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【挿絵付】月本菜穂物語  作者: ㈱姫神V
10/11

高3、クラスメートの引っ越し②

「あの!大原くん…!」

「ん?何?月本?」

「あのさ、このあと少し話せる?」

「あ〜、少しならいいけど…」

帰って引っ越しの準備があるから?


「ちょっとでもいい!話、したい…」

あたしの切羽詰まった顔を見て、男子たちは先に帰るわ、と言って帰っていく。


挿絵(By みてみん)


他のクラスメートもあたしのただならない感じを察して1人、また1人と帰っていく。

あたしは話し始められないでいる。


「あの…何?今日はあんまし時間がないんだけど…」

「大原くん、引っ越すの?」

「あ、あぁ…うん」

本当だった…目の前が暗くなる。


「なんで…あたし…大原くんとそこそこ仲、よかったと思うんだけど…」

「そうだな。うん。でも…」

「好きだったのに!どうしてあたしに何も教えてくれなかったの!?」


「それは…え?好きって…」

「好きよ!好き!付き合いたいって思ってたのに!」

「お、俺も…言われたあとで悪いけど、大原のことは好き…だよ」

あっ…やっぱり…引っ越しするなんて思ってなかったから…もっと早くに言ってればよかったの?それとも、それでも引っ越しは、転校はしちゃったの?


「でも引っ越しちゃうって…」

「あぁ、それは…」

あたしは大原くんの言葉を遮ってキスをした。

「ん!?」

「やだよ!あたし…大原くんが引っ越すなんてやだ!」

「ん!ちょっ!月も…と!んん!」


せっかく両思いになったのに!なれたのに!離れ離れになるなんて!

そのまま抱きつく。

「大原くん!エッチなこと、しよ?」

そうだ。あたしのことを忘れないように、絶対忘れられないように、思い出を作ろう!


どこに行っても、もしすぐ会えないとしても、今日の思い出が消えないように。


「え!?エッチ!?なんでそんな…」

「お互いに好きなんだし、いいよね?ね?」

「でもここじゃ…」

「あっ、教室じゃ…そっか…どこならいいかな?」

「うちは…片付いてないけど、そうだな…でもまだ誰も帰って来てないと思う…」


「連れてって!大原くんのうち」

「いや、まぁ…そうか?うち、来るか?」

「うん!行く!」


大原くんのうち、どこだろう。

自転車で来てるからそう遠くないと思うけど。

今日、あたしは大原くんとエッチをする。

付き合ったその日になんてちょっと早い気もするけど、次にいつ会えるかわからないし、普通と違くても仕方ないよね。


自転車をこぎ、大原くんについていく。

「あっ、あたしたち、付き合うってことでいいよね?」

「あぁ、うん。月本がいいなら付き合いたい」

よかった。そういえば好きとは言い合ったけど付き合ってなかった。


挿絵(By みてみん)


「そうだ、引っ越し、どこに引っ越すの?次に会えるのっていつになるかな?」

「次って…俺、明日も教室で会えるけど?」

えっ…?

「だって!引っ越すって…転校は!?」

「転校?しないけど?これからは電車通学になるけど、引っ越すったってそう遠くないし」


え?え、えー!

「そんな、あたし…大原くんともう会えないかもって思って…え!?転校しないの?」

「しないよ。引っ越すの言わなかったのだって元々うち、知らないだろ?別に言わなくてもいいかと思って」


あたし、勝手に勘違いしてた…

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