます!」
「あぁ!気おつけてくれ。無事を祈っているよ。」
「はい!」
こうして、僕はエルシアさんに声をかけてもらい、ゴブリン討伐に行くべくギルドを後にしたのだった。




