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リュウノスケの冒険 その後の長靴をはいた猫  作者: ぽち丸


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4/4

灰色猫の名前はリュウノスケ

灰色猫のリュウノスケがうちにきてひと月たった。

ちなみにリュウノスケという名前はぼくがつけた。我ながらぴったりの名前だと思う。男らしくてカッコイイ。本猫も気に入ってる。


あのとき緑道でリュウノスケが話かけてきたのは偶然じゃなかった。毎日緑道をうろついているぼくに、話しかける機会を探してたんだって。

「なんでぼく?」

「ピンときたんだよな!」


ピンときてくれたのはうれしいけど、話しかけられたのがぼくでつくづく良かったと思う。人によってはSNSでバズらせてたり、ネットオークションにかけたり、お金儲けの道具にしていたかもしれない。なんたって人語を介する猫だ。リュウノスケは男気あるけど、あぶなっかしいところがある。


ぼくはなぜか、人間の言葉を話すリュウノスケをすんなり受け入れることができた。そしてぼくらはすぐに意気投合した。

一緒にいるのが当たり前のような気がして「うちに来る?」と尋ねたら「それいいな!」とにっと笑った。うれしくてぼくも笑った。


リュウノスケをつれてマンションに戻ると、玄関先で仁王立ちしていたお母さんは絶句した。

「帰りが遅いと思ったら。そりゃあペット可の物件だけど、いきなりすぎない?」

しぶい顔をしているお母さんの方を見て、リュウノスケが小さく「ニイ」と鳴くと、お母さんは「まあ、連れてきちゃったもんは、仕方ないわねえ」と目じりをさげた。


そしてぼくの腕からリュウノスケをうばいとると「お腹すいてない?」「おりこうさんねえ」などと、にこにこ話しかけながら、さっさと家の中に入ってしまった。

リュウノスケがぼくの方をむいてニカッと笑った。さすが猫、可愛がられ方をよくわかっている。


その晩は動物病院に連れて行って、次の日はショッピングモールに猫グッズを買いに行って――、春休み最後の二日間は怒涛のようにすぎた。獣医さんによるとリュウノスケがロシアンブルーという種類の猫だそうだ。


マイクロチップも入っていなかったし、迷子猫の届け出もされていなかったけど、高級そうな猫だから飼い主がいるんじゃないかとお母さんはずいぶん気にしていた。でもリュウノスケ本人から「オレ、生まれたときから野良暮らし」と教えてもらったことは内緒だ。

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